米国の不正選挙疑惑と社会の分断:映画『2000 Mules』、『ナヴァロ報告書』の分析と、『トランプ悪玉論』批判を中心に(下)
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5 バイデン親子のスキャンダルの真相と“悪玉”トランプ氏の別の顔
2000 Mulesもナヴァロ報告書も、日本の主要メディアは殆どまともに取り上げようとしない資料であると思われるが、本稿では中立的に分析することを試みた。いずれの資料もトランプ氏に近い人々によるものであり、その見方をそのまま事実、として受け入れるわけにはいかないだろう。けれども、いずれの資料も、米国の選挙制度の杜撰さと、少なくとも、かなり重大な疑惑が発生していることを示すものであると私は考える。理由はどうあれ問題であるのは、既に見たように、特にナヴァロ報告書が典拠として提示しているネット上の記事等の多くが、閲覧不可、故に私のような第三者による検証不可、となっていることだ。
そもそも米国の不正選挙疑惑について、トランプ氏側の見方を、多くの人々が“是々非々”で見ることができなくなっているのは、トランプ氏およびその敵対者たるバイデン氏についての情報流通が、非常に偏っているからではないか。
例えば、ニューヨーク・ポスト紙が大統領選直前の2020年10月14日に出した“Biden Secret E-Mails”という記事[1]。この記事では、当時副大統領だったバイデン氏を、息子のハンター氏が、ウクライナの資源会社ブリスマ(Burisma)の幹部に会わせる便宜を図ったことに対して感謝する2015年4月のメールが、ハンター氏が修理に預けたまま放置したノート型パソコンから暴露された。しかもその見返りとして、ハンター氏はエネルギー問題について何の知識もないのに、ブリスマ経営陣に加入し、月5万ドルの報酬を得たとされる。それ以外にも、この記事には、バイデン氏が外交関係評議会(Council on Foreign Relations)の2018年の会議で、この問題について捜査していたウクライナの検事総長ヴィクトル・ショーキン氏を、10億ドルのウクライナへの借款を中止するぞと脅して、退任に追い込んでやったと自慢した、という重大な情報が記載されている。バイデン氏のこの発言は、外交関係評議会の公式議事録にも記載されており、証拠映像も残っているので確かな事実であろう[2]。こういったウクライナの米国による“植民地化”を介した反ロシア化が、今日の戦争の背景にあることを知っておかねばならない[3]。
ところが米国の主要メディアやソーシャルメディア企業は、挙ってニューヨーク・ポストの報道は偽情報だと決めつけた。ツイッターやフェイスブックは一連の記事の拡散制限を行い、ツイッターはニューヨーク・ポストのアカウントの2週間停止にまで踏み切った[4]。さらに政治サイト・ポリティコは、51人の元CIA長官やNSA、DIAといった諜報機関の元幹部らが連名で書いた、ハンター・バイデン氏のメール報道はロシアによる介入・偽情報拡散である、という公開書簡を掲載した[5]。この書簡の見方に特に客観的根拠はなく、執筆者らの長年の経験に基づくものだった。にもかかわらず、主要メディアや民主党による偽情報扱いはこの書簡により益々勢いづき、偽情報説が既成事実化したまま大統領選を迎え、バイデン氏は見事な勝利を勝ち取った、とされている。
ところが2023年4月になってから、事態が大きく動いた。内国歳入庁(IRS)の職員から、ABCに対し、バイデン政権が、ハンター氏に対する脱税捜査を妨害している、といった内部告発があったのだ[6]。さらに5月には、下院法務委員会のハンター・バイデン事件に関する中間報告書が公開された[7]。この公式調査は、51人の諜報機関の元幹部らへの聞き取りを行い、それがバイデン候補の大統領当選を助けるための政治的な作戦だったことを認定した。当時バイデン陣営の選対幹部で、現国務長官のアントニー・ブリンケン氏が、元CIA幹部のマイケル・モレル氏に働きかけたことも、記述されている―ブリンケン氏は反論できなかったとのことだ[8]。この報告書では、National Intelligenceという別の情報機関の長官だったジョン・ラトクリフ氏のように、ハンター氏に関するニューヨーク・ポストの報道が、ロシアの偽情報作戦であるという見方の証拠は全くない、と最初から明言していた人物もいたことも、紹介されている(27頁以下)。
