【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

第28回 報道ステーション、古賀さん降板した時、実は私も静かに降板していた/あの「捏造」おばさん、「2代目キャスターに?」/「不潔」と断る あ、昔だよ/「捏造と不潔」のスター

鳥越俊太郎

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週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!
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まず最初にこの記事から見ていただきたい。私も同じ時期報道ステーションのコメンテーターで出演していたので関係深い出来事でした。雑誌『創』の編集長篠田博之さんのyahooの記事です。

テレビ朝日系「報道ステーション」3月27日放送での元経産官僚・古賀茂明さんの爆弾発言が話題になっている。最初は自分がコメンテーターとして降板になったという話だったが、CMをはさんで最後はプロデューサーの更迭という話にも及んだ。録画を見直してみると、古賀さんの行為が用意周到で、覚悟のうえでの行為だったことがわかるのだが、番組を見ていた人には何が問題になっていたのかわかりにくいかもしれない。ここで整理しておこう。

結論から言えば、3月末で「報道ステーション」のプロデューサー、レギュラーコメンテーターの恵村順一郎さん、それに古賀さんの三人が降板したのは偶然ではありえず、局の自主規制によるもので、その背後には安倍政権の圧力があった、というのが古賀さんの主張だ。それを生放送中に暴露し、キャスターの古舘伊知郎さんと口論にもなった。

生放送中だからスタジオは大騒ぎだったろうが、その経緯を古賀さん自身が『フライデー』4月17日号で語っている。CMに入るや局側が飛んできて「打ち合せにないことを言わないで下さい」と注意したが、古賀さんは拒否。番組終了後には報道局長も来て激論になったが、古賀さんはこう言ったという。「圧力に屈して政権監視・批判番組を作らなくなるのは報道機関の役割の放棄に当たる」。これが古賀さんの言いたかったことだろう。

2015年春頃の話だから8年ほど前のことだ。テレビ朝日の報道ステーションで金曜日のレギュラーコメンテーターを勤めていた元経産省官僚、古賀茂明さんが番組降板になった。この辺は先の篠田さんの指摘通りでこれを読めばこの時テレビ朝日で何が起きていた良く分かる。

確か3月27日の番組内で降板に至る番組スタッフ、そして局幹部との経緯をぶちまけた。2月の番組内で中東の人質事件解放のやり方について

「I am not Abe」

というフリップを古賀さんが出して驚くと同時になるほどと思った。

しかし、今から思うと反安倍的な発言は番組から追い出すと言うことだった。

実は私もこの同じ時期、報道ステーションに月1でレギュラー出演をしていたのだ。私は古賀さんのように華々しく散ったわけではない。同じ時期突然何の理由もなくお呼びがかからなくなっただけだったが。

私は古賀さんのように話題になるほどではなく知らないうちに消えていたくらいだった。しかし、報道番組だものネタによれば反安倍のコメントぐらいは述べていたと思う。私は基本的にずーっと反安倍の立場は崩していない。

これから1年数か月後参院選で自民党が圧勝した。これを見て私は、あの

「 I am not Abe]

その火が私の中で燃え上がった。

誰かが安倍首相に「NO!」を突きつけなきゃだめだ。このまま安倍政治がのさばってくれば日本はどうなるのか。

近くに国会議員選挙はない、都知事選で、めぇ一杯反安倍選をやりたい。私にはそれができれば本望だった。

しかし、本気で私に一票入れてくれた人たちには本当に申し訳ない。

しかし、都知事になれば本気で安倍政治とも多少は戦える、そう本気で思っていたのも事実なんだ。

小西洋之参院議員が3月3日全部で80ページにわたる総務省の行政文書を明らかにしたが、そこには「2015年に総務相だった高市早苗氏が放送法四条にある『政治的公平』について、国会で『新解釈』を提示し総務省も統一見解としたからだ。翌年には高市早苗氏が政治的公平を欠く放送を繰り返せば『電波停止』を命じる可能性にも言及している。

総務省の文書80ページを読み込めば2014年から2015年 にかけて礒崎陽輔首相補佐官と高市早苗総務相、安部総理臣の三人を中心にして「政治的公平」は番組一つ、コメンテーター一人でも反自民,反安倍を唱えるのは政治的公平に欠けるとして番組休止やコメンテーターは降板に追い込む流れになっていたのである。

総務省文書では総務省から出向してる山田真貴子首相秘書官が2月18日、同省に対し「安保法制の議論をする前に民放にジャブを入れる趣旨なんだろうが、視野の狭い話だ」と解説したと記されている。山田氏は「礒崎氏は官邸内で影響力ない」「今回の話は変なヤクザに絡まれたって話だ」などとも語り「どこのメディアも萎縮する。言論弾圧ではないか」と指摘した。

