【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

【イラク戦争20年で考える…】アメリカは民主主義を餌に世界中を食い尽くす魔性の国なのか?/台湾有事を煽るアメリカ/戦争の空気に乗ってはいけない!日本人有識者は警告するが…

鳥越俊太郎

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週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

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昭和15年生まれの私が既に弱りきった日本全土の空襲の事実を知ったのはもちろん戦後だが、忘れられないのは当時父の姉や妹などたちが、空襲時は爆弾が天井の梁に引っかかって落ちてこないことがある。そんな時は下から突いて落とさないとダメだ!と真剣に話し合ってた姿。要するに米軍の爆弾は建造物を破壊する方法ではなく、日本には焼夷弾を徹底的にばら撒く方法をとったのだ。

木造家屋が主体の日本は徹底的に焼き払う。現実に日本中は昭和19年から20年にかけて都市のあらゆる日本の建造物は焼失し、一面焼け野が原になった。

しかし、京都、東京の皇居、新潟、広島、小倉、長崎などいくつかの都市は焼夷爆弾の嵐から逃れ、傷ひとつなく残った。

いや残された、という方が正しいのかもしれない。原爆の効果を見るには傷がついてない街の方がいい、と言う判断だろう。アメリカらしい戦略的判断だったのだろう。これを戦後知った時の複雑な思いを今思い出す。

ここからは後で聞いた話だが、上記の都市では軍事産業の広島、小倉が米軍が開発した原子爆弾の最初の攻撃地だった。

しかし、小倉は雲の影でターゲットが見えず、爆撃機は長崎に向かった。

広島、長崎はアメリカが世界中の軍人市民の頭脳に叩き込んだ、新しい戦争だった。

「全てを焼き尽くし、後遺症を残す全く新しい形の戦争」

核戦争の出現。

この年から何年経ったのか?

2003年3月20日、

広島、長崎の核兵器使用から何年経ったのか?この日、ブッシュ大統領の命令でアメリカ軍は突如イラク領土内に一斉に攻撃の火蓋をきった。ただし、国連安保理の決議を経ない、勝手な行動だった。

私の瞼にはペルシャ湾海上からイラク領土内に次々と打ち込まれるミサイルの映像が今でもくっきりと残っている。

このイラク戦争の最大の問題はイラクが核兵器や生物化学兵器の準備をやっていることを、アメリカが国連、いや世界の目の前で立証することだった。もう一つはイラク国民には悪政サダムフセインを排除し国民に民主主義を取り戻すという、取ってつけたような怪しげな理由も語られた。大量破壊兵器の準備という話は全くのガセネタの部類だということは、後に分かる。

となるとアメリカの一方的な攻撃もイラクに民主主義をもたらすためだ。こちらが強調されたが、イスラム教のシーア派とスンニ派の対立もあり、その後のイラクの政情は乱れている。アメリカが民主主義を餌に世界中を食い荒らす魔性の怪獣である事の馬脚を表した例のひとつだ。しかし、日本も含めて民主主義国を名乗る国からこの理不尽この上ない行為に批判の言葉一つ出てこなかった。

私はアメリカの行為をどうしても理解出来ず、テレビの番組で反対の声を上げた。もちろん友人、知人で反対した人がいたことは知っている。が、我々は全くの少数派、多くの出演者が自衛隊のイラク・サマワ派遣を受け入れた。つまり、この時日本政府はおろかメディアをはじめ日本人はこの全く理不尽なアメリカの行為に承認を与えたのだった。

2003年3月20日は私には忘れられない日だった。番組の女性キャスターの個人的な問題で私たちはかなり深刻に頭を寄せ合っていたと思う。

しかし、突如ブッシュ大統領のイラク開戦のスピーチがテレビの臨時放送で流れ始めたのを今でも明瞭に記憶している。

そして、アメリカへの協力として日本の自衛隊も部隊を出動させる。小泉政権の方針を巡って日本中で激論が始まった。

専守防衛のためだけだ。自衛隊が国外でアメリカ軍と協力して戦争行為に入るのは憲法に違反するのではないか、私たちは少数派だったが、テレビの番組の中ではよくやった方だと思った。しかし、自衛隊はイラク南部で「戦争をするためではなくイラクの人々を助けるために向かう」という、一見もっともらしい弱者を救うという日本政府が捻り出した理屈。

これも1945年8月、日本敗戦と同時に日本に入ってきたアメリカ流の民主主義のもたらしたものに違いない。

民主主義。

この綺麗な言葉。

日本だけではない。

世界中の国と人々がこの言葉に魅了され拝跪する。

日本だけではなく世界中が弱いのだ。

アメリカはその餌をばら撒きながら世界にアメリカ化を図ろうとする。

しかし、アメリカのイラク戦争はイラクフセイン政権が大量破壊兵器や化学兵器持っているとの情報で始めた戦争だったが、結果は皆無。いい加減な情報に乗ってしまったブッシュ政権の強引な軍事行動だった。

