【特集】沖縄の日本復帰50周年を問い直す

消防署跡地の違法売却、渡具知名護市長を問う 住民訴訟へ!

長谷川実

渡具知武豊名護市長が旧消防庁舎跡地を、親族が役員を務める会社の子会社に違法に売却したことについては、昨年来週刊誌や一部ネットメディア等でも「名護版モリカケ事件」などと報道されましたが、市長選準備の渦中にあって、2022年1月23日の市長選の十分な争点とすることはできませんでした。

しかし渡具知市長の責任をこのまま放置することはできないとして、2月18日、沖縄県名護市民15名が住民訴訟に立ち上がりました。請求の趣旨は次の2点。

1.被告名護市長が、(有)サーバント社に対し、本件土地の返還請求をしないことが違法であることを確認する。
2.名護市長は、大和ハウス工業㈱と(株)アベストコーポレーションの共同企業体と連帯して、金1億3286万円を市に支払え。

この損害賠償請求の提訴後の記者会見でも、原告らは、「裁判を通じて事件の全容を明らかにし、渡具知市長の責任を問いたい」と口々に熱っぽく語りました。

・「国と県との係争を見守る」とうそぶく市長の犯罪

消防署跡地の売却について、19年4月の公募型プロポーザル(提案型入札制度)で、大和ハウスとアベストコーポレーションの共同企業体(大和ハウスJV)より、1億3000万円も買受希望価格を高くつけた㈱ピース企画が落選するという恣意的選定で大和ハウスJVを当選させ、同年7月の議会承認を得た直後、㈱丸政工務店のペーパーカンパニーである㈲会社サーバントへ所有権をこっそり移転するという手の混んだやり方をしたのです。

丸政工務店(金武町)は、砂利採取から出発した土建会社ですが、17年前後の米海兵隊北部訓練場でのオスプレイヘリパッド建設では、主力企業として現場の抗議行動にも敵対してきました。また18年12月から始まった辺野古土砂投入にもおびただしい数のダンプカー、土砂海上運搬のガット船を4隻も運用する、埋立土砂海上輸送では県内きっての推進企業です。

しかも、この丸政工務店には、名護市長渡具知の姉の夫が常務執行役員で在籍していることも明らかになりました。
18年2月の自公・官邸・カネ総がかりの市長選で、当時のオール沖縄・稲嶺進市長を追い落とし、市議から市長に持ち上げられた渡具知武豊氏は、以降4年間辺野古新基地の賛否を一切言うことなく、「国と県との係争の推移を見守る」と、ロボットのように繰り返してきました。

しかし、裏では、議会をだまして埋立有力企業に大きく肩入れしているのですから、どんな詭弁をろうしていても、まるっきりの新基地推進そのものです。地方自治の何たるかをかなぐり捨て、市民と議会を愚弄し、極端な身内びいきの権力行使。名護版モリカケといわれるゆえんです。

今回の裁判は、適正な議会承認を得なかったゆえに、地方自治法、名護市条例違反であるから、売却契約にある「10年間の買戻特約」を行使すべきであり、他より1億3000万円も安く売却した分の差額が、市の損失だから渡具知氏と大和ハウスJVが連帯して市に支払え、とする明快な内容です。

にもかかわらず、モリカケサクラでもトドメは刺せず、首相交代はさせたものの、政権交代に至らなかったように、この名護版モリカケでも、1月末の市長選5000票の大差敗北後の不利な状況で、官邸と直結するような、歪んだ議会操作に対しては、困難が予想されます。

しかし、知った以上はこの裁判闘争を通して、市民に本当の自治とは何かを、あらためて問う運動として奮闘せざるをえません。

(長谷川さんの原稿)4.23学習講演会

名護市民有志によるあらたな闘いです。裁判費用等の支援も含めて、広く注目とご支援を呼びかけるものです。

長谷川実 長谷川実

名護住民訴訟の会 事務局

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