【連載】安倍晋三の射殺と三代の腐れ縁(藤原肇)

第1回 統一教会汚染と五輪疑獄で「火ダルマ」になる自公ゾンビ体制(まえがき)

藤原肇

移民国家である合衆国は、ヨーロッパから移民した人が作り上げた新天地としての多民族社会であり、初期の頃は信心深い人も多く、貧しいが慎ましく生きる人が原住民と共存して生活していた。だから、迫害を逃れて移り住んだ歴史的条件から、教科書のアメリカ史に書いてあるように、丸木小屋の生活をしながら耕作や狩猟をすることにより、家族を養った人が圧倒的だった。

だが、豊かな大自然に恵まれたこの環境を生かすことにより、共同体を有効に活用して自治活動を充実するに従い、旧世界より恵まれた生活ができ、人口も次第に増えて村や町が出来た。次の段階でこの富に目を付け植民地主義者たちが乗り込み、土地を開拓して地主階層が育ち商人や職人の人口も増え、社会インフラが整うにつれ行政官も定着し自警団も出来た。

ここまでが初期の開拓史で、独立戦争を体験してから、建国の父たち討議を積み重ね東部の13州が憲法を作り立憲的な共和国が誕生したが、そこで本格的な国作りが始まった。盟主国だった英国では凶悪犯はオーストラリアに流し、反抗者や破廉恥犯クラスはカナダに送り、詐欺師や知能犯は米国を選び送り出した伝統から、アメリカには才覚のある者が集まった。

アングロサクソンが多数だった初期のアメリカ合衆国には、彼らの助手役として働いたユダヤ系が混じっており、、語学力を武器に使って現場監督や記録係をしていた。その辺の歴史については『薬味(Das Gewurt)』の中で、活躍するに至る経過に関し次のような形で書いており、発端を15世紀末におけるスペインでのユダヤ人追放におく。

「・・・1492年3月31日付の勅令で、ユダヤ人は四か月の猶予を与えられ、その間に洗礼を受けるか、長いこと故郷であったスペインを去るかを選ばされることになった。…コンベルソスたちはアムステルダムに移った。・・・彼らはオランダ海外貿易の最重要部分を作り上げ、オランダ西インド会社の初期株主になっている。他のセファルディムたちは英国に渡った」。

ニューアムステルダムがその後ニューヨークになり、ナポレオン戦争でドイツ系移民が増え、同じユダヤ系であってもセファラダム系を凌駕して、アシュケナジー系が増えた。また、19世紀は移民ラッシュで、アイルランド系の移民とイタリア系移民が増えたが、1848年に東欧系の移民の激増で、アメリカの住民構成が変わり、職人と労働者が増加し、米国の工業力は世界一になった。

(ここまで書き進んだ所だが、岸田内閣の暴走があまりに酷く、売国政治の現状が安倍内閣に匹敵するし、もはや国賊という状態を呈しているのに、それを実証的に糾弾する発言が国内の言論界に不在である。そこで、電子版の形でも使い緊急に出版して、必要とする国民にこの非常事態を訴えることが大切だと考えて、今の段階で第一部だけでも公開すべきだと思い当たった。

続きを書く作業は継続することにして、第二部の完成を待たずに、取りあえず必要とする読者に情報と分析を提供し、参考にして貰いたいと考え、未完成だが電子版で第一報の形で公開することにした。未完成作品の提供は中途半端で恐縮であるが、第二部と「あとがき」の仕事は出来上がってから追加することにして、第一部だけは常識として事態を知り、如何に危機的な状況にあるかを理解するために、これだけは最低限の現状認識として、歴史的な経過を知って貰いたい。)

・梗概

本書は緊急出版する形で日本の読者に情報を提供して、正しい認識を持って貰うために、未完成の状態であるが電子版として出版しており、英語版ができた段階で完全な本に仕上がる。付録の対談は『紙の爆弾』の2023年新年号に発表済みのものであり、第一部を補強する記事として、統一教会が自民党政府を取り込み。国家の乗っ取りを試みた危機的な状況に関し、分析を加えたインタビュー記事である。

