第1回沖縄・台湾対話プロジェクト(上)
琉球・沖縄通信2023年2月12日に開催した「第1回沖縄・台湾対話シンポジウム」は会場参加者が330名、オンライン配信のビュワー数が550あり盛況のうちに無事終了することができました。皆さまのご支援のお陰です。改めてお礼申し上げます。
会場の沖縄タイムスホールの定員が310名でしたので、補助椅子を出したり、特設のモニター視聴スペースを設けるなど、運営サイドは嬉しい悲鳴を上げるほどでした。メディア取材は9社、国会議員と地方議員の参加は合せて12名でした。
会場には西銘知事の副知事を務めた方や保守系の元国会議員など、保守の立場の人の参加も見られた他、若者のリーダー格の方々の参加もあり、保革を越える、世代を越えるというプロジェクトの目指すところが一歩実現に近づいたという感触を得ることができました。
議論の中では、稲嶺恵一元知事は「中国は長期的に考え、もっとも有利なときにほしいものを手に入れる、備えが必要」「冷静に見ることが大事」、台湾の林彦宏さんは「準備しなければいけない、しかし自分のことは自分で守るのが鉄則。ボールはこちらにはない」、何思慎さん「両岸で対話ができないのは92年コンセンサスを無視する民進党の姿勢のため。政権交代がおきれば共通の認識ができる可能性がある」、高嶺朝一さん「地政学ではなく地経学の視点を。米軍人の言葉は自分の就職のためもある。煽られてはいけない」、山本章子さん「日本は全面戦争に対応できない。安保三文書を決めても国民の支持がなければ、もろい抑止力でしかない」、神谷美由希さん「市民の連帯をつくりたい。自分たちに決めることができない状況は悔しい。台湾のことをもっと理解して共通の認識をつくりたい
」ーーなどなど、印象的な発言がありました。
一方実行委員会の会議では、アンケート等の意見を踏まえた反省点として「議論が十分煮詰められなかった」、「92年コンセンサスなど重要な用語の解説が必要である」、「台中の歴史や政治問題の部妙なニュアンスを伝えるためにやはり通訳は必要である」、などの反省点も上がりました。これらの課題は今度の材料として生かして行きたいと思います。
次回第2回対話シンポジウムは4月29日午後琉球新報ホールで開催します。オンライン配信も行う予定です。参加者は台湾から若手ジャーナリストの張鈞凱さん(香港メディア《香港01》中台湾主席記者)他台湾、沖縄双方から市民社会の若手の代表を招いての対話を予定しています。ご期待ください。
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