【連載】モハンティ三智江の第3の眼

インド、ついに40万超、各国から救援物資、日本も支援を

モハンティ三智江

●観戦記こぼれ話/最終回は?

昨年4月13日から連載開始した「インド発コロナ観戦記」も、1年以上たった今回で68回に達した。大体5日から6日に1度くらいの割で送っていたことになるが、当初の予定では、50回まで連載したら目処がつくだろうから、日本に帰ろうと思っていた。最終回は、帰国(隔離)ルポにするつもりだった。

あにはからんや、思惑を外れて、50回に達しても、帰国の目処は立たなかった。亡夫の1周忌が昨年12月初旬に行われたこともあって、年内帰国を見合わせ、来春に延期することにしたのだ。そうするうちに、日本は2度目の緊急事態宣言、春の帰国が危ぶまれ、再延期を余儀なくされた。

そして、ご覧の通り、今度はインドが第2波突入、変異株で水際対策も強化され、にっちもさっちもいかなくなった。

多分今年いっぱいは無理だと諦めているが、仮に来春戻るとして、2022年3月までに連載が何回になるだろうかと概算すると、約120回、もし奇跡的に母子で帰国できたとしたら、最終回は、亡き伴侶が夢でもう一度福井に行きたいと訴えてきた私の郷里に戻り、日本海に遺灰を撒布する儀式のレポートになるはずだ。

今回はいわば、観戦記の山場、TSUNAMI級第2波で揺らぐ在住者の思いをありのままに伝える、ややエモーショナルなルボという意味でも、折り返し点の山、中盤クライマックスだ。ちなみに、来春の帰国がまた延び、夏もしくは秋になる場合、翌9月と仮定して、150回程になる。

第3波もあるだろうから、終息の日まで発信予定、まだ当分連載は続くので、読者の皆様におかれましては、引き続きご愛読の程切にお願い申し上げる次第である。

(「インド発コロナ観戦記」は「観戦(感染)記」という意味で、インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いており、随時、掲載します。

モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行しており、コロナウイルスには感染していません。

また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。13億人超と中国に次ぐ世界第2位の人口大国、インド政府は2020年3月24日に全28州と直轄領などを対象に、完全封鎖命令を発令し、25日0時から21日間、完全封鎖し、4月14日に5月3日まで延長し、5月1日に17日まで再延長、17日に5月31日まで延長し、31日をもって解除しました。これにより延べ67日間となりました。ただし、5月4日から段階的に制限を緩和しています。

2021年5月6日現在、世界の感染者数は1億5565万5853人、死者は325万2119人、回復者数は9197万0391人です。インドは感染者数が2107万7410人、死亡者数が23万0168人、回復者が1728万0844人、アメリカに次いで2位になっています。

ちなみにアメリカの感染者数は3260万4495人、死亡者数が58万0061人(回復者は未公表)、ブラジルの感染者数は1500万3563人、死亡者数が41万6949人、回復者数が1328万5589人です。日本は感染者数が62万2693人、死亡者数が1万0625人、回復者が54万3228人(ダイヤモンド・プリンセス号を含む)。インドの州別の最新の数字の把握が難しく、著者の原稿のままを載せています。

また、インドでは2020年3月25日から4月14日までを「ロックダウン1.0」とし、4月14日から5月3日までを「ロックダウン2.0」、5月1日から17日までを「ロックダウン3.0」、18日から31日を「ロックダウン4.0」、6月1日から6月末まで「アンロックダウン(Unlockdown)1.0」、7月1日から「アンロックダウン2.0」と分類していますが、原稿では日本向けなので、すべてを「ロックダウン/アンロックダウン」と総称しています。

ただし、インド政府は2020年5月30日に感染状況が深刻な封じ込めゾーンについては、6月30日までのロックダウンの延長を決め、著者が住むオディシャ州は独自に6月末までの延長を決め、その後も期限を決めずに延長しています。

この政府の延長を「ロックダウン5.0」と分類しています。2021年3月から第2波に突入するも、中央政府は全土的なロックタウンはいまだ発令せず、各州の判断に任せている。マハラシュトラ州や首都圏デリーはじめ、レッドゾーン州はほとんどが州単位の、期間はまちまちながら、ローカル・ロックタウンを敷いている。編集注は筆者と関係ありません)。

 

※この記事は「モハンティ三智江のインド発コロナ観戦記」(2021年5月18日)からの転載です。

原文はコチラ→インド、ついに40万超、各国から救援物資、日本も支援を(68)

 

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モハンティ三智江 モハンティ三智江

作家・エッセイスト、俳人。1987年インド移住、現地男性と結婚後ホテルオープン、文筆業の傍ら宿経営。著書には「お気をつけてよい旅を!」、「車の荒木鬼」、「インド人にはご用心!」、「涅槃ホテル」等。

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