【連載】コロナ騒ぎ謎解き物語(寺島隆吉)

第20回『中日新聞』批判 ─「反ワクチン」は偽情報!?⑤:元アメリカ財務次官ポール・クレイグ・ロバーツ の警告

寺島隆吉

少し話がそれてきたので、イスラエルにおけるワクチンをめぐる惨劇に話を戻します。

そこで紹介するのがコホルマイヤ(Kohlmayer)氏による次の論考です。

(4)Recognizing the Obvious: Hard Data from Israel Reveals Vaccine Failure(6 Sep, 2021)「明白なものを認めること:イスラエル発の信頼できるデータは、ワクチンが失敗であることを明らかにしている」( 『翻訳NEWS』2021-10-07)

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現在、イスラエルは世界で最もワクチン接種率の高い国のひとつであり、上の表が示すように成人人口の 80%以上が二度の接種を受けています。このようにワクチン接種率が高い国であれば、コロナが制御されているのではないかと期待されます。

パンデミックを終息させるにはワクチンが必要だと言われていたし、ファイザー社の初期の報告では、最大
98%の効果があるとされていたので、イスラエルは今日、素晴らしい位置にいるはずでした。

しかし現実は、期待とは全く逆のものでした。この論考の著者コホルマイヤ氏は、それを次のように述べています。

エルサレムにあるヘルツォーク病院の院長、コビ・ハヴィヴ医師によると、同病院では完全にワクチンを接種した人が入院患者の85〜90%を占めているという。

イスラエルの人口のうち、完全にワクチンを接種している人がその割合以下であることを考えると、ワクチンを接種しても病気にかかるのを防ぐことができないばかりか、むしろ重篤なコロナ患者になる可能性が高くなると考えられる。

また、イスラエルの数字では、ワクチンを接種した人は、感染によって自然な抗体を獲得した人に比べて、症状のあるコロナに罹患する可能性が27倍も高いことが示されている。

このように、イスラエルで行われているワクチン接種は、成功したというよりも、大失敗したといえる。これが、目の前にある確かなデータから得られた避けられない結論である。

コホルマイヤ氏は、この現実にたいしてダメ押しをするかのように次のような事実を読者に突きつけています。

さらに、これらの「mRNAワクチン」は単に効果がないだけではない。世界各地から重篤な副作用や傷害の報告が相次いでいる。

イスラエルの医療専門家からなる市民団体、IPC(Israeli People’s Committee)が発表した報告書によると、ファイザー社/バイオンテック社のワクチンは、人体のほぼすべての器官にダメージを与える可能性があるという。

IPCは、中央統計局とイスラエル保健省のデータを基に、ワクチン接種者の死亡率は約1対5,000であると推定している。つまり、1,000人以上のイスラエル国民が、ワクチンのために不必要に死亡したことになる。

そしてコホルマイヤ氏は、このかなしい現実を目の前にして、次のように結論づけています。このような事実を中日新聞の記者はどのように受け止めるのでしょうか。

しかし、ほとんどの人は、この明白な真実を見ることができない。なぜなら、ワクチンがパンデミックから抜け出す方法だと洗脳されているからだ。

ワクチンのプロパガンダを行う人々は、被害者に「認知的不協和」を引き起こすことができたのだ。

犠牲者たちが、この大惨事を引き起こした企業や人々の製造した「ブースター」を求めて長蛇の列を作っているのを見ると、悲しく、不安になる。

18カ月に及ぶ絶え間ない恐怖政治とプロパガンダの結果、彼らの認知能力は目の前の情報を論理的に理解できないほど損なわれてしまったのだ。

しかし中日新聞の記者もアメリカ中で渦巻いている「ワクチンのプロパガンダ」によって、 「認知的不協和」に陥れられたのかも知れません。先に紹介したロバーツ博士も、その論考で次のように述べていましたから。

ファウチや、ワレンスキーや、米国の愚かなメディアたちはただ、 「ワクチンを打っていない人がパンデミックを引き起こしている」と繰り返しているだけだ。

国民の多くがワクチンを打った国々で惨事が起きていることなど、目に入っていないかのようだ。

「米国の記者たちは、自分が何者なのかさえ示せないほど愚かなのだろうか?それとも記者たちは、嘘をつくことで給料をもらっているのだろうか?」

いま問うべきことは、以下のことだ。

私たちはファウチやワレンスキーがワクチン業者が得た利益からおこぼれをちょうだいしていることは分かっている。この利益相反関係がなぜか世間では論じられない。なぜファウチやワレンスキーが起訴されないのだろうか?

