第8回 今だけ、金だけ、自分だけ―1人がみんなのために、みんなが1人のために―
社会・経済ところが、その動画が、やはり「世界の共産化に反対しよう」で終わっていたので、またまた驚かされました。せっかく前半が説得力ある展開だっただけに、それに対する失望も大きいものがありました。
日本は「反中・反韓」 「嫌中・嫌韓」の雰囲気に満ちていますから、そのことが上記のようなサイトを次々と生み出しているのでしょうか。アメリカによる中国包囲網がますます厳しくなり、その一翼をアジア版NATOという形で、日本も担わされようとしていることが、上記のようなサイトを次々と生み出しているのでしょうか。
私が1960年代に大学教養部で学んでいたころ、 「教養部にいる間に岩波文庫100冊の本を読もう」という掛け声(今から考えると大学生協の宣伝だったのか?)が広まっていました。
その中には社会科学の本もあり、私は当時、理科II類にいたのですが、それを通じて私が学んだ社会主義・共産主義思想とは次のようなものでした。
*生産手段を資本家ではなく労働者が所有・管理し、搾取と奴隷労働を廃止する
*社会主義社会は「労働に応じて」 、共産主義社会は「必要に応じて」富を分配する
*共産主義社会の理念は「一人がみんなのために、みんなが一人のために」
ところが現在の社会はどうでしょう。正社員を削り、その穴埋めを派遣社員で埋めていく動きが、竹中平蔵氏を中心とする勢力によって、日本ではどんどん広まってきています。富は1%(チョムスキーによれば、正確には0.1%または0.01%)に集中し、貧富の格差は広がる一方です。
このコロナ騒ぎによる「都市封鎖」ロックダウン政策は、失業や倒産を増やし、そのような格差拡大をいっそう加速させることになりました。失業や倒産が増えているにもかかわらず、これを機として、一部の人たちへの富の集中は加速するばかりなのです。
ですから、今の日本あるいは今の世界は、社会主義・共産主義思想とは真逆の方向に突き進んでいるように、私には思われます。つまり次のような流れがいっそう加速しているのです。
*生産手段の資本家による独占所有がいっそう強化され、労働者への搾取と奴隷労働はますます深刻化している。
*富の分配は「労働に応じて」行われるどころか、ブラック企業が蔓延り残業や首切りはやりたい放題。まして富の分配が国民の「必要に応じて」行われるというのは、まったくの「絵に描いた餅」。
*今の社会は「一人がみんなのために、みんなが一人のために」どころか、 「今だけ、 金だけ、自分だけ」という考え方が、大手をふるって歩き回っている。
持病もちの高齢者以外はほとんど誰も死んでいないのに、コロナ騒ぎによる「社会的距離」という政策は、人々のふ触れ合い・助け合いを妨げ、みんなをますます「孤立化」へと追い込んでいる。
ですから、現在のコロナ騒ぎの究極的目標は「世界の共産化」だという主張は、いま世界を支配している一握りの人たちを喜ばせるだけにすぎません。むしろ彼らの動きを裏から支援し、助長することに貢献していると、私には思えてなりません。
かつては自分の足と頭で調べたことを誠実かつ丁寧に論じていた船瀬俊介氏が、前述のような書籍を公にするようになったことは、氏の評判を落とすだけでなく日本のためにも不幸です。
せっかく氏が、 「世界で接種が強制されるコロナワクチンにナノチップを入れて、その人間の動向さらには心理までも支配して、世界の人々を家畜として管理する」という動きがあることにも鋭い警鐘を鳴らしているだけに、非常に残念なことです。
なお、岩田さんから私に届いた書評は、次頁に資料として載せていますので、よろしく御検討ください。
(資料)船瀬俊介『コロナとワクチン』 (共栄書房、2021)を読んで 岩田(仮名)
(1)印象に残った部分の引用
ワクチンメーカーは製造責任を免除されている。つまり、それが発作やマヒなど患者に身体障害を起こしても、製薬会社は法的責任をまったく負わない。つまり、治療費や慰謝料、賠償金などいっさい払わなくていい。
では、いったい誰が払うのか。そのワクチンを強制する政府が払う!
忘れてならないのは、その国家が製薬企業からワクチンをまるごと買い上げるということだ。まさに、製薬メーカーにとっては天国だ。国家権力によって強制接種、死者や被害者には血税で保障……!
