【特集】新型コロナ&ワクチン問題の真実と背景

思想としてのコロナワクチン禍試論(2) ―「半ポスト真実」とメディア批評の視点から

嶋崎史崇

第5節 コロナワクチンの問題点と疑惑

(1)ファイザーワクチン有効率「95%」に対する疑義と、ワクチンを巡る言語の問題

〇当初から厚生労働省が喧伝し、コロナワクチン接種の根拠としていた「事実」:
ファイザーワクチンの感染予防効果は「95%」という主張
その主張の根拠の一つとなるファイザー社所属研究者による『ニューイングランド医学誌』掲載論文:Fernando P. Polack et al., Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine, in: New England Journal of Medicine, 2020年12月21日公開。
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2034577

治験参加者4万3448人:
2万1720人:ファイザーワクチン2回接種→8人コロナ感染
2万1728人:疑似薬接種→162人コロナ感染
(162-8)÷162=0.95、即ち有効率95%、という主張(数字自体は間違いない)

〇だが同一の治験について別の見方もある(例えば荒川央『コロナワクチンが危険な理由』、16~18頁):
疑似薬接種群2万1728人のうち162人が感染
→残りの2万1566人即ち99.25%は感染していない

ワクチン接種群2万1720人のうち8人が感染
→残りの2万1712人即ち99.96%は感染していない
→99.96%-99.25%=0.71㌽しか違いはない

荒川氏:「有効率95%は100人中95人に効くという意味ではありません」、「数字のトリック」に注意を
岡田正彦・新潟大名誉教授『大丈夫か、新型ワクチン』花伝社、2021年、128頁以下:95%は「相対的リスク減少」であり、肝心の「絶対的リスク減少」ではない

〇もう一つの「トリック」の可能性:著名医学誌『BMJ』査読担当者による記事:Peter Doshi: Pfizer and Moderna’s “95% effective” vaccines—we need more details and the raw data. https://blogs.bmj.com/bmj/2021/01/04/peter-doshi-pfizer-and-modernas-95-effective-vaccines-we-need-more-details-and-the-raw-data/
(2021年1月4日公開):

PCR検査で陰性だったが、コロナらしき症状を示す被験者が、ワクチン接種群の方では1594人、疑似薬接種群では1816人いる→もしこれらの疑い例が、全て偽陰性だと仮定すると、ワクチンの予防有効率は19%に

荒川央『コロナワクチンが危険な理由』19-23頁で解説
(補足:ファイザーの資料を私が調べた限り、Ct値に言及されていない)
→全部偽陰性は厳し過ぎる見方かもしれないが、首相や元ワクチン担当大臣も含め、実際に2回以上接種者の「ブレークスルー感染」が相次いだ

井上正康・大阪市立大名誉教授『マスクを捨てよ、街へ出よう 免疫力を取り戻すために私たちができること』方丈社、2022年、80頁ブレイクスルー感染は「2回打っても効かなかったことを世界が知ったために生まれた『言い訳用語』」

人文的問題意識を踏まえた補足:
「ブレークスルー感染」は「悪い」を「非良い」で言い換えるような新手の「ニュースピーク」では?
このワクチンは「効いていない」と端的に言い切るのは「思考犯罪」か?

ニュースピークの特徴:使える言葉を限定し、思考の範囲を狭めること
(以上ジョージ・オーウェル『1984年 新訳版』高橋和久訳、早川書房、2009年、80-82頁参照)

主要メディアでは、ワクチンの構造的欠陥を示す言葉が出てくること自体が極めて少ない:既に挙げた抗原原罪の他にも知られざる重要概念:

「抗体依存性感染増強」(ADE=antibody enhancement dependency):感染を抑えるのではなく、感染を広げる悪玉抗体もワクチン接種によって発生しうる(荒川央『コロナワクチンが危険な理由』139-142頁)
→これらの概念や、「95%」の別の解釈が主要メディアでは殆ど伝えられないことで思考の幅が狭められ、ワクチンの有効性ばかりが強調される半ポスト真実的状況が出現?

マルティン・ハイデガーが注目した詩人ステファン・ゲオルゲの言葉:「言葉が欠けるところ、いかなるものもないだろう」(Kein ding sei/wo das wort gebricht)
→概念を知らなければ、それが名指す物や現象を認識できなくなる(vgl. Heidegger, M., Unterwegs zur Sprache, Gesamtausgabe Band 12, Klostermann, 1985, S.208.)