結論において報告書は、「検閲産業複合体」(censorship industrial complex)という印象的な概念を使い、党派的な「専門家」が、何が真であるかまでを決めてきた状況について、強い危惧を表明している(63頁)。既に指摘されているように、これはあたかも古典的ディストピア小説『1984年』の「真理省」的な振る舞いである、といえるだろう[9]。報告書も言及するように、元司法長官のウィリアム・バー氏のように、ニューヨーク・ポスト発のハンター氏のスキャンダル情報を根拠なくロシアの偽情報として貶めたことが、トランプ氏とバイデン氏の対決の帰趨に影響を与えただろう、といった意見が出てくるのは当然であろう[10]。実際に、Media Research Centerが2020年11月9~18日に行った調査では、調査対象者の16%が、一連のバイデン親子のスキャンダルを知っていたら、バイデン候補には投票しなかった、と答えている[11]。特にフェイスブックに関しては、経営者のマーク・ザッカーバーグ氏自身が、FBIとの連携の下、文字通りの検閲(投稿・拡散制限)をバイデン親子の疑惑に関して行っていたことを認めた。こうした捜査機関との連携が、有害なコンテンツに関する「任意」(voluntarily)の対応としての削除などについて事業者は免責される、という通信品位法第230条に照らしても違法ではないか、との渡辺惣樹氏による指摘は極めて重要だ[12]。
これがいわゆるバイデン親子のウクライナ疑惑の概要である。トランプ氏とロシアのプーチン大統領という二人の“悪玉”に対して、主要メディアと一部諜報関係者が架空の関連性を作り上げて、バイデン親子を擁護しようとした事件だったといえるだろう。残念ながら、日本の主要メディアでは、こうした経緯は十分詳細に報道されてこなかったといえよう。
2016年大統領選を巡り、ロシアの選挙介入と、トランプ氏の共謀が疑われた「ロシアゲート事件」についても、2023年5月に公開された「ダーラム報告書」により、共謀には根拠がなかったことが明らかになっている[13]。この報告書では、「トランプ氏の政治的な敵対者によって準備された、または(直接的・間接的に)根拠づけられた調査の導きへの顕著な信頼」(18頁)が問題視されている。
トランプ元大統領は、確かに型破りで粗野な人物であろう。けれども、自らも富豪であるため自己資金で選挙を闘った比率が高いため、軍産複合体や巨大財閥の影響を受けにくく、だからこそマスコミから異常な叩かれ方をする、という指摘は重要だ[14]。“America First”という方針は、単なる自国中心主義に見えるかもしれない。だが実は、ウクライナをはじめ世界中で介入・主権侵害行為を繰り返してきた「ネオコン」の対外政策や、過剰な自由貿易を否定し、内政を重視した「庶民」のための政治を行った、という側面もある。山中泉氏が引用している、民主党支持を明言する学者であるジョエル・コトキン氏によると、トランプ氏は2020年の大統領選で、民主党が従来支持基盤としてきた白人労働者層の4分の3を獲得した[15]。それだけでなく、「差別主義者」と見られがちだが、労働者が多い黒人やヒスパニックでも、16年に比べて得票を伸ばしたことが知られている[16]。このように、トランプ氏は民主党のみならず、RINO(Republican In Name Only)とも呼ばれる体制側の共和党政治家にとっても極めて都合の悪い人物であるため、実態以上に悪者扱いされてきたといえるだろう。
他方で、熱心なISF読者であれば、米国の主要メディア、およびその報道をほぼそのまま踏襲しているといえる日本の主要メディアとは別の見方も、知っているであろう。例えばISFの主要執筆者の一人である塩原俊彦氏が、2023年4月23日付の記事「米国のイラク侵攻20年が教える米エスタブリッシュメントの『悪』:それはウクライナ戦争へと続いている」で引用しているトランプ氏の演説の動画と、その翻訳をここにもう一度示しておこう。