これは、ワクチン企業と政治屋が癒着していなければ、絶対にありえない。しかも、ワクチンに感染症の予防効果がないのは決定的なのだ(pp.177 -178)。
英アストラゼネカ:1億2,000万回分
米ファイザーなど:1億2,000万回分
米ノババックス:2億2,200万回分
アンジェス:量産体制の整備中
塩野義製薬:3,000万回分
これらはすべて、安倍内閣の閣議決定で独断専行された。国会審議すらされていない。しかも購入決定している5種類のワクチンすべてが遺伝子ワクチンなのだ。つまり人類未体験の遺伝子ワクチンの安全性など、いっさい考慮も審議もされていない(p.204-205)。
(2)本書の一口感想と疑問
現在、テレビや新聞では、コロナのワクチンの接種についての話題が絶えない。単純に考えて、日本政府が買い上げたワクチンは果たして副作用などの安全面で大丈夫なのかと不安を持つ一方、世界を陰で操るビル・ゲイツなどの一部の大富豪たちの特権階級の世界支配の話を『寺島メソッド翻訳NEWS』などで知り、本当の世の中の姿はどうなっているのかという疑問を抱き、強い不安感を持ってきた。http://tmmethod.blog.fc2.com/
この本では、遺伝子ワクチンの危険性が述べられ、感染症の予防効果など全くないことが述べられていただけに、上記の引用部分の事実には、憤りを覚えた。
このまま、ワクチン買い上げや緊急事態宣言に伴なう休業補償などをしていけば、中小企業の倒産が相次ぎ、いずれ国家財政も完全に破綻してしまうのではないのかとさえ思える。
船瀬俊介氏の本については、その他にも『コロナと陰謀』 (ヒカルランド、2020)や『コロナと5G』 (共栄書房、二〇二〇)を読んだ。この2冊と今回の本は、内容が重なっている点も多かった。しかし、コロナのワクチンを中心とした議論としては本書が一番まとまっていた。
『翻訳NEWS』の記事と同じような主張が、本書でも随所に見られた。本書を読んでいくと、 『翻訳NEWS』で述べられていたことが、頭の中で順番にまとまっていった感覚を持った。
12月末に岐阜で講演をされた大橋眞先生、イタリアの国会でビル・ゲイツやディープ・ステートを批判した国会議員サラ・クーニアル女史、昨年にドイツ・ベルリンで100万人を超える反コロナ集会で歴史的演説をしたロバート・ケネディ・ジュニアのことなども本書の中では取り上げられていた。
森友や加計学園、 「さくらを見る会」の問題で、野党は喧々諤々の議論を展開したのに、コロナワクチンの問題ではほとんど問題になってこないのは不思議なことだと、著者は述べている。ワクチンの利権に比べたら、森友や加計学園、さくらを見る会の問題などは、かわいいものだと著者は言う。スケールの大きさがあまりにも違いすぎるからだ。その通りだと思う。
著者の考えに共感を持つ一方、この著者の主張を全部信じていいいのかという疑問はある。例えば、85頁に「フリーメイソンの33位階」として怪しげなピラミッドが描かれ、世界を闇から支配してきた国際的な秘密勢力のことが述べられ、その上層部は「イルミナティ」で、今回のコロナ騒動も彼らの仕業とされている。私には雲を掴むような話で、これを信じろと言わ れても、にわかには信じがたい。
ピラミッドの中段には「共産主義」という項目もある。著者のどの本のどこに書いてあったか忘れたが、共産主義思想はイルミナティが作ったもので、マルクスに大きな援助をしてその思想を作らせたということが書いてあった。これなども全く私には信じられなかった。そのような社会主義・共産主義思想は、その時代の階級的な貧富の差の矛盾を解決をするために生まれてきたものだと私は思うからだ。
そして、イルミナティという闇の支配者たちは100年200年前からいて、延々と世界を支配してきたということだった。
また、これまでの第一次世界大戦中のスペイン風邪、エイズ、鳥インフルエンザなどこれまでのすべての疫病は、この闇の支配者がばらまいた生物兵器のためだとも著者は主張していたと記憶する。そんなことがあるのかなと思わずにはいられなかった。
世界で接種が強制されるコロナワクチンにナノチップを入れて、その人間の動向さらには心理までも支配して、世界の人々を家畜として管理すると、著者も言っている。このことは他の人たちも述べていることであり本当の可能性もあるが、ここまで言われると半信半疑となってくる。
いずれにしても、本書ではコロナワクチンの接種の危険性に警鐘を鳴らしており、その部分を読んでいると、その主張がデタラメとか嘘とは全く思えないだけに、これほどまでに危険なワクチンは打ちたくないと思わずにはいられなかった。
研究所のどなたか、もし船瀬俊介の本を読んだことがある方がおみえになりましたら、彼をどのように評価すべきか教えてもらえると嬉しいです。
〈補足資料〉
本書を読んでいたら、 『ビル・ゲイツ:全人類の敵』というYou Tubeの動画が紹介されていたので、さっそく視聴した。興味深い動画だったので、記録に残す。
https://www.youtube.com/watch?v=PdKqMzzaVH8
(寺島隆吉著『コロナ騒ぎ謎解き物語1—コロナウイルスよりも コロナ政策で 殺される—』の第7章から転載)
〇ISF主催トーク茶話会:元山仁士郎さんを囲んでのトーク茶話会のご案内
〇ISF主催公開シンポジウム:新型コロナ対策の転換と ワクチン問題の本質を問う
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国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授