【特集】9.11事件の再検証

9/11の公式見解とは矛盾する“最良の証拠” ―暴かれた9/11:『外部調査委員会』による調査からの抜粋―

エリザベス・ウッドワース(Elizabeth Woodworth )デイヴィッド・レイ・グリフィン(David Ray Griffin)

⑦ オサマ・ビン・ラディン氏とハイジャック犯たち

9/11同時多発テロ事件の公式見解の中心は、テロ攻撃が「オサマ・ビン・ラディン氏によって考案され、ビン・ラディン氏のアルカイダ組織のメンバー19人によって実行された」という主張であった。

それら19人の男たちはすべて、ビン・ラディン氏のように敬虔なイスラム教徒であったとされ、同グループの「首謀者」(ringleader)であるモハメド・アタ氏はきわめて信仰心が強いとされていた。

しかしながら、オサマ・ビン・ラディン氏についてのそうした主張は根拠がなく、またハイジャック犯とされる者たちに関する主張は偽りであることを示す証拠がある。

●FBIは、オサマ・ビン・ラディン氏の容疑であるテロリスト行為の一つとして、9/11を挙げていなかった。
●モハメド・アタ氏が2011年9月10日、11日にメイン州ポートランドに行ったという主張は、それを疑わざるを得ない幾つかの理由が提示されている。
●ダラス空港のカメラにハイジャック犯5人が映っていたという主張は、スタンプが押されていない画像やセキュリティーのビデオとしては速度が速すぎることで否定された。
●モハメド・アタ氏とハイジャック犯たちが「敬虔なイスラム教徒」だという主張は、彼らが酒、コカイン、ストリップクラブを利用していたとのメディア報道により否定された。
●アタ氏が2000年6月に米国に到着したという主張は、軍の極秘の「テロリスト」追跡活動である「エイブル・デンジャー」が彼らは2000年1月~2月に到着したという事実を明らかにしたことで否定されている。

⑧ 9/11航空機からかけられた電話

9/11同時多発テロ事件当日、航空機の乗客と乗務員から電話があったという主張は、9/11の公式見解に不可欠であった。

その見解によれば、
●政府高官たちは、それら航空機のうちの1機がハイジャックされていることを、機内にいたテレビコメンテーターのバーバラ・オルソン氏から、彼女の夫でテッド・オルソン司法長官への電話で知った(注17)。
●航空機からの電話は、ハイジャックがどのように発生して、機内で何が起っているかについての情報源であった(注18)。
●たとえば、バーバラ・オルソン氏からの電話の一つは、ハイジャック犯とされる者たちが「カッターナイフを持っていた」という報告の、唯一の情報源であった(注19)。

初期の報道では、通話の一部は機内電話からされたもので、そのうちの15本が携帯電話からかけられていた、という(注20) 。しかし、様々な調査研究によって携帯電話からのものと報告された通話のほとんどは実際に不可能なものであったとする事実が示されたことから、FBIは2006年までにそれらの電話のうちの2本だけが実際に携帯電話からのものであった、と明言した(注21)

⑨ インサイダー取引への疑問

9/11同時多発テロ事件から1週間後、BBCは次のように伝えた。

「英国の金融行動監視当局である金融サービス機構(FSA)は、先週の凶行以前にロンドンで起きていた異常な株価の動きへの調査を開始した。『ロンドンタイムズ』紙は、米国当局が、航空会社と保険会社の(9/11前の)株式の異常な大量売却を調査しているという。それらの株式が同時多発テロ攻撃の近いことを知っていた人間たちによって売却された疑いがある、と言われている」(注22)。

定評のある金融ジャーナル誌に掲載された3つの計量経済学の論文が、これらの疑惑を裏付ける異常な取引を伝えており、またそれらに対する専門家や政府の反応も否定的なものではない。

【結論】

「フェイクニュース」についてはこれまで多くの議論がある。フェイクだとする主張の中には、それ自体がフェイクであるもの、逆に真実であるものもある。21世紀におけるフェイクニュースのこれまで(2018年)最大の例が、9/11の公式見解である。

