【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

日本の貧困について考えるあの事件以来考えていた!!そう、あの恐ろしい事件の背景は

鳥越俊太郎

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週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!
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今週からこの絵を頭に付けます。
タイトルも「今週の鷲の目」です。
この絵は私の孫が10歳の時に描いた絵です。ありがとうね!

https://foimg.com/00190/HnfVB8

初めての経験
先ほど22時過ぎにfoomii宛に原稿を送ったはずでした。が、しかし、自分のメール欄のどこを探しても、その原稿の形跡がありません。2時間近くあれこれひねくり回していたのですが、日が変わり月曜日を迎え漸く決断。あのメール・原稿は天空に消えたものと判断して新しく書き直すことにしました。このことだけ最初にご報告してパソコンに向き合うことにしました。

非正規・派遣という言葉

私にはどうしても忘れられない言葉と人がいる。どうしてかなあ?と記憶の底をぐちぐち触ってみて分かった。
先日、妻が手にしていた預金通帳を見て、ま、軽く驚いたんですね。それは年金の振り込み用の通帳でした。
292,387円。驚いたと言ったのはそれが2ヶ月分だと知らなかったこと、だとすると、何なに1ヶ月で15万円ないということね。これが次の驚き。そんなことは妻からすれば当たり前のこと。
一番驚いたのはこの1ヶ月14万何がしかの年金が国民厚生年金だということです。
つまり、私が24年間払い続けた厚生年金を高齢になった今返していただいているということ。さらにフリーの身になって支払ってきた33年間の国民年金のお返しがこれだけ?
妻は働いてないので全体として私の半分の額。二人合わせてもやっとの老齢生活だ、感じている時,さーっと頭を掠めた言葉がある。
「非正規・派遣・臨時・バイト」
正式に会社や団体に所属していないフリーの人たちのこと。会社員だった私が高齢者、いや老齢者になって、さてどうしたものやら??と自問自答するこの問題。派遣の高齢者問題。あまり聞かないけれど、実は大変じゃないの??そう思っていた時ある雑誌の見出しが飛び込んできた。
『月刊 マスコミ市民』
4月号の特集は
「物価高騰 逼迫する国民生活」
実にタイムリーな特集だけど、その中で「逼迫する非正規労働者』(東海林 智)これだ!と思い早速読みました。その内容はこれから紐解くとして、非正規という文字でするりっと浮かび上がってきた人の名がありました.忘れられない名前です。
加藤智大.犯行時25歳。
処刑時39歳。
自動車製造工場の非正規労働者。青森県1の進学校、青森高等学校に進学。車の仕事につきたいと岐阜県の短大に進み、卒業後は仙台市の警備会社や青森県の運送会社で真面目に働いていたという。事件前年の2007年11月から静岡県裾野市の自動車製造工場で派遣社員として働き始めていた。
事件のことをある年齢以上の方はよく覚えておられると思います。
秋葉原通り魔事件。秋葉原無差別殺傷事件とも言われている、あの事件、驚いたなぁ2008年6月8日は日曜日、秋葉原の歩行者天国で賑合う人混みの中に加藤死刑囚は2トントラックで突っ込み、人を轢き殺した上に用意したダガーナイフで買い物客を差し殺した。
裁判ではパソコン上の掲示板でのやり取りで、精神的に追い込まれたのが直接的な殺意だと言われている。
しかし、彼は高校は県内随一の進学高校に進みながら、短大終了後正規の社員にはなれてない。いや、まだ25歳だから将来的には車関係の会社に就職する気でいたのかもしれない。その辺は私にも正直本当のことは分からない。
いずれにしろ彼が非正規の労働者だったこととあのとんでもない事件との関係性は不明である。私がもう少し若ければ事件の影に潜む真実を一冊の本で明るみに出すことは出来たかもしれない。
ただ悔やむだけだ。
『月刊 マスコミ市民』の東海林 智(毎日新聞記者)の記事から1箇所だけ引用しておきたい。ええっ、何毎日の記者か、後輩じゃん!ってどうでもいいけど、ちょっと気になる。

記事のタイトルは
「逼迫する非正規労働者」
「『公正な分配』実現のためにはスト権の行使も」
記事中の見出しだけ拾っておくと、
「ギリギリの生活 夢も希望もない」
「23年間で10ポイント以上下がった実質賃金」
「正社員の半分以下の非正規労働者の賃金」
「全国組織の枠を超えて共闘する非正規の春闘」
私が気になった件だけ引用しておきたい。

「日本の平均賃金が上がらず、先進国の中でも 最低レベルであることの原因には、賃上げがまともに行われてこなかったのと共に、低賃金で雇用が不安定な非正規労働者が増え続けてきたこと が挙げられる。
非正規労働者は1994年から増え続け、4割前後を行き来している。21年の非正規労働者は男性が652万人(男性労働者に占める割合は21・8%)、女性が1413万人(同53・6%)に上がっている。
女性は2人に1人以上が非正規労働者である」

最後に、あっ!午前3時を回ったぞ!
この、案外語られない企業秘密をここに暴露しておこう!

皆さん、企業の「内部留保金」という言葉、聞いたことありますかね?非正規労働低賃金などの話を聞いた後には驚かざるを得ませんね。

Googleでちょいとググってみました。
「内部留保とは、当期純利益において株主配当金に回されない部分のことを 指します。損益計算書(P/L)の当期純利益を設立から現在までストックしたものが、利益剰余金として社内に蓄積され、最終的に内部留保となります。つまり『最終的な利益の中で社内に蓄えられるもの』が内部留保といえるでしょう」

で、今いくらあるの?????

財務省が2022年9月1日に公表した「法人企業統計調査」の結果によると、2021年度の日本企業の内部留保の額は516兆4750億円と過去最高を記録しました、とさ。

これじゃあ正規も非正規も労働者怒るは!!
そんなに懐さ溜め込んでどうするの??
流石の加藤くんも怒ってるかもねえ。
地下で。被害者の怒りは複雑だよねえ。

(2023/04/10記)
鳥越 俊太郎

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鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

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