〇言語を巡る問題の補足:mRNAワクチンへの批判者は、有力なワクチン専門家まで含め一概に「反ワク(チン)」として中傷(宮沢孝幸・京都大学准教授『コロナワクチン失敗の本質』、鳥集徹氏との共著、宝島社、2022年、91、156-157頁参照)

根拠ある異論を貶め、信憑性を剝奪するための「闘争概念」(Kampfbegriff)では
Kampfbegriffの出典:Mudde, C. and Kaltwasser, C. R., Populism. A vert short introduction, Oxford University Press, 2017, pp.1-

2.電子版
[本稿の視点も「反ワク」ではない:ワクチン接種一般を否定しない。主要メディアで報道されることが少ないが、本稿で取り上げる事実や疑惑も知った上で、接種について判断してほしい]

(2)厚生労働省によるコロナワクチンデータ改ざん疑惑
 (1)のファイザー社の“トリック”を見抜けなかった厚労省自体が起こした不祥事:
 「10万人あたりの新型コロナウイルスの新規陽性者」というデータで、ワクチンを接種された人でも、接種日を覚えていない場合は、未接種扱いにしていた、という問題
 小島勢二・名古屋大名誉教授が外国のデータと比べて、日本ではワクチンのオミクロン株に対する感染予防効果があまりに高すぎると感じて厚労省に問い合わせた結果、修正された

〇CBCNews「新型コロナワクチン打っても“未接種扱い”にしていた…厚労省『理由は不明だが意図的なものではない』」(2022年5月27日)から
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/55384?display=1

40代、60代、70代では、2回接種者の方が、未接種者より多く感染していたことに
[それ以外の世代でも、感染予防効果は激減]
補足:しかも厚労省の元資料では、接種歴不明者が除かれているが、自分の接種回数を忘れる人には高齢者が多いと推察すると、70~80代の2回接種者の数値はさらに悪く?

厚労省の釈明:「ブレークスルー感染」を調べるための統計、ワクチン効果を見るためではない→納得できるかどうか

小島氏:ウェブサイトThink Vaccineの408人を対象とした調査では、未接種者が接種者より感染対策を緩めたというわけではない(『女性セブン』、小学館、2022年6月30日号、「ワクチンを打った人の方が新型コロナに罹りやすかった」、136-139頁)。
小島氏がこの接種者と未接種者の逆転現象の説明として持ち出す理論が抗原原罪

しかも小島氏の指摘後しばらくして、厚労省はこの接種歴別感染者数という貴重なデータを更新しなくなった→“改ざんのち隠蔽”?

ワクチン接種別の新規陽性者数(4/25-5/1)

 

〇修正後の厚労省資料。厚労省の資料:
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000937646.pdf
40代、60代、70代では、2回接種者の方が、未接種者より感染者数が多くなっていることがわかる。

〇外国の研究としても、例えばスウェーデンにおけるコホート研究では、ワクチン2回接種後の予防効果が時間の経過と共に逓減し、8カ月前後でマイナスに
 Nordström, P. et al., Risk of infection, hospitalization, and death up to 9 months after a second dose of COVID-19 vaccine: a retrospective, total population cohort study in Sweden, in: THE LANCET. 2022年2月4日
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(22)00089-7/fulltext

荒川央:この論文の図表からは、リンパ球減少により接種者の免疫が低下することがわかっている最初の「魔の2週間」が除外→「ワクチンを打った人を打ってないとカウントしている時点で、明らかな詐欺」(『コロナワクチンが危険な理由2 免疫学者の告発』花伝社、2023年、36-42、51頁)。

〇Gérard Delépine, High Recorded Mortality in Countries Categorized as “Covid-19 Vaccine Champions”, in: Global Research, 2022年4月17日.
https://www.globalresearch.ca/high-recorded-mortality-in-countries-categorized-as-covid-19-vaccine-champions-increased-hospitalization/5757173

かつてのワクチン先進国・イスラエルでは、ワクチン接種直後に感染爆発が発生。接種前は1日6000人程度の新規感染者数だったが、接種後に起きた感染の波では、最高1万1000人に
寺島隆吉『コロナ騒ぎ謎解き物語3 ワクチンで死ぬか イベルメクチンで生きるか』、あすなろ社、2022年、第4章、特に第2節参照