日本における言論界の現状は、統一教会の詐欺商売の被害者が如何に悲惨な状況にあるかに注目して、その救済の手を差し伸べるかを論じ、現象としての事件が中心になっている。しかも、殺された安倍首相や与党議員の大半が、邪教に取り込まれ国を売ることに対して、全く罪悪感を持たないほど堕落し、教祖の教えに従い日本に神の国を作ることに、嬉々として仕えようとしている。

この浅ましい狂乱状態に対して、私は40年間を費やした取材に基づき、日本のゾンビ体制の生態を明示しつつ、そこから歴史が教える教訓を抽出して、読者の判定のために提示した次第だ。文章として公表したのは次の事情があったからで、フリーランス・ジャーナリストとして真相を世界に知らせることが、私のミッションだと思ったからである。

「・・・実は安倍が殺されて統一教会との関係が浮上した時に、外国のジャーナリスト仲間や研究者から、君は『Japan’s Zombie Politics』(Creation Culture Press)を出したのに、ムーニー(統一教会)の野望に操られた安倍の射殺事件について、世界に向けて発信しないのは無責任だという連絡がいくつも届き、そこで思案して書いたのが「追補」です。・・・ 間もなく米国で『Divine Retribution』の題名で出版し、世界の人にゾンビ政治が終わり日本が生まれ変わると論じる予定です。日本が毛虫から蝶に変態するためには、生まれる時の陣痛があると告げようと思います。・・・」

それに加えて「Reprise(追補)の意味については、Reprise(追補)は音楽用語で繰り返しを意味し、第一楽章の同じ主題が第二楽章や第三楽章で、どう展開して現れるかについて楽しむ記述法です。『追補』の内容は過去の記事を引用し、現在の事件と比較してどう展開したかを論じ、奥行きのある展望をすることで、事態の全体像が見えてきます。」と説明しておいた。

本書は完成した段階で以下の構成になる予定で、「もくじ」を示すと次のようになる。

まえがき
第一部 : 安倍晋三の射殺と三代の腐れ縁
第二部 : 教養人と信用詐欺師
付録: 対談 「統一教会汚染と五輪疑獄で「火ダルマ」になる自公ゾンビ体制」
あとがき

・梗概

初めて拙著を手にした読者の中には、最初の数章を読んだ印象として、筆致が過激すぎると感じた人がいても、何ら不思議ではない理由は、日本でのタブーに触れているからだ。カルトに触れる議論が日本ではタブーで、しかも、現政権が邪教に汚染されて、それが売国行為と結びついており、亡国の理由だと論じることは、敬遠され続けて来た巨大なタブーである。

それはユダヤ系の金融資本により、世界経済は支配されていると論じれば、たちまち陰謀論だと袋叩きになり、言論界から抹殺されるのに似て、タブーに触れる者の宿命だからである。ユダヤ人のArthur Koestlerが『The Thirteenth Tribe』を書いて、アシュケナジのルーツは改宗ハザール人で、ハザール王国は今のウクライナだと、タブー視された歴史を書き衝撃を与えたが、それに似た行為に属している。

だが、ユダヤ世界の知識人ならば、多くの人が知っている事柄でも、それまでは皆が口を噤み沈黙しており、誰も言い出さずにいたのだが、ケストラーは同胞から攻撃を受けていた。それは「王様は裸だ」と喋った子供の発言に似たケースだが、集中砲火を浴びた打撃に疲れたのか、歴戦の闘士として知られたのに、ケストラー夫妻はロンドンで自殺している。

最近の20数年に私が書いた本は引き受ける出版社がなく、ほとんどを電子版で出版したが、その内容は最初に「王様は裸だ」と言った子供の声と同じ種類だから、今の日本では書店には配本されない。Hans Andersenが書いた『The Emperor’s New Closes』が、過激書だとする国はないのに、新衣装を着た王様に対し裸だと素直に指摘する子供の声は、日本では発言を封じられるのだ。

岸田内閣の暴走があまりにも酷くて、売国政治の現状は安倍内閣に匹敵するし、もはや国賊だというしかない状態を呈すが、それを実証的に糾弾する言論が国内に不在だ。それは同調圧力が強く働き、批判の声は抹殺されて、ニュースピークに置き換えられ、George Orwellの『1984年』の世界が君臨することにより、国民の言論の自由は制圧されたからだ。