「さらに、海外で自由と民主主義のために戦うふりをしながら、国内では第三世界の国や独裁国家に変えてしまう、終わりのない戦争に永久に引きずり込むグローバリストのネオコン・エスタブリッシュメント全体を解体することにも、完全にコミットしなければならない。国務省、国防官僚、諜報機関、その他すべてを完全に見直し、ディープスタッター(ディープステイト支持者)を解雇し、アメリカ第一主義を打ち出すために再構成する必要がある。私たちは米国を第一に考えなければならない」。
「最後に、NATOの目的とNATOの使命を根本的に見直すという、私の政権下で始めたプロセスを終わらせる必要がある。私たちの外交政策エスタブリッシュメントは、ロシアが最大の脅威であるという嘘に基づいて、世界を核武装したロシアとの紛争に引き込もうとし続けている。しかし、今日の西洋文明にとって最大の脅威はロシアではない。それはおそらく、何よりも私たち自身であり、私たちを代表する恐ろしい、米国を憎む人たちの一部なのだ」。
「これらのグローバリストは、アメリカの力、血、宝をすべて浪費し、海外で怪物や幻影を追い求め、ここ国内で彼らが作り出している大混乱から私たちの目を逸らさせようとしている。これらの勢力は、ロシアや中国が夢見た以上のダメージをアメリカに与えているのだ。病的で腐敗したエスタブリッシュメントを追い出すことは、次期大統領に課せられた途方もない課題である」[17]。
「不正選挙」への抗議として起こった2021年1月6日の議会「襲撃」事件についても、既存の報道とは全く違う真相が明らかになっている。木村朗ISF編集長と浜田和幸氏の23年4月19日の対談動画「アメリカ社会の分裂〜1月6日議会襲撃事件の真相をめぐって〜(後編)」では[18]、議会の監視カメラ映像の分析に基づき、大多数のデモ参加者らは極めて平和的であり、警官らはむしろ彼らを招き入れ、議事堂内を“案内”していたことが白日の下にさらされている。FOXニュースのタッカー・カールソン氏は、当該の映像を引用しつつ、確かに一定の暴力があったのは事実で決して望ましくないが、当日は警官に5人の死者が出た、という「公式見解」は誤り、と解説している[19]。こうした重要な映像が長らく公開されてこなかったこと自体が、一種の隠蔽工作とみなされても仕方がないのではないか。
さらに最近の情報で注目すべきは、トランプ氏が、珍しくいわば“宿敵”たるCNNの番組に招かれて、23年5月10日に行った次の発言だ[20]。司会者に、「あなたはウクライナに勝利してほしいのか」と問われ、トランプ氏は「私は勝ち負けといった観点で考えていない。私は(戦争を)終結させるといった観点で考えており、ロシア人とウクライナ人が死んでいくのを止めたいのだ」と答え、居並ぶ聴衆に喝采を浴びた。この番組でトランプ氏は、自分が大統領なら、この戦争は起こらなかっただろう、とも主張している。確かに副大統領時代から、2014年の「マイダン革命」への支援等のウクライナ介入を通じて、ロシアへの挑発を続けてきたバイデン政権下だからこそ、今次の戦争が誘発されている、ともいえるだろう。さらにトランプ氏は、自分が大統領なら、プーチン氏とゼレンスキー氏と交渉して、24時間以内に戦争を終わらせる、とも宣言している。CNNをはじめとする主要メディアは、ウクライナ支援を明言しないトランプ氏を当然のように批判的に見ている。しかし、副大統領時代から、自ら積極的に戦争の種をまき続け、開戦後も一向に停戦への努力をしようとしないのがバイデン大統領だ。この話題に限定するとだが、トランプ氏の方が米国という大国の指導者に相応しい側面があるのではないか、と考えるのは私だけだろうか。
トランプ氏の大統領時代のベネズエラやイランに対する政策が攻撃的なものだったことは、忘れてはならない[21]。しかし、ことにロシアと北朝鮮に対しては、大変融和的であり、後者に関しては、日本も緊張緩和という意味で、実質的に恩恵を受けたともいえるだろう。とりわけトランプ氏が、大型の戦争を起こさなかった大統領であることは、彼の“実績”としてもっと積極的に語られてしかるべきではないだろうか。そうならないのは、(特に米国の)言論界やメディアが、戦争を必要とする軍産複合体に暗黙のうちに支配されているからなのだろうか?