〇この逆転現象問題と改ざん疑惑は非常に深刻だが、主要メディアは追及に消極的で、そもそも未報道、または小さな扱い

『朝日新聞』2022年5月31日付「入力なしを『未接種扱い』厚労省 感染者のワクチン接種歴」:第2社会面扱い、厚労省の「未接種の感染者数を多く見せる意図はなかった」「ブレークスルー感染の人数を調べるために集計」という言い分を伝えるのみ、本格的追及なし
→接種に不利な情報を大多数の人々が知らないまま、さらなる追加接種に邁進
都合の悪い情報はできるかぎり伝えない「半ポスト真実」的態度により、知る権利も自己決定権も損なわれたのではないか

(3)コロナワクチン由来のmRNA、スパイクタンパク、免疫抑制がもたらしうる悪影響
 これからコロナワクチンによる副反応・後遺症・死亡の疑い事例を論じる
そうした有害事象が起きる原因としての作用機序(構造)の説明

〇mRNAワクチンの特徴:ウイルスそのものを使っていた従来の生ワクチン・不活化ワクチンと違って、mRNAという遺伝情報を、すぐ壊れないように修飾・加工した上で注射→mRNAを基に、細胞内でスパイクタンパクがつくられ、それを標的として抗体が誘導され、免疫ができる
以上は厚労省の説明(ここまでは批判者も認める事実)
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0021.html

スパイクタンパク:ウイルスが細胞に入り込むために使うトゲのような物質
ところが、ワクチンが標的としているスパイクタンパクそのものが、ウイルスなしでも有毒であるという研究:Yuyang Lei, et al., SARS-CoV-2 Spike Protein Impairs Endothelial Function via Downregulation of ACE 2, in: Circulation Research, 2021;128:1323–1326、2021年3月31日。https://doi.org/10.1161/CIRCRESAHA.121.318902

ワクチン由来のスパイクタンパクは、ウイルス由来のスパイクタンパクと同じく、体全体の血管を攻撃、炎症を起こし、血栓もできやすくする
解説は荒川央『コロナワクチンが危険な理由』114-119頁

〇厚労省の主張:「mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンで注射するmRNAは、数分から数日といった時間の経過とともに分解されていきます」
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0008.html

しかし、この「短期で消滅する」という安全性の主張を根底から覆す可能性がある研究成果も:高知大学・佐野栄紀特任教授らの論文:ワクチン接種後の患者において生じた帯状疱疹の患部から、ワクチン由来のmRNAが産出を促すスパイクタンパクが検出
Yamamoto, M., Sano, S. et al., Persistent varicella zoster virus infection following mRNA COVID-19 vaccination was associated with the presence of encoded spike protein in the lesion, in: Journal of Cutaneous Immunology and Allergy, 22;00: pp. 1–6、2022年8月25日公開。https://doi.org/10.1002/cia2.12278

周知の通り:ワクチン接種後に、免疫が低下した時に発生しがちである帯状疱疹が増加、2022年には帯状疱疹ワクチンCMまで

〇3回目接種後に脳炎と心筋炎で死亡した患者の病巣から、ワクチンに由来するスパイクタンパクが発見された事例
Mörz, M., A Case Report: Multifocal Necrotizing Encephalitis and Myocarditis after BNT162b2 mRNA Vaccination against COVID-19, in: Vaccines 2022, 10(10), 1651、2022年10月1日。https://doi.org/10.3390/vaccines10101651.

解説は中村篤史医師:「スパイクタンパクの解毒法」、2022年10月4日。
https://note.com/nakamuraclinic/n/n56080658df5f

〇mRNAそのものがワクチン接種から最長で28日間血中に残存したことを示した論文:
Castruita, J. A. S. et al., SARS-CoV-2 spike mRNA vaccine sequences circulate in blood up to 28 days after COVID-19 vaccination, in: Journal of Pathology, Microbiology and Immunology. Volume131, Issue3, March 2023., pp. 128-132, 2023/1/17.
https://doi.org/10.1111/apm.13294

コロナワクチンが、リンパ球を減少させることで免疫抑制することを実証した論文
 C. S. van Dam et al., Herpes zoster after COVID vaccination, in: International Journal of Infectious Diseases, Volume 111, October 2021, pp. 169-171.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1201971221006810

解説は荒川央『コロナワクチンが危険な理由』168―172頁
帯状疱疹のみならず、免疫力低下により、他のあらゆる病気に対して脆弱になる可能性:
 「ワクチンを打った人は、『コロナ』にも『ほかの病気』にも罹りやすかった」
近藤誠医師、小島勢二・名大名誉教授による解説
『女性セブン』小学館、2022年8月4日号、36-38頁

〇こういったワクチンの重大な欠陥を示唆する研究に、厚労省や主要メディアは概ね沈黙→半ポスト真実が莫大な健康被害をもたらした?

