【連載】コロナ騒ぎ謎解き物語(寺島隆吉)

第19回 『中日新聞』批判 ─「反ワクチン」は偽情報!?④:ワクチン強制接種に抗議して立ち上がる看護師、 弁護士、現役兵士たち

寺島隆吉

私は中日新聞の記事を批判しつつ、前節で次のように書きました。

このように、調べれば調べるほど、アメリカにおけるワクチン実施の実態に恐怖させられます。しかし、調べてみると、イスラエルの実態は、もっと恐るべきものでした。

それについても書きたいのですが、分量もかなりになりましたし、私も疲れてきましたので、この続きは明日にさせてください。

ところが夜、ベッドに寝ているとき、イスラエルの実態をお知らせする前に、アメリカとイギリスの実態について書き残したことがあることに気づきました。

というのは、 「子どもへのワクチン接種を拒否してロンドンで抗議行動」があったこと

については前々節で紹介しましたが、実はイギリスのワクチン諮問委員会(JCVI)は12歳から15歳の健康な子どもたちへのワクチン接種を拒否していたからです。

(1)UK’s vaccine advisory body REFUSES to approve Covid jabs for healthy 12- to 15-year-olds(3 Sep, 2021)
(英国のワクチン諮問機関が、健康な12歳から15歳の子どもへのCOVIDの接種を承認せず)
https://www.rt.com/uk/533886-jcvi-refuses-covid-vaccines-british-youth/

イギリスのJCVI(ワクチン予防接種合同委員会)は、 「mRNAワクチンは、若い世代が接種できる唯一のワクチンだが、心臓の炎症である心筋炎などのまれな副作用が懸念される」と指摘しているのです。

そしてさらに「12〜15歳の年齢層で入院した子どもの大半は基礎疾患を抱えていた」ことを強調しています。つまり、 「この年齢の健康な子どもにCOVID-19ワクチンを接種することによる健康上の利益は、潜在的な害よりも小さい」というわけです。

このようにイギリスでは子どもへのワクチン接種を拒否する動きは大きくなりつつあるわけですが、ワクチン接種を拒否しているのは子どもに限りません。それは介護福祉士にも及んでいることは先にも紹介したとおりです。

(2)UK care workers leave industry en masse after being told to get vax or quit, with unions begging govt to reconsider policy「イギリスの介護福祉士が『ワクチンか辞職か』との選択を迫られて大量辞職。組合は政府に政策の見直しを要請」( 『翻訳NEWS』2021-09-09)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-655.html

このままでは介護業界は崩壊すると、組合も経営者も政府に「強制接種の見直し」を要求しているのです。退職する介護福祉士の言い分は次の通りでした。

「11月11日に施行されるワクチン接種の義務化から逃れたい」

「危険なワクチンを受けてストレスの多い仕事をするくらいなら辞職したい」

「まだワクチン接種が義務化されていない他の職種や、30%の給料アップやその他の有利な条件を提示しているアマゾンなどの企業で働きたい」

アマゾンと言えば搾取的労働で有名な企業ですが、介護労働の仕事場は、それよりも遥かにキツいということでしょう。このまま行くと日本も同じ轍を踏むことになりかねません。

以上が前節で書きそびれたイギリスの状況ですが、次に述べるのは前々節で書きそびれたアメリカの状況です。

というのは、前節ではアメリカにおける子どもへのワクチン接種に焦点を当てたので、大人の実態を十分に説明できなかったからです。

ところがアメリカでは大人へのワクチン接種をめぐっても大きな抗議の声が起きているのです。その典型例が現役兵士のワクチン接種「義務化」をめぐる提訴でしょう。

(3)軍人の家族の半数以上はCOVIDワクチンをうちたがっていない──法的には国防総省(ペンタゴン)はワクチンの強制接種をさせることはできない( 『翻訳NEWS』20210-03-06)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-525.html

