メールマガジン第69号:南西諸島軍事強化トピック(10月17日~23日)
ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会メルマガ琉球・沖縄通信◇中城湾港の演習 県に不許可要請 平和市民連絡会(琉球新報 2022.10.17)
◇日米演習 那覇に戦闘車 最大規模 離島民港も使用模索(琉球新報 2022.10.22)
◇地対艦ミサイル 県内で初の訓練 来月 日米の大規模演習(沖縄タイムス 2022.10.22)
恐ろしい現実が急速に進んでいる。既に沖縄、南西諸島は戦時態勢にあるのかもしれない。地元2紙は日米が11月に予定する「キーン・ソード23」共同統合演習を報じた。沖縄タイムス「『グレーゾーン事態』から『武力攻撃事態』への発展を想定」、「県内で初めて地対艦ミサイルが展開」。琉球新報「台頭する中国軍へのけん制を念頭に、米海兵隊が進める島しょ作戦『遠征前方基地作戦(EABO)』を踏まえた演習」であり、奄美や沖縄で「自衛隊の地対艦誘導弾と米軍の高機動ロケット砲システム(ハイマース)を展開」するという。
同演習の統合幕僚監部の報道発表資料、防衛局から県への説明資料のどこにも中国、台湾の文字はない。しかし演習が「台湾有事」への日米の共同対処の訓練であることは明白だ。「共同対処」とはつまり日米が「共に戦う」戦闘行動を意味する。共同通信石井暁記者がスクープした台湾有事「日米共同作戦計画」では、米軍が南西諸島に攻撃拠点を設け、「遠征前方基地作戦(EABO)」により米海兵隊が島々にハイマースの軍事拠点を設けて展開、自衛隊が支援する、と報じられた。米軍ハイマースだけでなく陸自地対艦ミサイルも加わり、さらに強化された「日米共同作戦」の実戦訓練にほかならないだろう。
日米の南西諸島ミサイル要塞化に詳しい軍事ジャーナリスト小西誠氏は「日米共同統合演習で初めて、与那国島ー沖縄を実戦場とする演習。従来は南西有事を想定した演習は、奄美までの薩南諸島が演習場だった。今回、沖縄を軸に行うというのは飛躍的に拡大している。いよいよ台湾有事を想定した演習が始まった」と見ている。これまで沖縄県民を刺激しないように奄美など遠隔地で重ねられた訓練が、いよいよ「南西有事」の実戦場である沖縄、周辺離島で実行されるというのである。
統合幕僚監部の報道発表資料には「主要訓練項目」として (1) 水陸両用作戦 (2) 陸上作戦 (3) 海上作戦 (4) 航空作戦 (5) 統合後方補給 (6) 特殊作戦 (7) 宇宙、サイバー及び電磁波に関する領域と従来の領域の連携ーとある。
「参加部隊」として、自衛隊の陸海空、サイバー、宇宙作戦群など網羅し、
米軍も「インド太平洋軍、太平洋陸軍、太平洋艦隊、太平洋空軍、太平洋海兵隊、在日米 軍、宇宙軍等」とまさに日米両軍の総力を結集する。
沖縄全域で行われる大規模な日米統合演習は、中国との戦争に備える総仕上げの演習ではないか。演習を許さない、沖縄の戦場化を許さない県民の取り組みが正念場を迎えている。
◇カナダ政府機 嘉手納に飛来 人員や物資輸送か(沖縄タイムス 2022.10.19)
◇嘉手納基地に外来機が飛来 ニュージーランド空軍(琉球新報 2022.10.21)
◇青森で低空飛行訓練 普天間所属オスプレイ(琉球新報 2022.10.18)
◇横田オスプレイ 嘉手納基地飛来 米空軍、飛行停止後初か(琉球新報 2022.10.22)
◇陸自 普天間で訓練へ 土地共同使用 日米が合意(沖縄タイムス 2022.10.22)
このところ米軍機だけでなく嘉手納基地などへのカナダ、ニュージーランドなど外来機の飛来が多い。これも台湾有事を巡る沖縄南西諸島の軍備強化の一環だろうか。ホワイトビーチへの米軍戦闘艦などの寄港も増えている。沖縄だけでなく青森で普天間所属オスプレイが低空飛行訓練し、横田のオスプレイが嘉手納に飛来するなど国内の行き来も多い。米軍基地の負担は日本本土にも広がっている。本土の「沖縄化」が進んでいるのである。「陸自第15旅団(那覇)が米軍普天間飛行場内で訓練を実施するため、一部土地の共同使用を日米で合意」の報道もあった。日米の軍事一体化が進む中で米軍、自衛隊基地の共同使用は沖縄だけなく本土にも及んでいくだろう。
「キーン・ソード23」日米統合演習の報道発表資料には「演習参加部隊」として自衛隊、米軍以外に、「その他一部の訓練に豪・加・英軍艦艇、豪・加軍航空機が参加予定」と記されている。また「その他」の項には「豪州、加国、仏国、印国、NZ、比国、韓国、英国及びNATOからオブザーバーも招へい予定」とも記している。
台湾を巡る中国との対決構図を日米のみならずヨーロッパ、NATO、アジアの国々にも広げ「中国包囲網」を形作ろうという意図なのか。米中の覇権争いに日本が巻き込まれ、「日本列島3千キロがアメリカを守る防波堤」(国際政治学者・羽場久美子氏)となり、その火中に沖縄、本土が置かれることにならないか。沖縄の戦争の危機は「対岸の火事」ではすまないだろう。「在日米軍総司令部のある横田は無関係と考えるのは虫がいい。中国はどう見ているだろうか」とダグラス・ラミス氏(ノーモア沖縄戦の会共同代表、国際政治学者)は指摘している。首都圏、本土の方々にも「自分事」として考えてほしい。
10月17日(月)http://nomore-okinawasen.org/3266/
中城湾港の演習 県に不許可要請 平和市民連絡会(琉球新報 2022.10.17)
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10月19日(水)http://nomore-okinawasen.org/3294/
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10月22日(土)http://nomore-okinawasen.org/3344/
日米演習 那覇に戦闘車 最大規模 離島民港も使用模索(琉球新報 2022.10.22)
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10月23日(日)http://nomore-okinawasen.org/3359/
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文責:新垣邦雄(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 発起人)
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「ノーモア沖縄戦の会」は「沖縄の島々がふたたび戦場になることに反対する」一点で結集する県民運動の会です。県民の命、未来の子どもたちの命を守る思いに保守や革新の立場の違いはありません。政治信条や政党支持の垣根を越えて県民の幅広い結集を呼び掛けます。