メールマガジン第7号:「台湾有事」は沖縄に来る、沖縄の動きが米雑誌『カウンターパンチ』に出る
ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会メルマガ琉球・沖縄通信「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」 賛同者・呼びかけ人の皆さまいつも活動をご支援いただき誠にありがとうございます。
第7号の今回は、共同代表のダグラス・ラミスさんからメッセージが届いていますそれでは、どうぞご覧ください。
「『台湾有事』は沖縄に来る、沖縄の動きは米雑誌『カウンターパンチ』に出る」。 昨年12月24日の沖縄タイムスの一面トップの記事は以下のように始まった。
「自衛隊と米軍が、台湾有事を想定した新たな日米共同作戦計画の原案を策定したことが分かった。有事の初動段階で、米海兵隊が鹿児島県から沖縄県の南西諸島に臨時の攻撃用に軍事拠点を置くとしており、住民が戦闘に巻き込まれる可能性が高い」。
これはどういうことだろうか。まず「台湾有事」とは、中国が軍事力で台湾を併合しようとすること、という意味だろう。そして、その軍事併合をやめさせるための「攻撃用の軍事拠点」が沖縄、南西諸島に置かれ、戦闘機やミサイルで、中国を攻撃するという意味だろう。
「住民が戦闘に巻き込まれる」ということは、中国がまたその攻撃拠点をミサイルなどで攻撃しようとするが、その一部は的を外れて、住宅街に当たる、という意味だろう。
これで日本政府の考えがよくわかる。つまり、大和日本がこの戦争に関わっても、巻き込まれる住民は沖縄県民で、大和日本人ではない、という計画だ。東京にも攻撃用の基地はあるが、それを使わず、沖縄から攻撃すれば反撃は東京へこないだろう、という考えだろう。(その考えは甘いだろう)
以上のようなこと中心にして記事をまとめ、アメリカのオンライン雑誌『カウンターパンチ』に送ったところ、「載せる」という返事がきた。この雑誌のウエブサイトは無料で、世界の至る所に住む読者の数は、合わせて毎月100万人に上るそうだが、そのうち沖縄の状況を知っている人は少ないだろう。
記事に、沖縄は日本の植民地になった元独立国家で、第二次世界戦争の時、連合軍が日本を攻撃する際に「陸上戦はなるべく本土日本に来させない」作戦とした結果、「沖縄戦」になったこと。そしてその後の米軍の沖縄占領統治の歴史や、沖縄で長く続いている反基地運動のことなどを短く付け加えた。
そうした歴史と現状を背景として「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」という新しい組織が今沖縄で活動をスタートしていることを報告した。今、世界中の人たちはウクライナ戦争に集中しているが、台湾が同じようにならないかと心配している人が多いだろう。
その「台湾有事」とまったく関わっていない、どちら側も支持していない沖縄人(ウチナーンチュ)が「日米軍は沖縄から中国を攻撃するな」と訴える運動が沖縄で立ち上がったことは、世界の多くの人にとって興味深いことだろう。
C.ダグラス・ラミス(政治学者・元海兵隊員)
(「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン第7号」より転載)
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