【連載】安倍晋三の射殺と三代の腐れ縁(藤原肇)

「火だるま」になる自公ゾンビ体制、統一教会政界汚染と五輪疑獄をつなぐ〝闇〞(聞き手・横馬航)

藤原肇

・韓国側から見た統一教会と「極秘情報」

――『オリンピック青春記』の「追補」には、韓国の極秘情報も書いてありましたね。特に「韓国経済新聞」の李社長の話は目からうろこでした。あの新聞には「大衆版」と「特殊版」があって情報が区別され、大衆は日本の新聞と同じように、表面的な情報を読まされ飼い慣らされているという話は、とくに興味深かったです。

藤原:40年前、軍事政権下の韓国では、昔のソ連や今の中国と同様、幹部向けの新聞と大衆版では中身が違っていたのです。日本の新聞にはそうしたインテリジェンスが欠落しているが、政治家との朝食会や勉強会で代行させています。もっとも最近では電子版を使い、一般向けの記事と有料会員向けを分け、カネで差別化している。その上には、カネでは買えない情報の世界があるのです。

――それはよくわかります。日本で論じられている情報と、藤原さんの本は切り口が異なっていて、同じ統一教会を扱っても予想外の見解が多い。

藤原:日本の論調は近視眼であり、今週の事件や先月の出来事が話題の中心で、10年前や半世紀昔に原因や遠景を見て、それを含め全体像を描く発想がない。それは歴史観の欠如で、表面的な現象に振り回されて、問題を構造的に捉えようとせずに、見えるものしか見ようとしないからです。

時間と空間を上手に組み立てて遠近法を使えば、世界や外国から見た統一教会の生態と病理が浮き彫りになる。そこで「追補」を加え、『オリンピック青春記』で歴史的な展望を試みました。

――「追補」というのは珍しいスタイルですね。

藤原:Reprise(追補)は音楽用語で繰り返しを意味し、第1楽章の同じ主題が第2楽章や第3楽章で、どう展開して現れるかについて楽しむ記述法です。「追補」の内容は過去の記事を引用し、現在の事件と比較してどう展開したかを論じ、奥行きのある展望をすることで、事態の全体像が見えてきます。

10年や半世紀の長い時間をかけ相手を洗脳すれば、他国を簡単に乗っ取れるし、皇統でもすり替えられる。それを秘術として実行したのが、始皇帝の秦で宰相になった呂不韋であり、「勝共連合マジック」も同じです。「春秋の筆法」によれば、霊感商法の「パンドラの壺」が日本を滅亡に導くので、安倍が国賊であることの意味論ですよ。

国賊

 

――どうも難しすぎるので、煙に巻かれた感じがしますが……。

藤原:すなわち、統一教会や勝共連合の手口とは、最初は生長の家を狙い、次に立正佼成会から久保木修巳を引き抜いて、初代の勝共連合の会長に据えた。そのうえで岸信介の娘婿の安倍晋太郎に狙いをつけ、次の首相にする工作をした。だが、彼が病没したためにその息子の晋三を育て上げ、秘書戦術を活かし自民党総裁にして、自動的に首相になった後で自民党を操って、日本の乗っ取りを謀った。まさに秘術の極意です。

・オリンピック大疑獄と「春秋の筆法」

――これからさらに五輪汚職が大炎上し、大疑獄となるというのは、私でもおよそ見当がつきますが、それが日本の滅亡に繋がるのですか?

藤原:日本が滅亡するのではなく、ゾンビ政体が亡びるということです。「春秋の筆法」で日本に「易姓革命」(王朝の交代)が起き、ゾンビ支配の消滅により、新しい日本となって蘇る構想といえます。そのためには大掃除が必要。Deconstruction(脱構築)により、日本の政治から汚物やごみを取り除き、消毒する仕事に取りかかるなら、行く手には大チャンスが待ち構えています。それに取り組むのは若い世代の仕事ですよ。

