【連載】コロナ騒ぎ謎解き物語(寺島隆吉)

第12回 『長周新聞』批判─「反ワクチン」は陰謀論 !?②:日本弁護士会の声明をみよ

寺島隆吉

前節では、長周新聞の記事にはあまりも事実誤認が多すぎることを紹介しましたが、その例をもうひとつ追加させていただきます。

先にも紹介したように、長周新聞は次のように述べ、RFKジュニアが「予防接種の義務化に反対した」ことを、まるで悪事を働いていたかのように描いています。

トランプは「コロナはただの風邪だ」と言っているが、2010年代にワクチンが子どもの自閉症の原因だと主張して予防接種の義務化に反対し、ケネディと連携してツイッターでも繰り返し発信していた(太字は寺島)。

しかしワクチンの予防接種を義務化することに関しては、日本弁護士連合会も、つい最近も次のような声明を出したばかりです。
http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-entry-448.html

・接種対象者の自己決定権が尊重されるべきこと

感染症対策におけるワクチンの役割は大きい。しかし、過去においては、薬害事件も発生しており、我が国においては、1994年の予防接種法改正によって、接種の強制はできないこととなった。

この度の新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案や予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議においても、「接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること」「副反応情報、審議会の議事録の速やかな公表など安全性及び有効性その他の接種の判断に必要な情報を徹底して公表すること」「ワクチンを接種していない者に対する差別、いじめ、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないことを広報等により周知徹底するなど必要な対応を行うこと」等が掲げられた。

国は、係る附帯決議で示された諸施策を万全に講じるべきである。

御覧のとおり、日本弁護士連合会も「過去においては、薬害事件も発生しており、我が国においては、1994年の予防接種法改正によって、接種の強制はできないこととなった」と述べているのです。

だからこそ国会でも「接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること」 「副反応情報、審議会の議事録の速やかな公表など安全性及び有効性その他の接種の判断に必要な情報を徹底して公表すること」が付帯決議となりました。

つまりワクチンの予防接種を義務化してはならないのです。

ところが現実はどうでしょうか。コロナでの死者はひとりでも大騒ぎして報道されていたのに、ワクチンによる死者はほとんど報道されていません。報道されているのは感染者が拡大しているというニュースばかりです。

しかも感染者数はPCR検査の増幅回数(Ct値)を上げ、検査対象者を拡大すれば、どれだけでも人数を増やすことができるのですから、感染者が拡大しているというニュースはまったく信用できません。Ct値が公表・報道されていないのですから。

また付帯決議には次のような条項もあります。

「ワクチンを接種していない者に対する差別、いじめ、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないことを広報等により周知徹底するなど必要な対応を行うこと」

つまりワクチンは、副反応にはどのようなものがあるかを充分に説明したうえで本人が納得した場合に接種できるという、 「インフォームドコンセント」を前提にしてのみ成り立つ医療行為なのですが、それがおこなわれているとは考えられません。

なぜなら政府が進めようとしている「職域接種」では、職場で接種を拒否すれば「村八分」に会いかねない雰囲気がありますし、 「村八分」どころか「退職を強要」されるところもあるからです。

それどころか、ワクチンの副反応について公に懸念を表明したとたんに「陰謀論者」というレッテルを貼られて、ユーチューブから削除されるという事態も起きているのです。

これは、 「民主主義」 「言論の自由」を標榜するアメリカも、同じ状態です。

RFKジュニアが国内であからさまに攻撃されたり、 「代替治療」で有名なマーコーラ博士(Joseph Mercola)がインターネットでの意見表明を制限されるという事態になっているのは、その典型的事例です。
https://articles.mercola.com/sites/articles/archive/2021/08/04/why-im-deleting-all-content-after-48-hours.aspx

代替治療が認められ、それで医学博士号をとることが可能であるアメリカですら、このような事態になっているのです。

が、あろうことか、日本の最左翼を自任しているはずの長周新聞までも、このような「言論弾圧」と「人権侵害=ワクチンの義務化」に加担するというのは信じがたいことです。

ちなみに、愛知県大府市在住の高齢者を対象とした大規模接種が、2021年6月5日から始まりました。

ところが高齢者を対象に2,500人分の予約枠が用意されましたが、キャンセルなどでおよそ1,200人分の予約が埋まらなかったそうです。
お年寄りの間に、遺伝子組み換えmRNAワクチンにたいする不安が広がっている証拠でしょう。全く正しい不安だと思います。

そこで午後6時から約200人分を保育士や幼稚園の職員らに接種したというのですが、あらかじめ職員らにインフォームドコンセントがおこなわれた気配は全くありません。詳しくは下記を御覧ください。

*守られているのか人権?保育士は実験台か?――日弁連「新型コロナウイルスワクチン接種に関する提言書」 、最新情報ではワクチン死者196人(ブログ『百々峰だより』2021-06-14)
http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-entry-440.html

ところで、長周新聞は前掲の記事で次のように書いていました。繰り返しになりますが、もう一度引用します。

トランプは「コロナはただの風邪だ」と言っているが、2010年代にはワクチンが子どもの自閉症の原因だと主張して予防接種の義務化に反対し、ケネディと連携してツイッターでも繰り返し発信していた。

しかし、 「今回のコロナがインフルエンザ並み」ということは、アメリカ疫病指導の先頭に立っているファウチ氏自身が、かつて言っていたことなのです。そのことを前著『コロナ騒ぎ謎解き物語――コロナウイルスで死ぬよりもコロナ政策で殺される』(64〜65頁)で私は次のように紹介しました。

ですから、今度の新型コロナウイルスも、それがどのようなものかを見極めることは極めて重要でした。

事実、NIH(アメリカ国立衛生研究所)の機関であるNOAID(国立アレルギー感染症研究所)のアンソニー・ファウチ所長を含む3名の研究者は2月28日に「COVID-19の致死率は0.1%未満かもしれない」という論文を専門誌『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』で発表しているのです。つまり季節性インフルエンザ並みということです。

*コロナウイルス、その余波。迫り来る大恐慌…( 『翻訳NEWS 2020-09-18 』)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-401.html

しかし、ファウチは3月11日にアメリカ下院の管理改革委員会で「COVID-19の致死性は季節性インフルエンザの10倍だ」と発言し、これを受けてアメリカ政府は3月13日に国家緊急事態を宣言し、人々は「監禁」状態になりました。

なぜファウチは自分たちの研究成果をねじ曲げる発言をしたのでしょうか。それが私にとって、この間ずっと謎でした。

 

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寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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