おわりに:分断を克服するためには、トランプ氏とその支持者らの主張も、是々非々・公平に見るべきだ
私が本稿で最も言いたいことは、プーチン大統領と同じく、トランプ氏や彼の支持者らのような、一見極端な人物達に対しても、是々非々、即ち公平に向き合うべきだ、ということだ。彼らのようなアウトサイダーだからこそ、社会の問題点を、エスタブリッシュメントへの忖度なく暴き出す、ということがありうる。近刊の拙著『ウクライナ・コロナワクチン報道にみるメディア危機』の第1章では、ウクライナでの戦争が引き起こされた理由を次のように分析した。即ち、プーチン氏や、2014年以来の内戦の被害者としての側面もあるドンバスのロシア系住民に対して、世界が是々非々で向き合わず、一概に“悪玉”扱い、またはその苦悩を黙殺して追い詰めたからだという観点を否定できない、との見方を提示した。それと類比して考えてみれば、今日の米国で「内乱状態」とも評されるほど分断が深刻になってきているのは[22]、トランプ氏やその支持者が単純に“悪玉”扱いされ、その声が真剣かつ公平に聴かれることがあまりに少ないから、ということが理由の一つとして考えられるのではないか。悲惨な戦争を防ぎ、破局的な社会的分断を克服するため、異質な他者の声に耳を傾け、主要メディアの報道からはこぼれ落ちがちな事実を直視することが、今こそ求められている。そのためには、本稿で扱ったような資料は、きっかけとして大いに役立ち得るといえる。こういったごく陳腐であろうが、一般の言論や報道では十分実践されているとは到底言い難い原則を確認することで、本稿を閉じることとしたい。
※この記事の原稿にコメントをいただいた鬼頭孝佳さんと、資料を紹介してくださった木村朗ISF編集長に感謝致します。なおご意見、ご感想は以下のメールアドレスにお願いします。
elpis_eleutheria@yahoo.co.jp
<注釈>
なお「植民地」という言葉は、ウクライナの野党政治家のヴィクトル・メドベチュク氏がオリヴァー・ストーン氏の『リヴィーリング・ウクライナ』の中で使っていたものである。嶋崎史崇「評論「映画に学ぶウクライナ侵攻の前史―特に『ウクライナ・オン・ファイヤー』と『リヴィーリング・ウクライナ』を巡って」(2)」、2023年5月13日。https://isfweb.org/post-20602/
[2] Foreign Affairs Issue Launch with Former Vice President Joe Biden. Tuesday, January 23, 2018. (このサイト内で、prosecutorで検索)
日本語字幕付きの動画もある。https://www.youtube.com/watch?v=lk9r-d8toko
[3] しかも2022年になってから、ウクライナだけでなく、ハンター氏は中国のエネルギー企業CEFCとも不透明な取引を行い、利益の10%を”big guy”と称されたバイデン氏に還元する約束をした、といったメールまでニューヨーク・ポストにより暴露されている。
Hunter Biden’s biz partner called Joe Biden ‘the Big Guy’ in panicked message after Post’s laptop story.2022年7月27日。
[4] 一連の経緯は、渡辺惣樹『ネオコンの残党との最終戦争』ビジネス社、2023年、17頁以下と、山中泉『「アメリカ」の終わり』2021年、190頁以下で詳しくまとめられている。ツイッターのアカウント停止事件については、例えば以下の記事を参照。
Washington Examiner: Twitter locks out New York Post from account after publishing Hunter Biden story, reporter from outlet says. 2020年10月14日。
[5] Hunter Biden story is Russian disinfo, dozens of former intel officials say.2020年10月19日公開。
この記事に添付された書簡は、次のものである。
リンクはこちら
[6] ABC:IRS whistleblower has told Congress that Hunter Biden probe is being mishandled.2023年4月21日。
[7] THE HUNTER BIDEN STATEMENT: HOW SENIOR INTELLIGENCE COMMUNITY OFFICIALS AND THE BIDEN CAMPAIGN WORKED TO MISLEAD AMERICAN VOTERS.
[8] 同報告書1-5頁のExecutive Summaryから読み取れる。
[9] IWJが、「ツイッター・ファイル」に関するマット・タイビ氏らを招いた米下院公聴会の映像を基にして、「コンテント・モデレーション」を行う「検閲産業複合体」に注目し、それを「真理省」になぞらえている。
日刊IWJガイド・会員版:「SNSおよびネット上で市民やジャーナリストを監視する検閲産業複合体の存在を、2人のジャーナリストが暴露! ケネディ・Jr.氏も言及!2023.5.16号~No.3897号」
とりわけバイデン陣営と、イーロン・マスク氏就任以前のツイッター社が密接な関係にあり、ハンター・バイデン氏関連の情報を抑圧してきたことを示すツイッター・ファイルについては、マット・タイビ氏のツイッターで閲覧できる。
リンクはこちら
[10] Washington Examiner: Barr says Hunter Biden Russian disinformation claims ‘probably affected’ election outcome.2022年3月22日。
[11] MRC:Biden Voter Messaging Survey Analysis, p.9.