一方の高市早苗議員の話も少ししておきたい。縁があるっちゃあるんだな。

高市さんがまだあの偉そうな議員になる前の話だ。

私が「ザ・スクープ」というテレビ開局以来初めての調査・報道番組を始めたのが1989年10月のことだった。

第一代のキャスターはテレ朝の天皇と呼ばれたO局長が毎日新聞から引き抜いた私。NHKからは小柄ながら鼻っ柱は強い、H嬢。しかし、始めたもののNHKでニュース7という花形番組を勤めたH嬢と番組のスタッフとどうも気が合わず、勿論私もテレビのニュースは初めてだからなんか気詰まりでうまくいかず、動き出したがなんだかギシギシ音の出る番組出航だった。 番組のプロデューサー, Kちゃん。年明けて1990年、カラオケに誘われ言われた。

「鳥越さん、3か月くらいやってどうですか?」

番組は私から見れば言いたいことは一杯あったが、プロデューサーが聞いているのはそんな一般的なことではなかった。

「彼女、どうですか?」

「ええ,まあ、やりにくいっちゃやりにくいけど、まあ最初はこんなもんでしょう」

「そうですか?まあ半年一年はやって代わってもらいます。ついては早速会ってもらいたい人がいるんです。」

「ええ、そりゃあ早い話だねえ、うん、でも会うだけならいつでもいいよ」

軽い気持ちだった。

ダメならノーと言えばいいし。

ひょっとするとぴったしの人かもしれないしなあ・・・

「それが今日なんです。これから六本木のバーで彼女が待っていますので会ってやってください」

あまりの急展開に私も驚いたが、さあどうぞ、と背を押されるように六本木に向かった。

六本木の角に近いバーで会った、

ああ、この人ね。

私は話し始めてなぜかすぐに答えが出た「ああ、この女は不潔だ。こんな女とは無理無理」プロデューサーにはその通り報告した。そこでこの話はナシになった。

しかし、上昇志向の強いお嬢さんには弱い田原総一郎さんに接近し、「朝まで生テレビ」の常連となり、そこから政治家への道へ。あとはトントン拍子に自民党の階段を上がっていって大臣になった。

もう一つは私が彼女に告訴されようになった話。これも結構彼女らしさが出ていて面白い。

私は彼女が「議会立法調査官」としてアメリカで働いていた、という触れ込みに違和感を抱いたんです。この官名は実際にはないし、議会から賃金が出ている訳でもない、実は日本の松下政経塾から金をもらってアメリカの議会で研究員をしていたそうです。インターンをしていたくらいなら経歴詐称にはならなくてもいいかもしれない。それなのに、ああそれなのに、実在しない「議会立法調査員」を造語で作り出し、日本の国民を惑わすのは重大な問題ではないのか??

今回の総務省の文書中自分の発言は皆

「捏造」「捏造」

と、声高に言い募るところは

「議会立法調査員」

で日本人を誤魔化そうとした不潔な心と同じものではないか。

第一、総務省の職員がなぜ高市早苗さんの言ってもいないことをでっちあげる必要があるのだろうか?

一体総務省の職員は「捏造」してどんな利益があるというんだろう。

この総務省文書開示の問題、今後どう展開するのだろうか?

安倍さん、高市さん、磯崎さん。この三人に名指しされた

「サンデーモーニング」
「報道ステーション」

少なくとも「戦争反対」「原発増設反対」で頑張ってほしい。
一視聴者としてエールを送り続けたい。

(2023/3/20)

鳥越 俊太郎・記

追伸(すみません朝になって気づきましたので短く入れておきます、来週ちゃんと書きます)

2003年3月20日は忘れられない日です。アメリカの艦隊からミサイルが次々と連射される映像を見ました。
あの一方的なイラク領土内には普通の市民も普通に生活をしていたのです。
アメリカ軍はイラクが大量破壊兵器を作っている、という理由で一方的に攻めたのです。今ウクライナ戦争に過剰なほどに同情の涙を流している日本人はあのイラク戦争の時、全く知らぬ顔でした。どうしてこんなダブルスタンダードな顔が出来るのでしょうか?
私は2004年危険なイラクに入りアメリカの犯罪を現地でちゃんと見てきました。私はイラク戦争では知らぬ顔していた日本人がウクライナ戦争では急に「いい人」になったのが腹立たしい。詳しくは来週にご期待あれ!!

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鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

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