――遺言でも聞いているようで、なんとなく怖い感じがしますが。

藤原:世界大戦が起きるとは言わないが、食糧危機や疫病の蔓延は地球レベルの問題で、環境の変化によって起きるから、これからは危機の時代が続くでしょう。実は安倍が殺されて統一教会との関係が浮上した時に、外国のジャーナリスト仲間や研究者から、君は『Japan’s
ZombiePolitics』(CreationCulturePress)を出したのに、ムーニー(統一教会)の野望に操られた安倍の射殺事件について、世界に向けて発信しないのは無責任だという連絡がいくつも届き、そこで思案して書いたのが「追補」です。

――文体がいつもと違い硬いと思いましたが、世界に向けて発信したものを和訳したからですね。

藤原:私は1967年のグルノーブルプレ五輪で日本チームのリュージュ選手を体験して、アスリートとは奴隷だと感じたし、同時に市長のオリンピック・アタッシェをやり、得難い経験をしました。そんな私には、カネの亡者になったオリンピックの老醜は、見るに耐えない。そこでアマチュア精神が生きていて、勝つことより参加することに喜びを感じた、善き時代のオリンピックを追想しながら、50年前の本を復刻したのです。

間もなく『DivineRetribution』の題名で米国でも出版し、世界の人にゾンビ政治が終わり日本が生まれ変わると論じる予定です。日本が毛虫から蝶に変態するためには、生まれる時の陣痛があると告げようと思います。

――五輪の疑獄もカネまみれだった、東京五輪の大掃除に伴う一種の陣痛だというわけですか。

藤原:その通り。東京五輪の不始末の処理にあたっては、今後も汚職事件で大量の検挙者を出すことでしょう。近い将来には大疑獄に発展して、竹田恆和JOC前会長をはじめ、森喜朗や菅義偉などの汚れた政治家の犯行が、明らかになる瞬間が迫っています。その過程で、ゾンビ政治を推進した国賊の安倍晋三が、統一教会絡みで射殺されたと見るべきなのです。

それを目撃者として記録し、歴史の証言を残すことが、私に与えられたミッションなら引き受けるのが義務で、そこで急遽書き上げたのが「追補」でした。

――改めて読み直したいと思います。

藤原:考えてもみてください。日本を乗っ取ろうと考える連中がおり、世界の国々が統一教会の妄想に国教の形で取り込まれ、マザー・ムーンの導きを崇め慕うなんて話は、狂気の沙汰にほかなりません。

ところが、自民党の国会議員の半数以上が洗脳され、「マザー・ムーン」を奉っているのだから世も末です。そんな連中が議員として金バッジをつけ、首相をはじめ大臣や与党の政調会長になり、「公共善」を忘れて国政を動かせば、魔女が横行した中世と同じです。

狼藉の後片づけは大変です。重要なのは、すべては満洲人脈の不始末であるということ。岸信介は満洲の設計図を作った役人だし、五輪利権を食い物にした電通は満洲国通信社の戦後版。統一教会を作った文鮮明とシャーマニズムの故地は満洲です。

――「満洲」というワードが続々と並びましたが、藤原さんが言う満洲人脈こそが核心ということですね。そして、岸からの3代の血統は、安倍晋三の暗殺で途絶えたのだと……。

藤原:そういうことになります。一国のトップが自分の政治的野望のために、議員当選と引き換えにカルト集団の不正を保護し、愚劣な思想まで受け入れて権勢を維持したのでは、売国奴を通り越して国賊の典型です。

その極悪な権勢欲の愚かさを思えば、石橋湛山が山縣有朋の死に際して言った、「死もまた社会奉仕」の持つ含蓄が、安倍晋三にピッタリだと思わずにはいられません。

(月刊「紙の爆弾」2023年1月号より)

 

ISF主催公開シンポジウムのお知らせ(2023年1月28日):(旧)統一教会と日本政治の闇を問う〜自民党は統一教会との関係を断ち切れるのか

ISF主催トーク茶話会(2023年1月29日):菱山南帆子さんを囲んでのトーク茶話会のご案内 

※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。

ISF会員登録のご案内

「独立言論フォーラム(ISF)ご支援のお願い」の動画を作成しました!

1 2
藤原肇 藤原肇

フリーランス・ジャーナリスト。『皇室の秘密を食い荒らしたゾンビ政体』『日本に巣食う疫病神たちの正体』など著書多数。海外を舞台に活躍する。

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