〇(補足)最大の謎:なぜこれほど、副反応疑いの有害事象が強く出る人と、殆ど何も感じない人の差異が大きいのか?
→宮沢孝幸・京都大准教授『ウイルス学者の絶望』宝島社、2023年、229頁以下:
ワクチンの製品番号(ロット)ごとに、有害事象発生率の大きな違い(ロット差)
スパイクタンパクを作る能力に違いがある→血栓、心筋炎、心室細動といった重大な副反応発生率にばらつきが出る
デンマークの研究でも、ロットごとに有害事象報告率に非常に顕著な差異

4%(青)は有害事象が非常に多い、63%(緑)は平均的、32%(黄色)は非常に少ない
Schmeling,M.et al., Batch-dependent safety of the BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine, in: European Journal of Clinical Investigation, 2023年3月30日。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/eci.13998

[接種ごとに命を懸けたギャンブルをやらされているようなものではないか]

〇接種を受ける人の条件の違いもあるのでは:厚労省は、心臓病をはじめ、基礎疾患がある人がコロナで重症化しやすいとして(これは事実)、ワクチン接種を特に推奨
だがファイザーおよびモデルナのコロナワクチン添付文書の「接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)」に、「心臓血管系疾患(略)の基礎疾患を有する者」が含まれる→コロナで死にやすい人とワクチンで死にやすい人は重なる?

←要注意事項は十分に周知されたか? これも半ポスト真実では?
ファイザーの添付文書:
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/672212_631341DA1025_1_19

モデルナの添付文書:
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/medley-medicine/prescriptionpdf/400256_631341EA1020_1_08.pdf

(4)ファイザーワクチンの1291種の有害事象リストの問題

〇2022年3月に、科学者・医療従事者・ジャーナリストらによる非営利機関であるPublic Health and Medical Professionals for Transparency(PHMPT)が、ファイザー社のコロナワクチンに関する機密文書だとされる資料を入手し、ホームページで公開
https://phmpt.org/pfizers-documents/

Cumulative Analysis of Post-authorization Adverse Event Reportsという資料

〇この資料に記録されている1291種類もの有害事象(副反応疑い事例)のうち「致命的」(fatal)は2.9%、以下で邦訳:井上正康『マスクを捨てよ、町へ出よう』方丈社、2022年、第6章「遺伝子ワクチン『副作用』黙示録 ファイザー社と米国FDAが75年間隠蔽を試みた資料」:「その病状の多様性は大半の医師が経験したこともない複雑なものです。そのために副作用の多くは医者も理解できないものが多く、後遺症として正確な診断や処方箋を提供できない症例が大半です」

〇この問題を伝えた数少ない国内の報道機関が、関西の地方テレビ局「サンテレビ」:
2022年08月24日:「ワクチン後遺症 ファイザー社の有害事象報告書と国内の症例報告」
https://sun-tv.co.jp/suntvnews/news/2022/08/24/56852/

小島勢二・名大名誉教授この資料に記されているギラン・バレー症候群(手足が動かなくなる自己免疫系・神経系の病気)や、血小板減少症、急性散在性脳脊髄炎(頭痛や、吐き気、意識障害、けいれん、麻痺などさまざまな症状)等、自己免疫や神経系の重篤な疾患が、接種後副反応疑い事例として、実際に大量に日本の学会で報告

[全国有志医師会によると、製造販売業者からの副反応疑い報告は、2021年2月17日~23年1月22日に、重篤なものは「26,441人」]https://vmed.jp/

川田龍平・参院議員(子どもへのワクチン接種とワクチン後遺症を考える超党派議員連盟会長)も、参院厚生労働委員会で2022年4月26日に質問:厚労省は、川田議員に指摘されるまで、この資料を知らなかった

サンテレビがこの資料の真偽などについて、ファイザー社に尋ねたが、事実上ゼロ回答

最近この資料について批判的に取り上げた『週刊新潮』の取材にも、ファイザーは「弊社からお伝えできることはなく、また、提供できる資料もございません」

「『コロナワクチン』特集 米国訴訟で開示されたファイザー『機密文書』の問題部分」、小学館、2023年4月20日号、26―29頁。
[CBCの大石邦彦氏の解説シリーズでは、半身不随をはじめとする深刻な有害事象について学べる
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%A4%A7%E7%9F%B3%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E3%80%80CBC

