【連載】モハンティ三智江の第3の眼

日印コロナ、21年にインドで世界最悪、22年に日本で世界最多体験

モハンティ三智江

日本に戻ってきた2022年3月11日は第6波の最中、なかなか陽性者数が減らないのにやきもきさせられたが、夏になってはるかに上回る急拡大の第7波で、ついに日本が世界最多になってしまった。

予想だにしなかったことにさすがに驚いているが、救いは弱毒化したオミクロン株ということ、こうなったら自然感染で抗体を作り、ワクチンでは不可能な集団免疫を達成するしかない。集団免疫ができれば、インド同様、自ずと早期に収まるだろう。

振り返るに、21年5月のインドのTSUNAMI(ツナミ)級大爆発は、猛毒デルタ型によるもので、酸素ボンベが不足し、窒息死に至る壮年者が跡をたたず、火葬場は満杯、公園が焼き場代わりに代用されるという前代未聞の惨事を招いたものだった。その割には収束は早く、ひと月半後にはほぼコントロールされていた(北里大学特別栄誉教授の大村智博士のノーベル賞ものの抗寄生虫薬「イベルメクチン」と集団免疫のせいと言われる)。

致死率の高かったデルタに比べると、オミクロンは感染力は強いが、重症化リスクは高齢者か、基礎疾患もちに限られる。かえって、日本の過剰反応が医療危機を招いているわけで、そろそろインフルエンザ並みの対応に切り替える時期に来ているのではなかろうか。ちょっと熱が出たくらいで、パニくって発熱外来に殺到していたのでは、医療はパンクする。第6波の教訓がまだ活かされていないのだろうか。

インドのワクチン3回目接種率は2、3%、2度接種終了者は70%近いが、あまり効かないといわれるアストラゼネカ製で、とっくに有効期限は切れているはず、その無防備なインド人が、第4波を兆し程度で抑えられているのは(全土の新規陽性者数は過去最少の6000人台から2万人前後と3倍増)、ひとえに大爆発による集団免疫ができているせいとしか思われない。

もちろん、検査数も減って、実数はもっと多いと思うが、デルタ大爆発時のようなパニックは起きておらず、コロナと共存、ほぼ日常生活は平常に戻っている。

3年目に入ったパンデミック(世界的大流行)、コロナは撲滅できなくても、人々が意識を変えれば、社会的な終息はありうる。世界最多をマークした日本の現状を鑑みて、改めて日印比較、自論を展開してみた。

ワクチンを際限なく繰り返し、そのたびに抗体を逃れる変異株を産む悪循環、ねずみといたちの追いかけごっこにはいい加減終止符を打つべきだ。抹殺されてしまった「イベルメクチン」に代わる、塩野義製薬が開発中の経口治療薬「ゾコーバ」に期待するしかないが、7月20日に承認が見送りとなってしまったようで残念だ。一刻も早く、国産の飲み薬が出回ることを祈ってやまない。

※著者注:アメリカのジョンズ・ホプキンス大学とNHKによる22年8月1日付データを末尾に付記しておく。日本全国(人口1億2560万人)の新規陽性者数は、13万9563人(死者93人)、石川県(人口112万人)は1189人、福井県(人口75万人)は1461人、東京都(人口1396万人)は2万1958人。インド全土(人口13億8000万人)は1万3734人(死者39人)、東部オディシャ州(人口4600万人)は1029人。

〇北国花火金沢大会で1万2000発!

去る7月30日、3年ぶりに石川県金沢市の河川敷(大豆田の犀川緑地)で花火大会(北國新聞社主宰)が催された。感染急拡大の折、混雑が予想されるため、行こうかどうしようか迷ったが、思い切って出かけた。

現地(大豆田本町)までは行かず、街中の犀川大橋のたもとの脇道の防波堤に腰掛けて見学した。人出は予想したほどでなく、コロナ前に見たときより美しく感ぜられる、夜空に咲く大輪の花を満喫できた。

虹色、水色、ピンク、黄金(こがね)と華麗な大輪の花が夜空を彩る、中でも、白い焔のような形状からいくつもの白蓮が重なり合う白銀(しろがね)の連発花火の美しさに魅せられた。

趣向を凝らした仕掛け花火では、3つに分かれるもの、斜め横にまっすぐのもの、藤の花房のような火の粉を大輪に広げるもの、めずらかな緑色のものが、目を惹いた。打ち上げ後の彗星のように尾を引いたり、ちかちかと銀色にきらめく様にも見とれた。

19時50分のオープニングには少し遅れ、光と音の共演、サザンオールスターズの歌に合わせての一番花火は見逃したが、21時のオペラに合わせての1000連発の乱れ打ち、スターマイン(速射連発)7色花火のクライマックスまで堪能し、迫力に圧倒された。

犀川大橋には、欄干にもたれるように、浴衣姿の見物客が夜空に咲く花を仰いでいた。地元放送局のものと思われる、ヘリコプターが頭上をプロペラ音を立てながら、旋回していた。絢爛豪華な花火祭りに猛暑も吹き飛ぶ爽快さだった。

(「インド発コロナ観戦記」は、92回から「インドからの帰国記」にしています。インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いてきましたが、92回からインドからの「脱出記」で随時、掲載します。

モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行しており、コロナウイルスには感染していません。また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。

アラブ首長国連邦のハブ・ドバイにある世界最大のショッビングモール、「ドバイモール」でポーズをとるわが息子、Rapper Big Deal(ラッパー・ビッグ・ディール)。福井に捧げるラップソング、 「FUKUI LOVE」(https://youtu.be/nZfqwodAGdY)で日本語混じりのラップを福井のステージで公開する日も間近?

 

ドバイの摩天楼の夜景を背に、Joe’s Cafe(ジョーズカフェ、ドバイモールの1階)でリラックス、胸に去来する夢は、日本ライブ、グローバルツアー・・・。

 

2022年8月14日現在、世界の感染者数は5億9033万5730人、死者は643万5645人(回復者は未公表)です。インドは感染者数が4426万8381人、死亡者数が52万7069人(回復者は未公表)、アメリカに次いで2位になっています。編集注は筆者と関係ありません)。

 

※この記事は「モハンティ三智江のインド発コロナ観戦記」(2022年8月19日)からの転載です。

原文はコチラ→日印コロナ、21年にインドで世界最悪、22年に日本で世界最多体験(105) 

 

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モハンティ三智江 モハンティ三智江

作家・エッセイスト、俳人。1987年インド移住、現地男性と結婚後ホテルオープン、文筆業の傍ら宿経営。著書には「お気をつけてよい旅を!」、「車の荒木鬼」、「インド人にはご用心!」、「涅槃ホテル」等。

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