【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第33号:ウクライナ戦争の本質ー米国の覇権守る代理戦争ー

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『琉球新報』2022年5月28日付(金口木舌)が、ロシアのウクライナ侵攻後のロシア語やロシア人まで排斥する風潮に疑問を呈した。政調会長がロシア語表記を問題視した例に見るように霞が関は「ロシアが悪」で統一され、米英を「鬼畜」と憎んだ戦前にも似る。ウクライナ戦争の本質が見えていないか、あえて見ようとしない人が多数である状況を表わす。

日本で、ウクライナ戦争が「覇権を守る米国のウクライナを利用した対露代理戦争」との本質を伝えるメディアはほぼ皆無だ。その本質が見えないなら、次に「米国の日本を利用した対中代理戦争」があり、次のウクライナは沖縄になるという危機も見えてこない。

米軍と自衛隊が対中戦争の攻撃拠点(戦場)は沖縄と名指しし、住民を守るのは自衛隊でなく自治体の責任と自衛隊幹部が述べた。が、日本政府は沈黙し米国追随のみだ。沖縄を戦場に想定した対中戦争の米軍共同訓練を続ける日本にとって沖縄は今も捨て石に過ぎないと、復帰50年の年に思い知らされて悲しい。

沖縄の戦場化を防ぐにはウクライナ戦争の本質を掴む必要がある。物事の本質を掴むキーワードは利権と歴史だ。ウクライナ戦争で利を得る国は、人的、経済的損害を受け続けるウクライナやロシアではない。ロシアを弱体化し武器売却で経済が潤う、ロシアと欧州の関係悪化が利となる米国だ。

米国は大戦後にナチスドイツは罰したが、ウクライナのネオナチは温存し関係を結んできた。2004年ヤヌコビッチ親露大統領が失脚したオレンジ革命の背後の国務省ウクライナ担当ヌーランドなどネオコンの暗躍は知られている。自由・民主主義を掲げる革命の結末が単なる親米政権誕生となる例は多い。突然のロシア侵攻と言うが、その前にロシア語を話す親露住民への8年ものウクライナ軍の攻撃、虐殺の事実がある。

ウクライナ戦争を「悪のロシアのウクライナ侵攻」とする人達は、次に「悪の中国の台湾侵攻」があると中国を敵視し沖縄には米軍や自衛隊の防衛が必要と主張する。自衛隊発言や沖縄戦の教訓を無視、沖縄を攻撃拠点(戦場)とすることに賛成し沖縄の危機を招いている。

ガルージン駐日ロシア大使は「停戦交渉がまとまってくると誰かがウクライナのスカートの裾を踏む」と述べた。ジャパンハンドラー、ジョセフ・ナイ(台湾で米軍がきっかけを作り自衛隊を引き入れ日中戦争にし、両国が疲弊した頃に米国が仲介し利を得る戦略を提案)もバイデン政権で戻ってきた。スカートの裾を踏む誰かに隷属する国の下にある沖縄が案じられる。

与那覇恵子(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 発起人)

(「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン第33号」より転載)

 

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