第7回 オール沖縄は左に寄りすぎて仕切り直しが必要か
琉球・沖縄通信(政治にも人にも『基本的人権』と主権を貫く『誇り』が求められている)
「オール沖縄は左に寄り過ぎて仕切り直しが必要」という声が上がっています。
故翁長雄志知事が「イデオロギーよりアイデンティティー」と訴え、「オール沖縄」結成を呼びかけました。
自民党を基板とする翁長さんが何故「オール沖縄」を組織しようとしたか?私なりにその重要さを理解しています。
沖縄戦を経験して、土地を米軍基地に有無を言わさず取り上げられた沖縄県民として、保守政治家として、軍事的備えの必要性を感じながら、日米軍事同盟の変質を隠し通して嘘をつき続けるより、被害に遭った主権者として正々堂々と基本的人権を守る立場に立ち返り「県民の承諾の上に」と見なされる辺野古米軍基地建設は県民共通の受け入れがたい屈辱である、と。
(アイデンティティーは基本的人権)
アイデンティティーは基本的人権であり、卑屈でない主権国家を誇り高く掲げることだろう。
卑屈な反共傀儡の「米国防衛のための不沈空母」の屈辱を継続するより沖縄県民としての誇りを毅然と掲げることです。
日本が反共傀儡国家となってしまっていることは、右派も左派も無く共通の客観的事実です。
「客観的事実をありのままに認識する事は民主主義の土台である」。
自民党・公明党の政治姿勢があまりにも卑屈であり、汚く、日本の誇りを放棄するものであるのが、本質なのです。
その誇りを高く掲げることは保守も革新もなく、人間として尊厳を保つ必要なことなのです。
いくら保守であると言っても今の自公政権は汚辱にまみれすぎています。誇り高き県民はその汚辱を「是」としません・
「オール沖縄は左に偏りすぎている」は非常に政治的発言です。
あまりにも屈辱に満ちた偏った心根です。
今、「オール沖縄」は人権に基づき正道を歩いているのであり、それを押しつぶそうとする自公が歪んでいるのです。。
保守思考の方も今の自公はいけません。
きっぱりと基本的人権の誇りを掲げるべきです。
(基本的人権は左翼も右翼もなく、全ての人の人として大切にされる原理です)
沖縄県民は基本的人権を持つ「主権者」として大切に扱われてきたか?
沖縄戦の惨禍を味わい、サンフランシスコ条約により日本から切り離されました。日本はアメリカ防衛の不沈空母と位置づけられました。
県民は日本人主権者としての主権を奪われたのです。
吉田茂がただ一人、他の全ての日本人の認知無く、「日米安保条約」を締結し、この条約によりアメリカの占領が継続されたのです。
これは右翼・左翼に関わりない客観的な「事実」です。
吉田茂の「国葬」はこの反共傀儡国家の屈辱を日本「国」民に是認させる為の「挙国一致」推進でした。では安倍元首相の国葬は?
(主権を放棄した自民党政権は、宗主国に使えるために主権者を欺し、沖縄住民を苦しめてきた)
沖縄県民の主権主張の頑張りで「復帰」いたしましたが、復帰に際しましても数々の「秘密協定」「密約」を用い、うわべと違い主権者住民を「その場凌ぎで欺し、さらに主権を売り渡し」ました。
選挙では「票さえいただけば後は野となれ山となれ」のような不誠実な政治が現実となりました。事実、「辺野古米軍基地建設」に道を開いた仲井真前々知事は県民への裏切り行為としてこれを行ったのです。
主権を放棄した自民党政権は、自らの保身の為には主権者を裏切ることなどたやすいことでした。
それは、旧統一教会が霊感商法などで告発された際に「国会議員ともっと密になるべきだった」と協会幹部が語ったことに全てが象徴されています。
自民党政治は相手がどうあろうと保身と金のためにはたやすく民主主義を保つ上での約束を破り、無法な関係を優先させるハチャメチャ政治集団です。
反共の傀儡ならではの無節操、ばれなければ何でもする集団なのです。
(海兵隊の任務から、「日本防衛」が外され、「日本防衛の第一義的な責任は完全に日本側にある」(1970年)が米軍指針となった)
日米軍事同盟をアメリカ側では明確に変質させています。しかし日本政府は客観的にそれを伝えず、傀儡の度合いを深めて、沖縄県民に犠牲を強いているのです。
(誇り高く主権を実施し、主権者県民の意思に基づく那覇市政を)
憲法に則る誠実な政治を取り戻そう。子孫に顔向けできない米国の卑しい傀儡政治とこれを迎合する那覇市政への復帰では無く,また、明治憲法への復帰では無く、現憲法を誇り高く掲げる社会、胸を張って主権国であるといえる、人間の誇りと一体となった,自分の誇り/沖縄の誇りと合体した、「祖国」と呼べる日本・沖縄を、「平和で豊かな沖縄」として取り戻すことが今の課題です。
(新たな「戦争の惨禍」の危険迫る)
県民は沖縄戦の惨禍を受けています。
新たな米軍基地を辺野古に設けることは、米軍の世界戦略に従って南西諸島に「敵基地攻撃能力」ミサイルを配備し、「新たな戦争の惨禍を準備する」ことと一体です。
武力は必ず住民犠牲を伴います。
武力整備の故に北朝鮮や台湾紛争に巻き込まれる危険が増大します。再びの戦争の惨禍は絶対回避しなければなりません。
そのための第1は新たな米軍基地の開設を拒否する民意を貫くことです。
アメリカに追随して武力増強/集団自衛権行使は真っ先に沖縄県民を危険にさらすものです。それを支える那覇市政では人権が守れません。
政治を私物化し選挙を支配の道具にしてきたことに対する怒りはいくらでも出てきます。那覇市政にそれを復活させてはなりません。
私たちは「主権者として主権者のための政治」を取り戻す整然とした行為で主権を行使しましょう。平和と生活を守る本心を確信持って発揮いたしましょう。
(「第118号避難者通信」より転載)
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1943年出生、長野県松本育ち。祖国復帰運動に感銘を受け「教育研究の基盤整備で協力できるかもしれない」と琉球大学に職を求めた(1974年)。専門は物性物理学。連れ合いの沖本八重美は広島原爆の「胎内被爆者」であり、「一人一人が大切にされる社会」を目指して生涯奮闘したが、「NO MORE被爆者」が原点。沖本の生き様に共鳴し2003年以来「原爆症認定集団訴訟」支援等の放射線被曝分野の調査研究に当る。著書に「放射線被曝の隠蔽と科学」(緑風出版、2021)等。