孫崎亨氏の慧眼~「憲法九条とウクライナ」
国際「ノーベル平和賞2020は『武器を捨てよ』に繋がるのか?」という疑念を記した。10月24日。
ノーベル平和賞2022に想う~「武器を捨てよ」に繋がるのか? | 憲法研究所 発信記事一覧 | 憲法研究所
(主として米国による)「ウクライナ支援⇒武器供与)は停戦、和平、平和構築に繋がらない。「唯一の被爆国日本」は「憲法九条を楯に友好仲介」をー。
憲法・法律専門家の討議の場でビジネス一辺倒、即ち門外漢としての論考が取り上げられたもので誇らしい。
時を同じくして10月22日、「損保九条の会」での孫崎亨(元)駐イラン大使の講演「憲法九条とウクライナ問題」に大いに励まされた。
即ち、「ウクライナ善、ロシア悪」一色の世相にあって「そうなのだろうか?」という冷静な問いかけに一致し、感嘆する。
講演記録は後刻発表されようゆえ待つとして、そのレジュメの一端は下記(筆者浜地が選択):
・日本の国是―憲法九条
行うべきは、(1)武力を使わないこと、(2)すべての問題を平和的に解決する努力をすること
・ウクライナ問題
日本は一億総糾弾、総制裁の中で、どれくらいの人が、経緯やロシア側の主張を理解し、外交的解決を探求したか
・「経緯」
ウクライナ人は複雑な歴史を持ち、多国語的構成を持つ国に住む。西部は1939年にソ連に組み入れられた
ウクライナは独立して23年。それ以前は14世紀から何らかの外国支配
・解決策があるか
東部に民族の自決権を与える
・なぜ和平が促進されないのか
米国は長期化に利益
「ロシアを勝たせない」形で武器提供
・「武力で現状変更を許さない」は国際条理になっていたか
以下、東アジア問題に続くーー。
因みに「ロシア・ウクライナ紛争」勃発(2月24日)直後。筆者(浜地)の問題提起に対して、孫崎氏からの返電メッセージ下記の通り (許可済み)。
From: magosaki
Sent: Saturday, March 19, 2022 8:43 AM
To: michio hamaji <TBE03660@nifty.com>
Subject: Re: RE: イラク侵略*を言及しなかったゼレンスキー米議会演説(浜地道雄)
ウクライナ大統領の国会演説に関し、本日私のツイートです。
恐ろしい空気だ。紛争当事者の一方だけの見解を聞き、当然他方の見解を聞く機会を持たない。そして一方の意見を参考に国会決議などしていく。これはウクライナ問題を超えて、日本が最早民主主義国家でなくなっていることを示す。あまりにも危険な国になっている。そしてそれを当然としているのが怖い。
引用ツイート
孫崎 享
怖いのは今、まさに一億総ロシア糾弾、一億総制裁の雰囲気に日本国中がなってることだ。特定の人物を非難するならその人の発言を自分で、見、聞くべきだ。扇動されているのでないかと考えてみるべきだ。例えば非難する人のどれだけの人が侵入直前のプーチン演説を読んでいるのか。読む用意があるか
*米英によるイラク侵略(カーブボール)
【第226回】9・11同時多発テロ ⇒ 「カーブボール」考 – 浜地道雄の「異目異耳」
なお、講演会では「商社九条の会・東京」第52回講演会(清水雅彦氏)のパンフレットが配布された。
※この記事は、「浜地道雄の『異目異耳』」(2021年10月26日)からの転載です。
原文は、コチラ→https://hamajimichio.hatenablog.com/entry/2022/10/26/123720
〇ISF主催公開シンポジウム(11月25日開催)『ウクライナ危機と世界秩序の転換 ~情報操作と二重基準を越えて』の申し込み
※ウクライナ問題関連の注目サイトのご紹介です。
https://isfweb.org/recommended/page-4879/
※ご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
国際ビジネスコンサルタント。1965年、慶応義塾大学経済学部卒業。同年、ニチメン(現・双日)入社。石油部員としてテヘラン、リヤド駐在。1988年、帝国データバンクに転職。同社米国社長としてNYCに赴任、2002年ビジネスコンサルタントとして独立。現在、(一財)グローバル人材開発顧問。「月刊グルーバル経営」誌にGlobal Business English Fileを長期連載中。