カルトに蝕まれヘドロ化したゾンビ政治は、蔓延したカビに覆われ異常発酵で黴菌の温床になり果ててしまい、腐敗紊乱の現状を描くのが憚れるほど、無惨な状態を呈している。。それを亡国現象と名付けるほどに、日本の現状は悲惨な状況であり、もはや国として態をなさない状態を呈し、魑魅魍魎に食い荒らされた惨状は、悲劇的だとしか形容ができない。

ごみ溜めや『タン壺』の中にいる限り、その臭気や汚れには気づかないものだが、一歩離れた「離見の見」の地から見れば、霊感商法で売りつけた統一教会の壺は、実は「タン壺」だと分かるのだ。日本の昔話に温泉に入ったと思ったら、「肥え溜」の中だったという話があるが、霊魂に誑かされた愚か者の物語の教訓には、ゾンビ政治が到達する究極のVirtueが潜んでいる。

四季に恵まれた日本列島上の国だのに、素晴らしい自然環境を穢す形で、「タン壺」や「肥溜め」の話を持ち出して恐縮だが、政治が腐敗して機能を損なえば、流れる水も淀んで腐り悪臭を放つのである。『道徳経』は「上善如水、水善利萬物、而不争」というのに、ゾンビ政治は水の善を奪い、日本の清流をフクシマの汚染水にしてしまった。

視線を日本列島から世界に向ければ、アメリカは金儲け主義に毒され、戦争で荒稼ぎするWarmongersの狙いに従い、ウクライナを賭博の舞台に使い、ロシアをカモに仕立てようと策謀の限りを尽くしている。専守防衛がロシアの基本戦略だのに、侵略の悪夢に怯える独裁者のプーチンは、裏切り者のウクライナを逆に侵略して、恐怖のあまり予防戦争に踏み切った。

だが、情報戦で緻密さのないロシア的な杜撰さと、愚鈍なロシア人の兵站感覚の伝統は、各個撃破の殲滅戦と包囲網で敗れた、タンネンベルグの惨敗を繰り返している。クリミア戦争の攻防戦の時に、トルストイが『セバストポリ物語』で嘆いた、ロシア軍の指揮官特有の泥酔と不仲が、英仏の智謀の前で惨敗して、不必要な犠牲者を出す失敗を再現している。

入念な準備をしたトハチェフスキ将軍や、作戦の前に緻密な偵察を行いキエフ方面を攻めたジューコフ将軍抜きで、ロシア軍がいくら攻略しても、ゲリラ戦が得意なコサックの子孫に攪乱されるだけだ。幾らプーチンがKGBで鍛えた独裁者でも、ミサイルを使う焦土作戦は非人道的で、冬将軍は支援しないだろうし、第三次世界大戦を招きかねない。

日本のゾンビ政治の成れの果ては、腐敗による経済大国の亡国で、愚劣で貪欲な安倍が残したレガシーであり、ウクライナの原野での殺戮と破壊が、ゼレンスキーとプーチンによる独裁者仲間の殺し合いでしかない。それが「オルガルヒ」と「シロビキ」が、繰り広げている相克であるのに対し、安倍を使った統一教会の日本乗っ取り劇は、田舎の邪教の「タン壺」のばら撒き作戦であった。

それを歴史的に展望して、遠近法で描いたものが第一部の記録であり、微視的な点で顕微鏡で見た黴菌の生態観察であるし、それほど愉快なものではないが、疫病の蔓延プロセスの記録になる。取りあえずは日本の読者に私の現状認識を提供したが、current topicsに翻弄されずに、歴史との対話を通じることで、現状と将来を把握する英知について知れば、「離見の見」の価値を実感出来るのである。

(藤原肇著『安倍晋三の射殺と三代の腐れ縁』(まえがき)より転載)

 

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藤原肇 藤原肇

フリーランス・ジャーナリスト。『皇室の秘密を食い荒らしたゾンビ政体』『日本に巣食う疫病神たちの正体』など著書多数。海外を舞台に活躍する。

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