【連載】新型コロナ騒動を検証する〜その存在証明から目的まで〜(高橋清隆)

谷本氏が「降機命令」偽装を糾弾、エアドゥ降機命令取消訴訟第2回弁論

高橋清隆

釧路発羽田行きのエアドゥ(AIRDO)機でマスク着用の「お願い」を断ったため筆者の高橋清隆とともに降ろされた谷本誠一・呉市議が同社らに1円の損害賠償などを求めた訴訟の第2回口頭弁論が2023年1月23日、広島地方裁判所302号法廷(吉岡茂之裁判長)で開かれた。被告への反論書で谷本氏は、「(違反行為の)中止命令書をあたかも降機命令書に装った」などと、搭乗拒否に法的根拠がなかったことを糾弾した。

終了後の記者会見に臨む高橋(左)と谷本市議(2023.1.23谷田智美撮影)

 

この強制降機事件は2022年2月6日、釧路空港で起きた。谷本氏が同年4月28日に提訴。同年11月11日に第1回口頭弁論が開かれ、被告による原告準備書面への答弁書が提示された。エアドゥは同社国内運送約款に基づく降機命令取消や損害賠償など4つの請求の棄却と、訴訟費用を原告負担とする判決を要求。釧路警察署は、被告不適格として請求の棄却と訴訟費用を原告負担とする判決を求めている。

Tokyo, Japan – April 18, 2021:Air Do Boeing B767-300 (JA601A) passenger plane.

 

約30人が傍聴した。傍聴券は、譲渡を阻むリストバンド方式が採られた。ジャーナリストを閉め出すためと思われるが、傍聴希望者が席数を下回ったため、全員が入れた。原告席には谷本氏ひとり、被告席にはエアドゥ側の弁護士3人と釧路署側の弁護士1人が着いた。

今回は、原告による被告答弁書への反論書が提示された。この中で谷本氏は、4つの反論を展開した。

第1は、「マスク不着用のままでの搭乗は受け入れていない」との主張への反論。原告の手元には、チェックインカウンターの係員が「ここで手続きをすれば、乗れるのは確定しておりますので」「時間が過ぎていますので、私、ご案内いたします」と発言した記録が残っていた。

一旦受け入れながら降機させた背景として、①エアドゥ内部における「報連相」の不備、②旅客事務所の「上席ら」が見せしめのために一旦搭乗させ、降機させるよう仕組んだ――のいずれかの可能性が考えられると指摘。「上席ら」と「基地長代行」との関係と、それぞれの氏名の明示を求めた。

第2は、「本件中止命令書に係る命令書(航空法第73条の4第5項に基づく反復継続禁止命令)の交付のために、空港職員及び警察官の同席ないし臨場を求めた事実はない」との主張への反論。機内に乗り込んで来た警察官から「マスクを着けないのであれば降りてもらう」旨を告げられた際、原告が法的根拠を尋ねると、「それさえあればいいのだな」と捨てぜりふを残しキャビンアテンダント(CA)や空港職員を連れ立って操縦席へ向かった事実を挙げ、「警察官が法的根拠を提示する目的で、命令書交付に一役買ったことは間違いない」と指摘した。

さらに、エアドゥは「原告らにとって降機命令でないことは明白であった」としているが、命令書を交付された原告が「マスクを着ければいいのでしょ」と応じると、警察官は「もうマスクのことじゃない。ここに話したことで降りてもらう」と脅している。谷本氏は「(違反行為の)中止命令書をあたかも降機命令書に装った」と糾弾するとともに、降機に関してこの警察官が重要な役割を演じているとして、氏名の明示と証言を求めた。

第3は、原告らが約款第7条の定めに反し「罵声、威嚇、撮影等に及んだ」ために命令書の交付と約款第14条第1項第3号に基づく搭乗拒否をしたとの答弁への反論。降機命令は航空法第73条の4第5項でなく同1項でなくてはならず、約款でなく法的根拠を示す必要があると主張した。

マスク未着用に端を発したCAとのやり取りは、航空法上の「安全阻害行為」と位置付けるには無理があるとして、赤羽一嘉国交相(当時)の閣議後会見での答弁など8つの根拠を挙げた。

第4は、着用義務の不存在に係る法的・科学的根拠について。原告が法的根拠として新型インフルエンザ等対策特別措置法を挙げているのに対し、エアドゥ側は「本件とは無関係」と一蹴している。これに対し原告は、同特措法や感染症法において国民の感染症対策協力は努力義務だが、人権擁護は義務になっており、感染対策より人権が上位にあると主張した。

しかも、感染症法には「正しい知識を持ち」とのただし書きに注目し、マスクの感染防止効果にはエビデンスが不存在であることや、酸欠による脳の機能低下などの弊害を裏付ける論文が発表されていることなどを挙げ、「定期航空協会自体が、『正しい知識』を欠いている」と指摘。同協会ガイドラインの是正指導を国交省に求めている。

 

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高橋清隆 高橋清隆

反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。元ローカル新聞記者。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&K プレス)、『山本太郎がほえる~野良犬の闘いが始まった』(Amazon O.D.)など。翻訳にデーヴィッド・アイク『答え』第1巻[コロナ詐欺編](ヒカルランド)。2022年3月、メディア廃棄運動を開始。 ブログ『高橋清隆の文書館』http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/

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