実際、すべての情報は検閲を受け、表に出ないよう抑えられ、開かれた議論の対象とはなっていない。そうすることが、 「ソーシャルメディア」の役割なのだ。CNNもNPR(全米公共放送)もニューヨークタイムズもワシントンポストもその他諸々の御用メディアも。

だから、中日新聞の記事が〈アメリカ「反ワクチン」後悔の声〉という見出しで次のように書いたのも無理はなかったのかも知れません。

8月21日にはテネシー州の保守系ラジオ司会者フィル・バレンタイン氏(61)が1カ月の闘病の末に死亡。昨年末には「私がコロナで死ぬ確率は1%もない」と豪語していたが入院後は「積極的にワクチンに賛成しなかったことを後悔している」と述べていた。

しかし、この記事には根本的な欠陥があります。その第一は、このバレンタイン氏の入院が本当にコロナウイルスによるものなのか、何の証拠もないからです。なぜならコロナ死の大半が持病もちであったことが、これまでの研究で明らかになっているからです。

つまり持病で死んだかコロナで死んだかは解剖してみないと分からないからです。ところが、この記事はその点を検証していません。WHOは「PCR検査で陽性だったなら死因が何であってもコロナ死としてよい」と言っているのですから、なおさらのことです。

それどころかWHOは「解剖するな」ととんでもない通達を世界に出しているのですから、なおさらのことです。ブルガリア病理学会会長アレクソフ博士は、 「解剖するな」と言われたときの戸惑いと嘆きを次のインタビューで語っています。

(4)コロナで死んだ人はいない:ストイヤン・アレクソフ博士(ブルガリア病理学会会長)へのインタビュー( 『翻訳NEWS』2021-08-16)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-642.html

この中日新聞の記事の第二の欠陥は、バレンタイン氏の入院が一歩譲ってコロナウイルスによるものであったとしても、死因はコロナウイルスであるとは限らないということです。

というのは投薬ミス・治療ミスであった可能性もあるからです。たとえば気管挿管で死ぬということも珍しくないからです。

コロナウイルスで入院させられると、まず第一に行われるのが気管挿管ですが、COVID‐19という病気を治療するためのものが逆に死を招く場合もあるのです。たとえば、フランスの研究では次のような結果が報告されています。

モンペリエ大学のDe Jongらは、同国64施設ICUからの前向データを元に、ICU挿管中の心停止の発生率・リスク因子・死亡率を調査した(n=1,847)。

49件(2.7%)の心停止が発生し、うち14件(28.6%)は自己心拍が再開しなかった。
https://www.medicalonline.jp/news.php?t=review&m=emergency&date=201804&file=20180427-Crit_Care_Med-46-532-E.csv

 

私も昨年(2020年10月末)、 「ヒートショック」のため救急車で岐阜大学病院に運ばれ、いきなり気管挿管されてしまいました。

COVID‐19と「ヒートショック」を間違えて、インフォームドコンセントなしで、いきなり気管挿管することそのものが、まず問題ですが、私の場合、家人の強い抗議の末、やっと3日後に気管挿管から解放されました。

もしこのまま気管挿管されていたら私も殺されていたかも知れないのです。ですから、中日新聞の記事の書き方は、 「反ワクチンが死を招いた」とするアメリカ世論に押された、予断と偏見にもとづくもの思わざるを得ません。

ただし、バレンタイ氏が入院後は「積極的にワクチンに賛成しなかったことを後悔している」と述べていたのが事実だとすれば、中日新聞の記者が「反ワクチンが死を招いた」と書いたのも、無理からぬことだったとも言えます。

しかし同時に、そのことがこの記事の第三の欠陥につながります。

というのは、この記事は当時のアメリカで、ワクチンでは治らないCOVID‐19に見切りをつけて、庶民が必死に求めていたイベルメクチンについて、一言も触れていないからです。

(5)イベルメクチン。COVIDを駆逐した医薬品( 『翻訳NEWS』2021-07-15)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-category-86.html