〇コロナワクチンにより、ギラン・バレーのような自己免疫疾患が起きやすい仕組みも一定程度解明:荒川央『コロナワクチンが危険な理由2』第3章「コロナワクチンと自己免疫疾患」

〇資料の真贋について、サンテレビの検証を引き継ぐ:

ロイター通信の「ファクトチェック」を手掛かりに
Fact Check-Pages of suspected side effects released about Pfizer’s COVID-19 vaccine ‘may not have any causal relationship’ to the jab, company says.(2022年3月17日)
https://www.reuters.com/article/factcheck-coronavirus-pfizer-idUSL2N2VK1G1

同じ資料について、ファイザーはロイターの取材に対して、ワクチンと有害事象は「相互に因果関係を持たないであろう」と回答
米国のワクチン有害事象報告システム(VAERS)へは、ワクチンが原因かどうか不明な事象についても報告されることになっている、と弁解→因果関係が立証され、副反応として認定される前の現象も「有害事象」として報告してよいことになっているので、当たり前

ロイターの結論:この資料にある有害事象は、ファイザーによって副反応として認められたものではない→これも自明、因果関係が未立証でも、接種を検討する人々は、正に起こり得る副反応を知って判断材料にしたいのでは?

ロイターは一貫してファイザーを擁護

ファイザーはサンテレビの取材にはほぼノーコメント、ロイターの取材に対しては、同じ資料が本物であることを事実上認めた上で釈明

ロイターとファイザーの癒着疑惑:ファイザーの取締役(board member)にトムソン・ロイター財団元CEOのジェームズ・C・スミス氏
https://www.pfizer.com/people/leadership/board_of_directors/james_smith

違法ではないが、利益相反の「回転ドア」人事の疑い

参考:IWJ(Independent Web Journal)「<スクープ!>シュピーゲル誌とロイター通信が真実曲げて米国NATOに戦争協力! マリウポリの製鉄所から避難のウスマノワさん証言!「アゾフ連隊は私たちを閉じ込め、ウクライナ軍は市民の避難許さなかった」2022年6月8日。https://iwj.co.jp/wj/member/archives/506872#memberB

Reuter: Russian envoy says Reuters ‘censored’ Mariupol evacuee’s comments .2022年5月7日。https://www.reuters.com/world/europe/russian-envoy-says-reuters-censored-mariupol-evacuees-comments-2022-05-06/

いわゆる「人間の盾」疑惑
→ロイターの「ファクトチェック」が信用に値するか、メタチェックすることこそ、日本のメディアの役目では? 日本の主要メディアはロイター等欧米通信社の記事を翻訳することが通常業務になっているため、疑うという発想がない? そもそも今回の有害事象リストを無視して検証しない日本の主要メディアは、間接的にワクチン接種推進に加担? 報道しないことによる半ポスト真実の出現?

〇日本経済新聞社:2022年11月に、厚生労働省の後援、モデルナ・ジャパンやファイザーの「特別協賛」を得て「日経・FT感染症会議」を開催→厚労省や巨大製薬会社の広報担当者に?https://cdc.nikkei.com/

テレビではファイザー、モデルナのCM…:事実上の口止め料として機能している疑い

〇2022年3月22日の参院予算委質疑でも、山本太郎議員が追及
https://www.youtube.com/watch?v=BGqK82qj_Y8

〇補足:学会と製薬会社の利益相反疑惑も:日本免疫学会の2022年12月の学術集会では、モデルナ・ジャパン社との共催で軽食付きの「イブニングセミナー『未来の免疫学』」が開催:https://www2.aeplan.co.jp/jsi2022/program/

〇岡田正彦医師:一連のファイザーワクチン論文の中には、執筆者32人中の12人が製薬企業所属だったものもある(『本当に大丈夫か、新型ワクチン 明かされるコロナワクチンの真実』花伝社、2022年、76-87頁)

(5)コロナワクチンの接種後死亡率がインフルエンザワクチンの約100倍という問題

(4)で有害事象の「致命的」が2.9%→日本でも実際に多くの接種後死亡例

12歳以上の死亡例に関する考え方

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/001070074.pdf

第92回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、
令和4年度第27回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全
対策部会安全対策調査会:「副反応疑い報告の状況について」

