【特集】ウクライナ危機の本質と背景

2022年6月9日のウクライナ情報(完)

安斎育郎

ウクライナ問題の本質が、ますます明らかになってきました。

この紛争の原因を作ったのはNATOとその盟主であるアメリカであることは明白で、「ウクライナのNATO加盟問題」が基本的原因の一つです。

もう一つの原因は、アメリカが画策した2014年のユーロ・マイダン・クーデター後から続くウクライナ軍によるドンバス地方のロシア系住民に対する非人道的な無差別攻撃ですが、それを担った中心はアゾフ連隊と呼ばれるネオナチの極右民族主義者集団です。

アゾフ特殊作戦分遣隊、別名アゾフ大隊は、白人至上主義者によって設立された悪 名高いウクライナのネオナチ軍部隊ですが、今や、ウクライナ人口の1万分の1ほどのネオナチ集団が、ウクライナ国家を暴力まみれの国に変えています。

ロシアが要求する「ウクライナの非ナチ化」の第1段階は、マリウポリのアゾフスタール製鉄所などで捕虜になった数千人のアゾフ連隊の捕虜(ウクライナ人だけでなく、各国から志願したネオナチで構成されている)の戦犯裁判ですが、今日の映像の❸でもお分かりのように、アゾフは若者の訓練もしていますので、ウクライナの非ナチ化は戦後ウクライナ社会に引き継がれる重大な課題でしょう。

映像をご覧頂けば分かりますが、アゾフは「人間は撃ってはならないが、ロシア系住民は人間じゃないから撃ち殺して構わない」と指導しています。

ロシアは毎年、国連に「ナチズム、ネオナチズム、および現代の人種主義、人種差別、外国人排斥および関連する不寛容の拡大に寄与するその他の慣行の賛美と戦うこと」という決議を提出することが伝統になっていますが、この勧告は、すべての国連加盟国に対し、国際人権義務に従って、第二次世界大戦の結果の繰り返しを防止し、第二次世界大戦中に行われた人道に対する罪および戦争犯罪を否定し、あらゆる形態の人種差 別を根絶するために必要な措置をとるよう勧告するものです。

2021年、130カ国がこの決議に賛成し、49カ国が棄権しましたが、 主にNATO、EU、アジアと北米のアメリカの同盟国 などが含まれます 。そして、 実に、ウクライナとアメリカの2か国だけが、この「ナチズムと人種差別の賛美に反対する決議 」に反対しました。日本の市民運動の多くはロシアに冷たい目を向ける一方、アメリカには目もくれず、ウクライナは支援しています。

いいのかなあ、ホントに。ウクライナその他の西欧メディアが発するフェイク・ニュースにも引き続き注意が 必要ですね。時系列的な事実関係も書かれていない「ロシアが原子炉を空爆した」とかいったニュースは「フェイク」だと思った方がいいですね。

〈参考情報〉
❶ドンバスの人たちのウクライナに対する思い
https://youtu.be/Bs_5qiDqfEY
https://youtu.be/_CZboCFF0qk
https://youtu.be/Yl9v7bPpL9g
❷ゼレンスキー大統領に対する気持ち
https://youtu.be/6 hVl_TUMfE
❸ネオナチの若者訓練
https://youtu.be/BF5GppVkGaI

 

(「2022年5月~6 月ウクライナ戦争論集」から転載)

 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国 ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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