私の主宰する研究所が運営しているサイト『翻訳NEWS』に載せられた上の記事は、ニューヨーク州バッファロー市に住む老婦人ジュディ・スマントケビッチ(80歳)がコロナで重症となり、苦闘のすえ、イベルメクチンにたどり着くまでの経過を、感動的な筆致で描いたものです。

彼女はイベルメクチンにたどり着くまで裁判闘争まで行わなければなりませんでした。それでも、やっとバージニア州ノーフォーク市のポール・マリク医師(63歳)に出会うことができ、イベルメクチンのおかげで一命を取り留めたのでした。

そしてマリク医師らがつくった団体が「コロナウイルス緊急治療最前線医師の会(FLCCC)アライアンス」(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)でした。

マリク医師たちはアメリカ政府やCDC(アメリカ疾病管理予防センター)を相手に、コロナ患者を救うために全精力を尽くして闘い続けたわけですが、この感動的な物語をニューヨークタイムズのベストセラー作家だったマイケル・カプッツオが描いたのが、上記の記事でした。

しかし、このイベルメクチンについて、中日新聞の記者も保守系ラジオ司会者フィル・バレンタイン氏も知らなかったとすれば、実に奇妙な話です。新聞記者だったりラジオ司会者だったりすれば、ジャーナリストの一角にいたわけですから、いろいろな情報を集めやすい立場にいたはずだからです。

バレンタイン氏は、昨年末には「私がコロナで死ぬ確率は1%もない」と豪語していたのだとすれば、イベルメクチンについて知っていてもよさそうに思うのですが、氏もそれを知らなかったすれば、ジャーナリスト失格と言うべきかも知れません。

知っていれば、彼も救われたかも知れないのに実に残念と言わざるを得ません。

それはともかく、最近のアメリカでは、巨大製薬会社とWHOやCDCの意向を受けて、大手メディアによる「イベルメクチン叩き」が激しくなってきています。

イベルメクチンの効果を良しとするものに対してツイッターやフェイスブックの使用を停止する動きも出ているようです。

先日、東京医師会の記者会見がおこなわれ、 「日本でも、イベルメクチンの効果を現場医師が積極的に試すべきではないか」という発言をしたのですが、2〜3日後に、その動画は削除されて見られなくなりました。

イベルメクチンの効果は科学的検証に委ねるべきもので、金力や権力がその真偽を決めるべきではありません。これでは先述したとおり、 「教会権力が科学の真偽を決めた」 「ガリレオの時代」に逆戻りです。

そのうえ、大村智博士と一緒にイベルメクチンを開発したはずのメルク社までも、イベルメクチンの効果を攻撃するようになりました。自社が開発した新薬の利益を守るためだと思わざるを得ません。

中日新聞までも、このような動きに加担するとなれば、 「悲しみの一語」と言わざるを得ません。日本が世界に誇るべきイベルメクチンを、日本のメディアや日本の科学者が守らないで、どこが守れるのでしょうか。

〈追記〉

WHOやCDCがイベルメクチンを攻撃する根拠は、 「イベルメクチンの効果と安全性は二重盲検法で実証されていない」というものです。

が、それを言うなら、 「mRNAワクチンも同じでしょう」と反論したいものです。まさに「天に唾する行為」と言うべきでしょう。

しかし実に興味深いのは、遺伝子組み換えワクチンで未曾有の災害に見舞われているイスラエルで、最近、次のような研究が発表されたことです。

*‘For $1/Day’…… Double-Blind Ivermectin Study Reveals COVID Patients Recover More
Quickly, Are Less Infectious (by Tyler Durden, 05 Aug 2021)
「イベルメクチン:1錠1ドル以下で購入できるイベルメクチンを服用すれば、COVID‐19からの早い回復と、感染力の減退の効果があることが二重盲検法で確認された」( 『翻訳NEWS』2021-09-14)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-category-86.html

これは、テルハショマーにあるシェバ医療センター「旅行医学・熱帯病センター」の創設者であるエリ・シュワルツ教授が行った研究です。このような研究がイスラエルで行われたという事実を、私は重視したいと思います。

(寺島隆吉著『コロナ騒ぎ謎解き物語2—[メディア批判]赤旗から朝日まで 私たちはガリレオ時代に戻ってしまうのだろうか』の第2章5節から転載)

 

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寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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