このことは今やアメリカ自身も認め、国連でさえ誤りであったことが認められている。そのアメリカがウクライナに侵攻したロシアを非難する。プーチンの専制国家がもたらした今回の侵略行為は賛成できるものではないのだが、20年前の蛮行を覚えている身からすると、どの面下げて、どの口がそれを言う????またあの時アメリカの侵略行為を認めた君たちにロシアを批判する権利はあるのかい???と思わずそんなセリフが口から出そうになる。

私はアメリカが信じられず開戦の翌年2004年2月単身イラクに入り自分の目でアメリカの一方的な攻撃の跡を見たかった。

単身は危険と思ったのか、今は亡き青木吾朗プロデューサーが初めて顔を見る井手ディレクターをつけてくれた。

ウイーンからアンマンを超えて土漠地帯を12時間。途中隊列の後ろの車が強盗に合うなど際どい旅で二人はイラクの首都バクダッドに入りました。

私達がイラクで見たのはミサイル攻撃などで激しく破壊されている政府系機関ビル群。足を失った中学生くらいの子に会って取材もした。米軍の攻撃で多くの子ども達が傷ついていた。

調査によるとイラクの国民の人命50万人がこの戦争で失われたと言う。

アメリカは民主主義の餌を提げてイラクに侵攻した。しかし、イラクは今に至るも国内の安定化は困難だ。アメリカがイスラム教シーア派とスンニ派をバラバラにしてしまったからだ。

失われた命50万人。

何の意味があったのか。

これは殺人、大量虐殺、戦争犯罪にあたるのではないだろうか?

歴史を戻そう。

1954年頃から1975年4月30日あのベトナム戦争とは何だったのか?

まさに民主主義の旗を立てた米軍と己の国を守りたいベトナム人軍が戦った戦争。

結局、民主主義の旗は折れた。

そしてイラク戦争。これも民主主義の旗は折れた。アフガニスタン戦争はやはり民主主義を売るアメリカの敗北だ。

恐らくアジアでアメリカが民主主義の売り込みに成功したのが日本と韓国、そして台湾、フィリピン?このくらいかな?

アメリカは民主主義と同時に本州の北端から沖縄まで濃密な米軍基地の配備に成功した。

これは今台湾有事の場合の最前線である。

今しきりに中国本土軍が台湾を軍事攻撃した場合日本は最前線になるという説を流す人たちがいる。

先日何気なく「しんぶん赤旗日曜版」を読んでいて、こんな新聞見出しに出会った。

「戦争の”空気”に乗ってはいけない」

「危機あおる米国 日本に犠牲負わせる対中戦略」

「有事になれば焦土と化すのは本土、沖縄」

「正面からたたかう共産党の躍進期待」

ちょっと記事を一部引用したい。

京都精華大学准教授(政治学)白井聡さん

「仮に『台湾有事』があるとすれば、主戦場はどこかというと、アメリカ本土ではない。台湾と日本なんです。アメリカにとっては『戦争の中で日本をどう使うか』という話なのです」

「『ウクライナで起きたことは台湾でも起きる』という人がいます。それが起こるとすれば『米中戦争』というより『日中戦争』として現れるかもしれません。台湾に米軍基地はなく、出撃は日本、沖縄の米軍基地からになります。焦土化するのは日本と沖縄です」

確かに我ら日本人はアメリカの民主主義を腹イッパイ食わされてアメリカの言いなりになっているのは認めざるをえない。

中国は共産党の一党独裁の国でとてもじゃないが住んでみたいとも思えぬが、台湾問題で戦場になるのだけは嫌だな。

最近の日本の空気は確かに白井先生の言うように「戦争に乗ってしまいそうな空気がある」というのが気になる。

戦争を知る年配者は乗らないだろう。

戦争を知らない中年から下の若い人たちはどうかな?

例えばトランプよりバイデンがいいと思っているあなた。僕はアメリカは共和党より民主党の方が罪多いと思うけどな。

閑話休題

それにしてもマスクは日本人の口から離れないなあ。先日テレビを見ていたら山の中で暴走族を取り締まっている警察官。山の茂みのなかで夜間、マスクをつけていて、もう習慣なっちゃったか?街でもマスク姿は消えない。

東京都の感染者が1日で五百人くらいでも着けなければならないと言うのか。

マスクは街からいつ消える?

日本人は賢いのか、はたまたお馬鹿さんなのか?一部医療関係者には必要なんだろうが、健康なあなた、いつまでマスクのお世話になるのかな?

言い出したらキリがない。

この辺で止める。

(2023/4/3)原稿・鳥越 俊太郎

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鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

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