【特集】砂川闘争の過去と現在

砂川事件とは何であったか ―その本質と全体像を見る―

末浪靖司

5.国民は米軍の無法を許さない

米軍は日本で憲法や法令を無視した無法行為を繰り返している。爆音や騒音によって国民生活に重大な被害をもたらしている米軍航空機の低空飛行や離着陸も、その一つである。

被害に苦しむ国民が「せめて早朝夜間の米軍機離着陸差し止めを」と訴えても、最高裁は米軍の行動を「国の支配の及ばない第三者の行為」としてすべて棄却している。米軍が日本国民にどれほど重大な損害や危害を与えても、憲法・法令を適用しないで野放しにしているのである。

米軍基地の害悪を告発し、その撤去を求める日本国民の闘いは、沖縄県をはじめ各地で大きく発展している。

砂川事件からもう長い時間が経過したが、事件の被告たちは「伊達判決を生かす会」などで米軍基地撤去ために奮闘している。米軍基地を許さない日本国民の闘いは、いま力強く発展している。

 

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末浪靖司 末浪靖司

1939年 京都市生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学)卒業。著書:「対米従属の正体」「機密解禁文書にみる日米同盟」(以上、高文研)、「日米指揮権密約の研究」(創元社)など。共著:「検証・法治国家崩壊」(創元社)。米国立公文書館、ルーズベルト図書館、国家安全保障公文書館で日米関係を研究。現在、日本平和学会会員、日本平和委員会常任理事、非核の政府を求める会専門委員。日本中国友好協会参与。

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