第11回 『長周新聞』批判─「反ワクチン」は陰謀論 !?①:ロバート・F・ケネディ・ジュニアへの悪罵
社会・経済前章では、赤旗が時事通信の配信記事として、言論弾圧を容認するかのような次の記事を載せていることを紹介しました。
CCDHは、SNSが発信や動員、資金調達の戦略拠点になっていると指摘します。CCDHのイムラン・アーメド最高経営責任者(CEO)は「SNS企業が危険なデマの拡散に加担し利益を得ている。その代償は社会が払わされることになる」と警告し、誤情報の拡散発信を断つよう求めました。
しかし日頃から共産党を「日共」と蔑称し、自分こそは「堕落した左翼とは手を切った真の左翼だ」と自称している長周新聞までも、よく調べてみると、同じような記事を載せていることを知り、驚愕しました。
確かに地方紙ながらも、元首相安倍晋三氏の地元で自民党を相手に果敢に闘ってきた経歴がありますから、そのような誇りを持つことは当然かも知れません。
ところが、そのような長周新聞が、次のような見出しの記事(2021年8月6日)を載せているのです。
(1)3分の2はわずか12人が発信――SNS上で拡散する反ワクチン陰謀論、人々の不安煽り利益追求するプロ集団
この記事をよく読んでみると、赤旗は時事通信の配信記事を転載しているだけなのに、長周新聞は自分で調べた記事として、これを載せているのです。
それには、暗殺された兄JFK(ケネディ大統領)の後を受けて大統領選に立候補し、またもや暗殺されたRFK(ロバート・F・ケネディ司法長官)の息子RFKジュニアに焦点を当てた、次のような長い記事がありました。
ロンドンとワシントンに本拠を置く非営利団体「デジタルヘイト対策センター(CCDH)」が「フェイスブックとツイッターで拡散されているワクチンに対する科学的根拠のないデマや陰謀論の3分の2が、わずか12人によって産み出されていた」との調査結果を発表した。
(中略)
12人の1人に名が上がっているロバート・F・ケネディ・ジュニアは元米司法長官の息子であり、ケネディ元大統領のおいにあたる。弁護士で環境活動家であるケネディはワクチンから「子どもの健康を守る」ことを掲げた団体を立ち上げて活動してきた。
(中略)
ケネディが2017年、トランプ大統領(当時)の要請に応じて政府のワクチンの安全性を再検討する諮問委員会のトップについたことも、あらためて彼の位置を示すものとしてとりざたされている。
トランプは「コロナはただの風邪だ」と言っているが、2010年代にはワクチンが子どもの自閉症の原因だと主張して予防接種の義務化に反対し、ケネディと連携してツイッターでも繰り返し発信していた。
長周新聞の記事は「教育文化欄」6段抜きの囲み記事なので、かなり長いのですが、ここで引用した部分だけでもいくつかの間違いがすぐに目につきます。
まず第一に、 「フェイスブックとツイッターで拡散されているワクチンに対する科学的根拠のないデマや陰謀論の3分の2が、わずか12人によって産み出されていた」との調査結果が本当に正しいのかということです。
上記では、 「フェイスブックとツイッターで拡散されているワクチンに対する科学的根拠のないデマや陰謀論」とあります。
確かに「ワクチン反対」を叫んでいる斉藤深緑氏(福井県会議員)やネット右翼の主張をよく読んでみると、 「コロナ騒ぎの究極的目標は、中国共産党による『世界の共産化』だ」という主張なのですから、とんでもない陰謀論です。
しかし、その斉藤氏が福井県内にばら撒いたというビラを読んでみると、ワクチンに関する部分は取り立てて大きな間違いがあるようには思えませんでした。
というのは、いま政府が強力に推進している遺伝子組み換えワクチンは、きちんとした臨床実験を終えていないので、CDC(アメリカ疾病管理予防センター)ですら正式なワクチンとして認めず、緊急使用許可(EUA:Emergency Use Authorization)として許可を与えているにすぎないからです。
ですから、このワクチンの危険性を訴えているのは、CCDHがやり玉に挙げている人だけでなく、すでに多くの人が警告を発しています。そのひとりが、ノーベル生理学・医学賞の受賞で知られるウイルス学の権威、リュック・モンタニエ博士です。
恐ろしいことにモンタニエ博士は次のようにすら言っているのです。
「新型コロナウィルス用のワクチンを接種した人は長く生きれない。2年前後で死亡する可能性が高い。残念ながら、すでに接種した人には治療方法がなさそうだ。遺体を埋葬する準備をするのが精一杯できることだ」。
(2)コロナ用ワクチンは安全か?世界で広がる疑念や疑問の声
https://www.data-max.co.jp/article/42298?rank
これはネット上に流布する陰謀論者の発言ではありません。モンタニエ博士といえば、パスツール研究所に籍を置き、HIV発見の功績で2008年にノーベル生理学・医学賞を授与されています。そんな権威あるDNAとウイルスの専門家の率直な警鐘を無視してよいはずがありません。
もう一人の例をあげましょう。ロバート・マローン博士は、mRNAとDNAワクチンの中心的な技術基盤を発明した人物です。そのマローン博士が今、深い懸念を表明しているのです。それは以下の3点です。
第1点、副反応に対する透明性が欠如していること。
第2点、このワクチンに関する議論が検閲されていること。
第3点、これらのワクチンが、活性化したSARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質を体内に運び、深刻な問題を引き起こす危険があるという説明を、接種されるひとが接種前に受けていないということ。(いわゆる「インフォームドコンセント」なし)
国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授