メールマガジン第59号:沖縄全体がミサイル列島に 戦争準備にノーの声上げよう

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

南西諸島の軍備強化が急加速している。長射程ミサイルの量産化、日米の「離島防衛」、「離島奪還」実戦訓練が激化し、浜田靖一防衛相は自衛隊による「住民避難」に言及した。次の沖縄戦が現実味を帯びて迫りつつあることを危惧する。
防衛省の次年度予算要求は金額のない事項要求が異例に多く、最終的に本年度を1兆円も上回る6兆円半ばに達する見通しだ。その多くが南西諸島に配備するミサイル開発や量産に注がれる。次の沖縄戦を想定する「戦争準備」予算にほかならない。
宮古、石垣、うるま市に配備する地対艦ミサイルの射程を中国に届く1000キロ超に延長。マッハ5以上の極超音速ミサイル、離島防衛高速滑空弾の開発。ミサイルの1000~1500発超の量産配備を新聞各紙が報じている。
自衛隊だけではない。琉球新報は「米陸軍が極超音速ミサイルを列島線配備」(4月3日)、核搭載可能な中距離ミサイルに関する元米国防総省高官の発言「いくつかは沖縄県を含む南西諸島に配備」(8月23日)を報じた。沖縄全体がミサイル列島と化しつつある。
対抗する中国がさらに軍備を強化するのは必至だ。本紙社説は「有事が起きれば、沖縄は真っ先に核攻撃の対象とされる恐れがある」(8月28日)、「抑止力が戦争準備と同義になっている(略)南西諸島は標的になり戦場になる危険を背負わされる(略)戦争準備やめ平和構築を」(同30日)と対話による解決を訴えている。
県民はどう向き合うべきか。戦争準備の実態を知ることからだ。昨年末、共同通信が報じた「台湾有事で南西諸島に攻撃拠点」「住民巻き添えの可能性」「日米共同作戦計画」は県民に大きな衝撃を与えた。攻撃拠点は陸自基地のある奄美、石垣、宮古など40カ所。米軍はウクライナにも供与するロケット砲・ハイマースを配置。海兵隊が島から島へ攻撃を続ける。自衛隊幹部は「自衛隊は米軍支援を最優先。住民を避難させる余裕はない」と話したという。
「日米共同作戦」について防衛省は沖縄県の質問に応じず、岸防衛相(当時)は国会や記者会見で情報開示を拒んだ。県民の頭越しに「日米共同作戦」の実戦訓練が積み重ねられている。
「日米共同作戦」をスクープした石井暁・共同通信専任編集委員を招くシンポジウムを9月25日(日)午後1時半(開場1時)から宜野湾市民開会で開催する。新垣毅・琉球新報報道本部長、阿部岳・沖縄タイムス編集委員、ノーモア沖縄戦の会の三上智恵、山城博治共同代表が「県民、メディアはどう闘うか」を議論する。入場無料。問い合わせは、090-2716-6686(新垣)

※本稿は2022年9月17日の琉球新報論壇を転載いたしました。

新垣邦雄(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会発起人)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

「独立言論フォーラム(ISF)ご支援のお願い」の動画を作成しました!

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

「ノーモア沖縄戦の会」は「沖縄の島々がふたたび戦場になることに反対する」一点で結集する県民運動の会です。県民の命、未来の子どもたちの命を守る思いに保守や革新の立場の違いはありません。政治信条や政党支持の垣根を越えて県民の幅広い結集を呼び掛けます。

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