2023年1月22日までに合計約2000件の接種後死亡報告

因果関係が否定できない、と認められたのは1件のみ、殆どが「評価不能」

主要メディア:2021年にはこの接種後死亡の数を一定程度伝えていたが、22年になるとそもそも言及自体少なく
約2000件といった数字が相対的に多いか少ないか、その意味を分析する報道は非常に少ない

例外:作家の山岡淳一郎「コロナワクチン 増え続ける副反応疑い死」
『ニュースソクラ』、2022年5月24日
https://socra.net/?columnist=18313&original=true

厚労省の資料に基づく計算:
22年4月29日付時点でのコロナワクチンの接種後死亡者数:
2億6590万回超の接種で1710人、死亡報告頻度は0.00064%
14年シーズン(14年秋~15年初夏)~19年シーズンのインフルエンザワクチン:
2億5835万回超の接種、死亡報告数は15人、死亡報告頻度は0.0000058%
→ファイザー、モデルナ、アストラゼネカワクチンの接種後死亡率は、この時点でインフルエンザワクチンの100倍超!

[コメント:時期が異なるといった条件の違いは確かにあるが、誤差の範囲で説明できるものではないだろう]

〇福島雅典・京都大名誉教授らの研究班の試算では、156倍
「COVID-19 ワクチン接種後の死亡と薬剤疫学的評価の概要:全国民ベースの概観と提案」、『臨床評価』臨床評価刊行会編、第49巻、第3号、2022年2月、499-517頁。http://cont.o.oo7.jp/49_3/p499-517.pdf

「半数を超える人が数日以内に亡くなっている事実は、ワクチン接種とそれら死亡の間には,密接な関連があることを示唆している」(505頁)
(補足:もし本当に偶然ならば、接種後死亡の出現はもっと平らなグラフを示すはず)

[接種翌日の死亡が一番多く、徐々に減っていく]

〇厚労省の釈明:mRNAワクチンは「初めての経験で、誰もが心配し、医療機関も念のために報告しようと考える」ため、報告数が多くなる(山岡淳一郎「ルポ 副反応 第2回 因果関係 遺体は語る」、『世界』、岩波書店、2022年9月号、94-103頁)。

〇全く別の病気を原因とする症状が、たまたまワクチン接種後に発生する事例:「紛れ込み反応」(野口友康『「犠牲のシステム」としての予防接種施策』235-236頁)
→接種後死亡の全てがワクチンによるものではないと考えられる

〇「紛れ込み反応」や「念のため報告」とは逆方向の過少報告問題:
米政府機関のサイトに掲載されている研究:ワクチン有害事象報告システム(VAERS)に実際に報告される副反応疑い事例は、実数の1%程度に過ぎないのでは、と推測

Lazarus, R. et al., Electronic Support for Public Health–Vaccine Adverse Event Reporting System, in: Digital Healthcare Research, 2011.
https://digital.ahrq.gov/sites/default/files/docs/publication/r18hs017045-lazarus-final-report-2011.pdf

〇米国でのコロナワクチンの接種後死亡数:
VAERSによると2023年3月10日時点で3万4517人
「死亡」2.29%は、ファイザーの機密資料の「2.9%」に近い
https://www.medalerts.org/vaersdb/findfield.php?TABLE=ON&GROUP1=CAT&EVENTS=ON&VAX=COVID19

〇1%は極端に思われるかもしれないが、厚労省の委員会でも、「一般的にこのような副作用報告、副反応報告というのは実際に生じた事例の一部しか報告されないというのが常」「もしかすると10倍ぐらい高い可能性も視野に入れておかなければいけないのではないか」という委員の発言(佐藤嗣道氏)「第4回 医薬品等行政評価・監視委員会 議事録」2021年6月28日
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19789.html

心理的には、大多数を占めると目されるワクチン推進派の医師が、接種後死亡を報告したがらないのは自然では?→「約2000件」も氷山の一角の可能性
統計に現れない「暗数」が莫大な規模で潜在している可能性

〇専門家による接種後死亡の因果関係審査の一翼を担う厚労省所管の独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA):極めて健康に生活してきた61歳の男性が、2回目接種から6日後に肺や脚に生じた膨大な血栓によって突然死した事例で、解剖した医師が原死因は「新型コロナワクチン接種」と明記しても、他の原因が完全に否定できないという理由で、書類審査だけで覆された(山岡淳一郎「ルポ 副反応 第2回 遺体は語る」、『世界』、岩波書店、2022年9月号、94-103頁)

