コロナ禍、減らない日本に対し印では風土病へ移行か
社会・経済ワクチンの話に戻ろう。日本では、既に4回目接種の話が出てるし、ほんときりがないという感じだ。私は当分保留の姿勢を崩さないが、それは未来に終息の希望を見ているからでもある。今後、猛毒の変異株や新ウイルスが出現しない限りは、モラトリアムを保ちたい。
接種率92%のシンガボールの100万人当たりの陽性者数が世界最多という事実をどう考えればいいのだろう。が、致死率は低く、アジアは既にエンデミック(風土病)に転換していると見られているようだ。
インドの人口の27分の1の韓国(約5100万人)の陽性者数が最多60万人超(4月2日付で26万人超)とは、脅威的だが、2回接種率は86%以上、当局は、致死率が低いことから、エンデミックへの転換期で、感染等級を1から2に引下げることを考えているという。集団免疫ができれば、自然衰退していくだろうし、今後の対策上、接種と相まって相乗効果を果たすだろう。
韓国はエンデミックの最初の転換国になるかもしれないと見られているようだが、私見では、既にかなり前にエンデミック(風土病)への移行は、インドでも取りざたされていた(過去現地発コロナ観戦記中でも、触れた)。専門家の意見が2、3、現地のメディアに報道されていたから、最初というなら、インドがそうではないか。
いずれにしろ、ワクチンがすべてを解決するわけでないとわかった今は、コロナ共存の舵切りを取り、パニックに陥らないことが肝要、日本もそろそろ方向転換してほしい。ウイルスは撲滅できなくても、社会的な終息は十分ありうる。でないと、せっかく帰ったのに、友人との再会や、旅にもブレーキをかけざるを得ない。
まだひと月と経っていないのに、あれほど辟易していたインドが恋しくなり、日本の閉塞感ある日常に退屈を覚えるとは、帰国前は思いもよらなかったものだ。
現実とは得てして、こんなもの、パンデミックである以上、どこにいても同じ、要は自分の気の持ち方だろう。が、私は、招からざる客になったかとの疑念も擡(もた)げる今日この頃、終息に向かい、せめて友人と会えたり、旅がしやすくなる日がそう遠くないことを祈るとともに、一刻も早い国産治療薬の承認が待たれる。
春爛漫の陽気にふさわしく、パーッと解放されて、楽しく交われる日が来ることを、願ってやまない。
※無事日本に帰国を果たせましたことを、これまでサポート頂いた読者の皆様に心より御礼申し上げます。現地発ではなくなりますが、今後ともご愛読のほどくれぐれもよろしくお願い申し上げます(著者)。
(「インド発コロナ観戦記」は、92回から「インドからの帰国記」にしています。インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いてきましたが、92回からインドからの「脱出記」で随時、掲載します。
モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行しており、コロナウイルスには感染していません。また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。
2022年4月8日現在、世界の感染者数は4億9634万1342人、死者は617万0701人(回復者は未公表)です。インドは感染者数が4303万3067人、死亡者数が52万1573人(回復者は未公表)、アメリカに次いで2位になっています。編集注は筆者と関係ありません)。
※この記事は「モハンティ三智江のインド発コロナ観戦記」(2022年4月15日)からの転載です。
原文はコチラ→コロナ禍、減らない日本に対し印では風土病へ移行か(94)
〇ISF主催公開シンポジウムのお知らせ(2023年1月28日):(旧)統一教会と日本政治の闇を問う〜自民党は統一教会との関係を断ち切れるのか
〇ISF主催トーク茶話会(2023年1月29日):菱山南帆子さんを囲んでのトーク茶話会のご案内
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作家・エッセイスト、俳人。1987年インド移住、現地男性と結婚後ホテルオープン、文筆業の傍ら宿経営。著書には「お気をつけてよい旅を!」、「車の荒木鬼」、「インド人にはご用心!」、「涅槃ホテル」等。