我々は、その後に世界中で数百万人もの死者を出した「テロとの戦い」の根拠として利用されている9/11に関する米国政府および大手メディアによる政治宣伝の猛攻に、何年間も晒されている。それは中東、南アジア、アフリカの国々を攻撃する口実として利用されている。

それは、イスラム教徒が同時多発テロ事件を起こしたとして非難されて以来、イスラム嫌悪が大幅に増大する事態に至らせている。それは、米国における市民的自由への取り締り、巨額の費用のかかる国家安全保障機構の膨張、大規模な恐怖と不安の拡大、世界を核対立へと駆り立てている恒久的な戦争状態へと繋げていった(注23)。

そのストーリーを、正しいものに置き換えるべき時期はとっくに過ぎている。 (完)

(翻訳:レンゲ・メレンゲ)

原題:「The “Best Evidence” Contradicting the Official Position on 9/11: Excerpts from 9/11 Unmasked: An International Review Panel Investigation」(URL:https://www.globalresearch.ca/best-evidence-contradicting-official-position-911-excerpts-from-911-unmasked-international-review-panel-investigation/5781557

Global Research 提供。

(注1)David Ray Griffin, “9/11 Contradictions: An Open Letter to Congress and the Press,” Interlink, 2008.

(注2)Joe Taglieri, “Bush Advisers Planned Iraq War Since 1990s, From the Wilderness, 1 October 2002; Max Fisher, “America’s Unlearned Lesson: The Forgotten Truth about Why We Invaded Iraq,” Vox, 16 February 2016.

(注3)O’Neill is quoted to this effect in Ron Susskind, The Price of Loyalty: George W. Bush, the White House, and the Education of Paul O’Neill (Simon & Schuster, 2004). Susskind, whose book also draws on interviews with other officials, said that in its first weeks the Bush administration was discussing the occupation of Iraq and the question of how to divide up its oil; Richard Clarke, Against All Enemies: Inside America’s War on Terror (Free Press, 2004), 264.

(注4)Jeffrey Kluger, “Why So Many People Believe Conspiracy Theories,” Time, 15 October 2017; Emma Young, “Believers in Conspiracy Theories and the Paranormal Are More Likely to see ‘Illusory Patterns,’” Research Digest, The British Psychological Society, 16 October 2017; Cliff Kincaid, “Lies of the 9/11 ‘Truth’ Movement,” Accuracy in Media, 21 May 2014.

(注5)NIST, Final Report on the Collapse of the World Trade Center Towers, September 2005.

(注6)These points have been emphasized in Kevin Ryan, “What is 9/11 Truth? The First Steps,” Journal of 9/11 Studies, Vol. 2/August 2006: 1-6.

(注7)This former employee’s written statement, dated October 1, 2007, is contained in “NIST Whistleblower” (http://georgewashington.blogspot.com/2007/10/former-nist-employee-blows-whistle.html).

(注8)Steven Jones, Robert Korol, Anthony Szamboti, and Ted Walter, “15 Years Later: On the Physics of High-rise Building Collapses,” Europhysics News, July-August 2016: 22-26, at 26.

(注9)Peter Michael Ketcham, Letter to the Editor, Europhysics News, November 2016.

(注10)“NIST Releases Final WTC 7 Investigation Report,” NIST, 25 November 2008.

(注11)A Nation Challenged: The Site; Engineers Have a Culprit in the Strange Collapse of 7 World Trade Center: Diesel Fuel,” New York Times, 29 November 2001.

(注12)Peter Michael Ketcham, “Thoughts from a Former NIST Employee,” Letter to the Editor of Europhysics News, November, 2016.

(注13)Bill Heltzel and Tom Gibb, “2 Planes Had No Part in Crash of Flight 93,” Pittsburgh Post-Gazette, 16 September 2001; Debra Erdley, “Crash Debris Found 8 Miles Away,” Pittsburgh Tribune-Review, 14 September 2001.