(4)Military Service Members with Natural Immunity File Lawsuit Against DOD, FDA,HHS over COVID Vaccine Mandate(COVIDワクチンの義務化をめぐって、自然免疫を持つ軍人がDOD、FDA、HHSを提訴)(2021/09/02)
https://www.globalresearch.ca/military-service-members-natural-immunity-file-lawsuit-against-dod-FDA-hhs-covid-vaccine-mandate/5754725

この(4)の記事は、現役軍人2名が8月17日、22万人の現役軍人を代表して、国防総省(DOD)、食品医薬品局(FDA)、保健福祉省(HHS)を相手取って訴訟を起こしたものです。

彼らは「COVIDに感染し、SARS-CoV-2に対する自然免疫を獲得したにも関わらず、COVIDワクチンの接種を強制されている」と主張しています。

この訴訟によると、軍の既存の法令は、原告が求める陸軍規則40-562(AR 40-562)に基づく免除を明確に規定しています。

陸軍規則40-562
「感染症から生き延びたことを証明する書類を提出した生存者に対して、感染症から生き延びた結果として獲得した自然免疫を理由に、ワクチン接種を推定的に医学的に免除する」

ところが保健福祉省(HHS)は同日、全軍にワクチン接種を義務付けるメモを発行し、その中で「たとえCOVID-19に感染したことがあり抗体を持つ者でもワクチン接種を免除しない」と書いています。

つまり、HHSは、国防総省(DOD)・食品医薬品局(FDA)やアメリカ疾病管理予防センター(CDC)と一体になって、ワクチンならざる「遺伝子組み換えワクチン」をごり押ししようとしているわけです。

他方、原告団は、陸軍規則と医学根拠をもとに次のように主張しました。

 

我々はインフォームドコンセントという成文化され保障された基本的な権利を保有している。

自然免疫を持つ人々に脅威を与えないウイルスに対して、不本意な接種=望まない物質が体内に侵入することから解放される権利がある。

自然免疫を持つ人々に強制的に遺伝子組み換えワクチンを接種することは、何の利益ももたらさず、重大かつ回復不能な身体的損害および/または死をもたらす

 

これを支持する意見は医学会からも出ています。たとえば医療分野で有名なジョンズ・ホプキンス大学の教授であるマーティ・マカリ博士
(Marty Makary)も、次のように声を上げています。

(5)Physician Speaks Out Against ‘Vaccine Mandates for All’─ Especially Children and Those with Natural Immunity(医学者も「ワクチンの全員強制」に反対している──特に子どもと自然免疫をもつ者には無用だ)
https://www.globalresearch.ca/physician-speaks-out-against-vaccine-mandates-all-especially-children-those-natural-immunity/5752563

これは8月の発言ですが、しかし調べてみると、マカリ博士は、すでに6月の時点で同趣旨の発言をしていたのです。

(6)Johns Hopkins Prof: ‘One of the Biggest Failures of Our Current Medical Leadership Is Ignoring Natural Immunity’「ジョンズ・ホプキンス大学の教授は主張する『現在の医学界のリーダーシップの最大の失敗の一つは、自然免疫を無視していることである』 」( 『翻訳NEWS』2021-06-29)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-606.html

これを読むと、自然免疫を無視して危険な「mRNAワクチン」に突進している政府の言動に対する博士の苛立ち・危機感が伝わってくるようです。マカリ博士は、すでに6月の時点で次のように言っていました。

 

この自然抗体は非常に役に立つものだ。ワクチンで得られる抗体よりも自然抗体のほうが効果がある、というデータがある。というのも自然抗体のほうが長期にわたり効果が見込まれるからだ。

しかも、ワクチンは、そのワクチンが守るとされている当該ウイルスから私たちを保護してくれるという保証はない。試用段階にある現行のCOVIDワクチンが無数の健康問題を引き起こしている。例を挙げれば命に関わる血栓の発生などだ。

しかしその健康問題に加えて、 「完全なワクチン接種をした」としても、感染を防げるのかということについては、はっきりとはわかっていない。

 

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寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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