【連載】コロナ騒ぎ謎解き物語(寺島隆吉)

第22回 『朝日新聞』批判 ─イベルメクチンは有害・無益 !?②:インドのウッタル・ブラデシュ州が示したこと

寺島隆吉

前節で私は次のように書きました。

インドにおけるイベルメクチンの効果については、アメリカの研究者も、自分の国と比較しながら言及しているので、もう一度、稿を改めて紹介したいと思います。

上で「アメリカの研究者」と書いたのは、ケンブリッジ大学に拠点を置くデータ分析家フアン・チェイミー氏(Juan Chamie)のことで、本節冒頭のグラフは下記の論文から引用したものです。

*India’s Ivermectin Blackout(By Justus R. Hope, MD, Sep 8, 2021)「インドにおけるイベルメクチン効果が、世界中で報道管制」( 『翻訳NEWS』2021-08-29)http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-647.html

この論文を書いたジャスタス・R・ホープ博士(Justus R. Hope)は、35年以上にわたり医療に携わり、北カリフォルニアで個人開業しています。

カリフォルニア大学デービス校メディカルセンターの家庭医部門と理学療法・リハビリテーション部門で教鞭をとったあと開業しました。

そのホープ博士は、このインドのウッタル・ブラデシュ州におけるコロナ感染者の様子をグラフにしたフアン・チェイミー氏について次のように説明しています。

ケンブリッジ大学に拠点を置くデータ分析家フアン・チェイミー氏に感謝の意を伝えたい。チェイミー氏はJHCSSE(ジョンズ・ホプキンス大学システム科学技術センター)のデータをもとにこのグラフを作成してくれた。

それはともかく、ウッタル・プラデシュ州は人口2億4,100万人。アメリカの人口は3億3,100万人なので、人口規模からいくと同州はアメリカの3分の2にあたります。

さて冒頭の最初に示したグラフで、このグラフについてホープ博士は次のように説明しています。

このデータにより、イベルメクチンがCOVID-19の症例数と死者数をどう駆逐したかが明らかになる。具体的には、数週間のうちでほとんどゼロに抑え込んだのだ。

米国の人口に置き換えれば、1日3万5,000の症例者数と350の死者数が、イベルメクチンを治療に使用した後に、ほとんどゼロになったということだ。

したがって、このグラフだけでもイベルメクチンの劇的効果は明らかです。

イベルメクチンがCOVID -19の症例数と死者数をどう駆逐したか

 

いったい朝日新聞(2021-09-19)の記事は何を調べて書かれたものでしょうか。これだけ症例数と死者数が激減しているのに「明確な要因不明」とは何を意味するのでしょうか。

しかし、このグラフだけでは納得しがたい人のために、フアン・チェイミー氏は、もう1つのグラフを用意しました。以下それについて説明します。

次の2つのグラフは、先のものと同様に、棒グラフは症例数、曲線グラフは死者数を示しています(ただし、右側の縦軸に死者数があるのですが、この画像では、それが欠けています)。

また上のグラフがインド(ウッタル・プラデシュ州)、下のグラフがアメリカです。この両者を比較して、ホープ博士はイベルメクチンの劇的効果を次のように説明しています。

 

上のグラフは米国の現状を表している。8月5日には、栄光のワクチンをひっさげた古き良き米国において、1日の新規症例数が12万7,108件で、死亡者は574名になっている。

他方、米国の3分の2の人口を持つウッタル・プラデシュ州の8月5日の数値を見てみよう。イベルメクチンを導入した同州においては、新規症例数は26件で、死者数はたったの3名だ。

イベルメクチンを使用していない米国は、1日の症例数がイベルメクチンを導入したウッタル・プラデシュ州の4,889倍で、死者数は191倍多い。

したがって、このグラフでイベルメクチンの劇的効果はますます明らかです。いったい朝日新聞の記事は何を調べて書かれたものか、改めて質問したくなります。

しかし、ホープ博士は追い打ちをかけるように、 「この数字でもまだ正確ではない。イベルメクチンを導入したウッタル・プラデシュ州とアメリカでは、効果の桁が違う」と言って、次のような数値をあげています。

イベルメクチンを導入したウッタル・プラデシュ州 1日の症例数:26
(人口2億4,000万、ワクチン完全接種率4.9%)1日の死者数:3

イベルメクチンを導入していないアメリカ1日の症例数:12万7,108
(人口3億3,100万、ワクチン完全接種率50.5%)1日の死者数:574

ホープ博士は上の違いを、 「移動手段に、自動車を使うか、馬や馬車を使うか位の違いがあると言っていいだろう」と実に巧みな比喩を使って説明しています。

何度も繰りかえすことになりますが、朝日新聞(2021-09-19)の記事は何を調べて書かれたものでしょうか。この記事を書いた記者は、どこから情報をもらったのでしょうか。自分で調べたのでしょうか。

さて、以上はイベルメクチンを導入したインド(ウッタル・プラデシュ州)とイベルメクチンを導入しなかったアメリカの比較でしたが、ではインドの内部でイベルメクチンを導入した州と導入しなかった州では、どのような違いが出たのでしょうか。

それをホープ博士は、イベルメクチンは使わず「効果に疑問が持たれているレムデシビルを使い、米国式の治療指針を取った」タミル・ナードゥ州を例にとって説明しています。

タミル・ナードゥ州は今でもイベルメクチンを使わないという選択肢を選んだことで苦しめられている。

その結果、デルタ株が市民を襲い続けている。イベルメクチンを使用している他の州では、事実上壊滅に成功しているというのに。

同様にイベルメクチンを使用していない米国は、ワクチン接種した人々も、接種していな人々も、デルタ株を山火事のように広げ続けている。

イベルメクチンを使用していないタミル・ナードゥ州1日の症例数:1,997
(880万、ワクチンの完全接種者は6.9%)、1日の死者数:33

念のために、この数値を先のウッタル・プラデシュ州と比べると次のようになります。

•タミル・ナードゥ州1日の症例数1,997、1日の死者数:33
• ウッタル・プラデシュ州1日の症例数:26、1日の死者数:3

これを見れば、ウッタル・プラデシュ州の死者数はタミル・ナードゥ州の10分の1、感染者数に至っては、100分の1(正確には77分の1)に近いことが分かります。

これでも朝日新聞は「明確な要因不明」と言い張るのでしょうか。

(寺島隆吉著『コロナ騒ぎ謎解き物語2—[メディア批判]赤旗から朝日まで 私たちはガリレオ時代に戻ってしまうのだろうか』の第3章第2節から転載)

 

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寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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