(注14)Richard Wallace, “What Did Happen to Flight 93?” Daily Mirror, 12 September 2002.

(注15)“21st Space Wing Priorities,” Space Observer, 23 March, 2001, 2

(https://web.archive.org/web/20030320100542/http:/www.peterson.af.mil/21sw/observer/23mar01.pdf).

(注16)Global Guardian had been originally scheduled for October 22–31, 2001, according to NBC military analyst William M. Arkin in his book Code Names: Deciphering U.S. Military Plans, Programs and Operations in the 9/11 World (Steerforth, 2005), 379. See also the dates October 17 to 25, 2002, at (http://www.globalsecurity.org/military/ops/global-guardian.htm), which provides online evidence that these exercises were moved.

(注17)Tim O’Brien, “Wife of Solicitor General Alerted Him of Hijacking from Plane,” CNN, 12 September 2001.

(注18)The 9/11 Commission Report, 5; Charles Lane and John Mintz, “Bid to Thwart Hijackers May Have Led to Pa. Crash,” Washington Post, 13 September 2001; David Maraniss, “Another Workday Becomes a Surreal Plane of Terror,” Washington Post, 21 September 2001.

(注19)The 9/11 Commission Report, 8.

(注20)David Ray Griffin, 9/11 Ten Years Later: When State Crimes Against Democracy Succeed (Northampton: Interlink Books, 2011), Chapter 5, “Phone Calls from the 9/11 Planes: How They Fooled America.”

(注21)Greg Gordon, “Jurors Hear Final Struggle of Flight 93: Moussaoui Trial Plays Cockpit Tape of Jet that Crashed Sept. 11,” Sacramento Bee, 13 April 2006.

(注22)“Papers Salute New York Stock Exchange,” BBC News, 18 September 2001.

(注23)Edward Curtin, “The Fakest Fake News: The U.S. Government’s 9/11 Conspiracy Theory – A Review of 9/11Unmasked: An International Review Panel Investigation by David Ray Griffin and Elizabeth Woodworth,” 10 September 2018

(https://edwardcurtin.com/the-fakest-fake-news-the-u-s-governments-9-11-conspiracy-theory-a-review-of-9-11unmasked-an-international-review-panel-investigation-by-david-ray-griffin-and-elizabeth-woodworth/)

 

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エリザベス・ウッドワース(Elizabeth Woodworth ) エリザベス・ウッドワース(Elizabeth Woodworth )

気候変動科学と行動に大きく関わっている。彼女はGlobal Researchに42本の記事を掲載し、『Unprecedented Climate Mobilization: A Handbook for Citizens and their Governments』、『Unprecedented Crime: Climate Science Denial and Game Changers for Survival』の共同著者であり、COP21ビデオ「A Climate Revolution For All」の共同制作者である。彼女は核兵器反対運動に関するパンフレット『What Can I Do ?』及びその小説『The November Deep』の著者である。彼女は25年間、カナダ・ブリティッシュコロンビア州政府の医学図書館長を務め、はクィーンズ大学の学士号、ブリティッシュコロンビア大学の図書館学の学位を持つ。

デイヴィッド・レイ・グリフィン(David Ray Griffin) デイヴィッド・レイ・グリフィン(David Ray Griffin)

デイヴィッド・レイ・グリフィン(1939/8/8~2022/11/26)は、米クレアモント神学学校およびクレアモント大学院の宗教哲学および神学の名誉教授で、プロセス思想の探求と普及を目的とする「プロセス研究センター」の共同所長であった。彼の編集した「Constructive Postmodern Thought」のSUNYシリーズは31巻発行された。彼は30冊の著書を出し、13冊の本を編集、250本の記事と文章を執筆した。最近の著書には、『The American Trajectory: Divine or Demonic』、『Bush and Cheney: How They Ruined Americaand the World』及び『Unprecedented: Can Humanity Survive the CO2 Crisis? 』がある。

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