https://cdn.mrc.org/TPC-MRC+Biden+Voter+Messaging+Survey+Analysis+Nov+2020_final.pdf
[12] 渡辺惣樹『ネオコンの残党との最終戦争』、方丈社、2023年、31-33頁。
India Today: Mark Zuckerberg admits censoring Hunter Biden Laptop story for a week on Facebook.2022年8月26日。
この記事には、ザッカーバーグ氏自身がポッドキャスト番組でFBIとの協力について告白している動画がついている。
なお通信品位法第230条の原文の該当箇所は、以下の米下院のサイトで確認できる。
(2) Civil liability
No provider or user of an interactive computer service shall be held liable on account of-
(A) any action voluntarily taken in good faith to restrict access to or availability of material that the provider or user considers to be obscene, lewd, lascivious, filthy, excessively violent, harassing, or otherwise objectionable, whether or not such material is constitutionally protected[以下省略]
https://uscode.house.gov/view.xhtml?req=(title:47%20section:230%20edition:prelim)
[13] この報告書は米司法省公認のものであり、以下のサイトで閲覧できる。
https://www.justice.gov/storage/durhamreport.pdf
日本の主要メディアはこの件についての報道にあまり積極的であるようには見えないが、例えば次のFNNのサイトが、外部筆者の木村太郎氏の解説という形で言及している。「トランプ氏のロシア疑惑は『魔女狩り』捜査だった 最終報告書が来年の大統領選に巻き起こす波乱」、2023年5月22日。https://www.fnn.jp/articles/-/531291
[14] 山中泉『「アメリカ」の終わり』、方丈社、2021年、228頁。
[15] Joel Kotkin: The Grand New Party, in: newgeography.2020年11月15日。
Richard Florida: Why Is Your State Red or Blue? Look to the Dominant Occupational Class.2020年11月10日。
山中泉『「アメリカ」の終わり』、方丈社、2021年、315頁以下。
次の『朝日新聞』記事は、ノースウェスタン大学のジェラルド・カダバ教授の次のような2022年中間選挙に即した分析を紹介している点で、有意義である。即ちトランプ氏が差別的な暴言を吐いたことがある一方で、規制緩和、減税、家族所得上昇を通してヒスパニック系経営者への手厚い支援を行ったことにより、新たな支持層の掘り起こしに成功したという視点である。
「トランプ氏の言動がヒスパニックに響いたわけは 『国境の壁』も賛同」、2022年10月24日。
[17]リンクはこちら
https://isfweb.org/post-19522/2/
[18] https://isfweb.org/post-18675/
[19] TUCKER CARLSON: We knew there was a reason leaders hid the January 6 tapes, 2023/3/9.
[20] CNN:Trump won’t say whether he wants Russia or Ukraine to win war
CNN:Trump won’t commit to backing Ukraine in war with Russia
[21] ジャーナリストの櫻井春彦氏は、トランプ政権で国家安全保障補佐官を務めたジョン・ボルトン氏が、ベネズエラのクーデター計画に米国が関わったことを認めたことを指摘している。櫻井ジャーナル「米国が世界を股にかけてクーデターを実行してきたことをボルトンが認めた」、2022年7月16日。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202207150000/
CNN:Tapper and Bolton debate Trump’s ability to plan a coup.
イランについては、2020年1月に、バグダッドで、イラン革命防衛隊司令官が、米軍の爆撃によって殺害された作戦が行われたことを思い起こしておこう。
BBC:「イラン革命防衛隊の司令官、米軍の空爆で死亡 バグダッド到着後」、2020年1月3日。
[22] 寺島隆吉「Qアノン現象からみるアメリカ政治の惨状――第二の南北戦争かと思わせるほど内乱状態にあるアメリカ」、『百々峰だより』、2020年9月25日。
http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-date-202009.html
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しまざき・ふみたか 1984年生まれ。MLA+研究所研究員。東京大学文学部卒、同大学院人文社会系研究科修士課程(哲学専門分野)修了。ISF独立言論フォーラム会員。著書に『ウクライナ・ コロナワクチン報道にみるメディア危機』(本の泉社、2023年6月)。記事内容は全て私個人の見解。主な論文は、以下を参照。https://researchmap.jp/fshimazaki 記事へのご意見、ご感想は、以下までお寄せください。 mla-fshimazaki@alumni.u-tokyo.ac.jp