←「医学診断では『病理解剖による診断が最終結論』であり、患者の診療や遺体の解剖に関与していない第三者が書類審査のみで病理診断結果を否定することはあり得ません」
(解剖経験も豊富な井上正康医師:『マスクを捨てよ、町へ出よう』、方丈社、2022年、14頁)

[既存の医学の常識に反した審査が行われている疑惑]

 山岡氏:PMDAは収入源の約8割を、製薬会社からの手数料や拠出金に依存
「人事面では厚労省薬系技官の『植民地』」

山岡淳一郎「コロナワクチン接種後死亡を追う 症例に評価を下す“審判役”のPMDAがワクチンと副反応の『因果関係』を認めない背景」、『日刊ゲンダイ』、2022年11月1日。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/313711

コメント:厚労省の政策の結果生じた接種後死亡評価の一端を担うPMDAは、本当に「独立」行政法人といえるか? 原発の規制当局だった旧原子力安全・保安院が、原発推進の中枢にあった経済産業省・資源エネルギー庁に置かれていたことと相似

〇政府側がこのように副反応認定に極めて消極的だからこそ、メディアが単にコロナワクチン接種後死亡数のみを単なる数字として報告するだけでは、十分なリスクコミュニケーションだといえないのでは(その数字の報告すら十分にしていない)

→インフォームドコンセントの権利が蹂躙、有効性・安全性ばかりが強調されて、接種への方向付けがなされる半ポスト真実的状況

〇ではどうすれば?→予防接種にも予防原則を
 因果関係が完全に立証されなくても、有害事象と接種の相関関係が数多く存在する時点で、より慎重な対応を
北欧諸国:まさに「予防的な措置」として、心筋炎などの恐れを重視して、30歳以下へのモデルナワクチンの接種を中止
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211008/k10013297041000.html

厳密な因果関係が立証されるのには時間がかかり、被害が発生してからでは遅い→「厳密なエビデンスはない」と従来方針のまま突き進むのではなく、早めに方針の再考を
政府が積極的に接種を推奨しているワクチンだからこそ、(潜在的)被害者の積極的救済も必要
現状の路線は、ほぼ全ての事例を「因果関係評価不能」で処理→製薬会社と推進派の利益に

[〇近藤誠医師が提案した次のような判定基準の導入を真剣に検討すべきだ:「①ワクチン接種後、1カ月以内に急死したケースは、ワクチンの副作用が原因だと「推定」する。②この推定を破る(覆す)には、「ワクチン以外の原因」で死亡したという証拠を(因果関係を否定しようとする側が)提出して立証する」(『こわいほどよくわかる 新型コロナとワクチンのひみつ』、ビジネス社、2021年、191、223頁)]。

〇接種後死亡の増加→2022年10月20日には、「繫ぐ会(ワクチン被害者遺族の会)」が結成、因果関係認定を求めて国に対する集団訴訟を検討
 https://567kyusai.com/meeting-to-connect/

→非常に重要な動きだが、主要メディアはほぼ沈黙または申し訳程度の消極的報道
→誰に有利に働くのか?

 

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本稿は、2023年4月15日に、東京唯物論研究会で行われた発表のレジュメを改稿したものです。[ ]内は発表後の補足です。実際の発表では、詳しく読まなかったところも多くあります。貴重な発表の機会をお与えいただき、転載に同意していただきました研究会の皆さまに感謝致します。なおこのレジュメを読まれて興味を持たれた方は、近刊の拙著『ウクライナ・コロナ報道に見るメディア危機』(本の泉社)もご参照ください。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784780722420

また、ご感想があれば、次のメールアドレスにお寄せください。
elpis_eleutheria@yahoo.co.jp

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嶋崎史崇 嶋崎史崇

しまざき・ふみたか 1984年生まれ。MLA+研究所研究員。東京大学文学部卒、同大学院人文社会系研究科修士課程(哲学専門分野)修了。ISF独立言論フォーラム会員。著書に『ウクライナ・ コロナワクチン報道にみるメディア危機』(本の泉社、2023年6月)。記事内容は全て私個人の見解。主な論文は、以下を参照。https://researchmap.jp/fshimazaki 記事へのご意見、ご感想は、以下までお寄せください。 mla-fshimazaki@alumni.u-tokyo.ac.jp

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