【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

第15回 東京、朝日、毎日各新聞社12月17日の社説の見出しをまずは見て頂きます。

鳥越俊太郎

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00190/20221219100000103319
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週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!
https://foomii.com/00190

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「平和国家と言えるのか、安保3文書を決定」(東京新聞)

「安保政策の大転換、『平和構築』欠く力への傾斜」(朝日新聞)

「安保戦略の閣議決定、国民的議論なき大転換だ」(毎日新聞)

日本の新聞各紙はどう違うのかな?

今、産経、読売両新聞の報道がどうなっているか?興味深いものがある。政府は恐らくこの読売、産経には若干助けられているところがあるのかもしれない。まぁ見ていないのでほんとのところは分からないが。

産経、読売は措くとしてここではあえてリベラル3紙と言われる三つの新聞を取り上げる。私が毎朝夕読んでいる新聞である。読んでいての実感だけど実は本当のリベラルでもなく、まあ左右バランスを取ってます!って新聞だな。

これを取り上げて「17日の新聞大騒ぎ」今日のテーマに入りたい。

しかし、単に「大騒ぎ」って書いたけど、それは実は国民の将来を決める大事件なのかもしれない。それを伝える2022年12月17日(土)の新聞各紙(3紙)は1面から2、3、4面と『安保3文書』改定で全面展開なのだ。

朝日新聞
https://foimg.com/00190/QP07UI

毎日新聞
https://foimg.com/00190/SUBlI0

東京新聞
https://foimg.com/00190/oq1ShX

ほぼ1面の全面を使っている朝日新聞に敬意表してトップバッターでご登場願おう。

先ず見出しだけを見ておこうか。

上に掲載した写真を見ながら御覧頂くとわかりやすいと思うが、念のため。

先ず1面の横地に黒字で大きく「戦後 日本の安保転換」

結構目立つな!そして縦に、これはあまり目にしない黒地に白抜きの活版見出し

「敵基地攻撃能力保有 防衛費1.5倍」

これも目立つ。そして横に大きく「首相、増税時期「来年に決定」

以上の見出しが今回の記事の要約ということになるだろう。

簡単に説明すると、今回岸田政権は「安保関連3文書」の改定を閣議で決定した。それは戦後の安全保障体制を大転換させ、「敵基地攻撃能力」も持つことになり、そのために防衛費は現在の1.5倍になるという。防衛費が1.5倍になることで、国民の税金も増えることになるが、その増税の時期については岸田首相が来年に決定するという。

あ、今ここまで書いて重要なニュースが飛び込んできたぞ!!

毎日新聞の17、18両日に行った世論調査の結果が突然入ってきた。重要なのでそのまま掲載しておこう。

岸田政権発足以来初めてじゃないかな?えええっ!!!25%かああああああ!!!

●岸田内閣支持率25% 政権発足以降で最低 毎日新聞世論調査
https://mainichi.jp/articles/20221218/k00/00m/010/092000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20221218

驚いたなあ。前回調査より6ポイントも下がるというのはよっぽどのことだな。さらに不支持率は7ポイントも上がって69%だそうだ。10人中7人が支持しない政権って?

毎日の世論調査の支持率は他社より若干低めに出る傾向にある。明日あたり、朝日新聞の調査が出そうだが、どうだろうか?

後は読売、共同通信などの調査結果がどう出るのかな?

コロナや物価高、統一教会で岸田政権は低空飛行を続けていたが、衆院選は2年先ですぐに身を構えることもないようだった。しかし、来年春には地方統一選もあり、全く何の影響もない、そうのんびりもしておれないのではないか。

原稿しか読まない総理大臣のこの政権はやはり国民に見放されてしまうのか?

それともこの岸田さんという人は、国葬の時から思っていたが、国民の心も読めない超鈍感政権じゃないかな?????

総辞職なんかありえないよね??

支持率低下には昨日、今日12月17日、18日の安保関連3文書改定のニュースが保守色を強めつつあるとはいえ今の日人にしてもビビーンと響いたようですね。

特に今まで考えられない「敵基地攻撃能力」という言葉の持つ怖さ(それは日本が戦争に引き込まれるのではという不安ですかねえ)

それに、やはり1兆円の増税の話が懐を撃つねえ。

もう少し今日の新聞、安保関連ニュースを見ていきましょう。

朝日新聞の1面左手には編集委員(外交・安全保障担当)佐藤武嗣氏の4段にわたる解説記事が載っている。見出しは「熟議・説明なし 将来に禍根」

ここには朝日の中で安全保障問題の専門家とされる佐藤武嗣記者の解説が述べられている。

私の整理ではここには3点の問題が述べられている。

①「『反撃能力』を防衛省幹部は『相手のミサイル発射前でも攻撃着手を確認すれば、相手領土を攻撃できる』と言う。これは『反撃』との言葉による印象操作ではないのか。『着手』の見極めは困難で先制攻撃とみなされれば、国際法違反となる。作戦上支障のない範囲で『着手』の判断基準を示すべきだ」。

私の意見:こう言うことか?敵の基地周辺で何かゴソゴソ怪しい動きがあるぞ。

やられる前にやっつけちゃいましょう!

だいたい戦争はこうして始まる。

ゴソゴソ(着手)の判断基準などあるはずがない。相手領土内に後だろうと先だろうと、手を出してはならない。反戦・平和主義とはそう言うものだ。

②「日本の防衛費は、現在世界9位だが、2027年度はロシアや英国を抜き、米中印に次ぐ世界4位になる可能性が高い。新戦略では国益に鑑みて『専守防衛に徹し、軍事大国とはならない』と記したが、この規模は『軍事大国』ではないか」。

私の意見:その通り。軍事予算を5年間で43兆円に増大化し、そのうち1兆円を民の税金で賄おうと言うのは禍根を残す。岸田首相は会見中「国民の決意」を「我々の決意」に言い直したが、誠に姑息。佐藤記者は「熟議」「説明」が必要だと説明責任を説いたが、答えは事前に分かっている。

③「確かに安保環境は悪化している。ロシアによる軍事侵攻や台湾をめぐる緊張中国や北朝鮮のミサイル高度化など、国民にも不安が広がる。日本も抑止力強化を検討する必要はある」

私の意見:安保環境悪化という言葉は単なる印象操作に過ぎない。全て何となく危ないと徒に表現するのには断固反対する。具体的に一つずつ検討してみよう。

まず、ロシアのウクライナ侵攻があったから日本に具体的にどういう影響があるのか。地政学的に全く関係ない両国であるにも関わらずロシア・ウクライナ問題とわが国とがいかにもきな臭い関係のように表現するのは大間違い。または意図的な発言にすぎない。

 

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鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

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