【連載】コロナ騒ぎ謎解き物語(寺島隆吉)

第20回『中日新聞』批判 ─「反ワクチン」は偽情報!?⑤:元アメリカ財務次官ポール・クレイグ・ロバーツ の警告

寺島隆吉

前節では、中日新聞がワクチンによる死傷者については一言も述べず、単に「感染が再拡大している」 「米『反ワクチン』後悔の声」という大見出しになっていることを批判しつつ、次のような記事や研究があることをだけを紹介して結びとしました。

次の(1)によれば、 「全米内科医・外科医協会(AAPS)」がインターネットで調査したところ、全米の700人の内科医のうちほぼ6割が、COVIDワクチンを「完全接種」していないことが分かったのです。

(1)Majority of US Physicians Decline COVID Shots, According to Survey「米国の内科医の大多数はCOVIDワクチン接種を拒否」( 『翻訳NEWS』2021-08-03)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-631.html

次の(2)は、8月10日付けで権威あるThe Lancet誌に掲載された名門オックスフォード大学の臨床研究グループによる研究です。

(2)Transmission of SARS-CoV-2 Delta Variant Among Vaccinated Healthcare Workers,Vietnam(予防接種を受けたベトナムの医療従事者におけるSARS-CoV-2デルタ変異体の伝染)
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3897733

この研究では、 「古い株と比べて、ブレイクスルー感染(ワクチン接種後の感染)によるデルタ変異株のウイルス量は251倍だった」 「ワクチン接種したら、感染が予防されるどころか、むしろ医療従事者におけるウイルス量が増大した」と述べて、 「ワクチンそのものが医療労働者にとって、未接種の患者や同僚を守るどころか、脅威になっている」ことを示していました。

この一事をみても、中日新聞の「米『反ワクチン』後悔の声」という記事がいかに根拠のないものであるかが、分かっていただけるのではないでしょうか。

しかし、ワクチンに対する疑問をもっているのは英米の医療労働者だけではありませんでした。というのはワクチンの効果に大きな疑問をいだかせる事象が、ワクチン接種の最先端を走っている」と豪語していたイスラエルに起きていたからです。

以下に、そのことを示す二つの論考を紹介します。

イスラエルの惨状を示す記事は幾つも手元にあるのですが、ここでは二つだけに絞らせていただきます。

まず最初は元アメリカ財務次官だったポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts:経済学博士)の論考です。

(3)The Powerful Case Against COVID mRNA Vaccine「mRNAワクチンの効果に関する強力な反証」( 『翻訳NEWS』2021-09-15)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-656.html

このGlobal Research(2021-09-07)に載った論考で、ロバーツ博士は次のように言っています。

 

国民の多くがワクチンを接種した国々で、COVIDの新規感染者数が大幅に増加している。例えばイスラエルの接種率は84%で、アイスランドは95%で、ジブラルタルは99%だ。

 

このような国々で感染が拡大しているということは、 「mRNAワクチンはCOVIDの感染を防ぐものではない」ことを明らかにしている。

6月1日以降、ジブラルタルは国民の99%がワクチン接種を済ませている。その結果、1日の感染者数が25倍増しになっているのだ。

ワクチンに効果がないのに、なぜワクチンの強制接種や、COVIDパスポートが推し進められているのだろうか?

人々の健康にとって何の意味もないことなのに。

さらにロバーツ博士は、 「巨大製薬業界の宣伝部隊」の発言として、ファウチ(NIAID:国立アレルギー感染症研究所所長)やワレンスキー(CDC:アメリカ疾病予防管理センター長)が「ワクチンを打っていない人がパンデミックを引き起こしている」と言っていることを非難していますが、これは日本の厚労省発言とそっくり同じではありませんか。

このような発言に対するロバーツ博士の意見は次のようなものでした。

ファウチが「ワクチン」(本当のところこれはワクチンではない)が失敗した打開策として打
ち出しているのが、ワクチン接種の回数を増やすことだ。

ファウチは、ワクチンを打つ回数を増やす必要があると述べ、COVIDを食い止めるためには5~8カ月ごとにワクチンを打つべきだと言っている。つまりは、巨大製薬業界は永遠に利を得られる、ということだ。

さらにロバーツ博士は、 「しかしmRNAワクチンの失敗というのは、 『感染を防げない』というだけの簡単な問題ではない。ワクチン自体が以下の3点を招いているからだ」として、次のように指摘しています。

①mRNAワクチンが、COVIDの症状と同じ病気や死を引き起こしている。
②この遺伝子組み換えワクチンが免疫系を突破できる変異体を作り出している。
③ワクチン接種者はワクチン非接種者に病気をうつす危険性があり、危険な存在となっいる。

以上のことはワクチンの副反応をまとめた報告が、多数の死を招き障害を引き起こしていることを示していることを見れば明らからだ。

つまり、多くの国民がワクチンを接種した国々で、いわゆる「ブレークスルー感染」が大規模に発生しているが、その原因はワクチン接種にある、ということだ。

人々にワクチン接種を続ければ、死や障害を受ける危険性は高まり、全体主義的な政策が逆効果となり、社会の崩壊を招くだろう。

これが、世界トップの科学者や医学の権威者たちが出している結論だ。

いま日本でも「新しい変異株」なるものが宣伝され「一刻も早くワクチンを打て」と言わんばかりの宣伝がなされていますが、ロバーツ博士は「上記の3つが、多数のトップの科学者や医学の権威者たちが出している結論」とも言っています。

ここでは、その「多数のトップの科学者や医学の権威者たちが出している結論」の根拠を詳述するゆとりはありませんが、それらは次の『翻訳NEWS』のサイトを検索していただければ多くの文献を見つけることができます。
http://tmmethod.blog.fc2.com/

 

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寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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