【第309回】Chat GPTは次世代教育にどう影響するか?
社会・経済写真:6月13日、日本経済新聞朝刊
驚いた!
生成AI(人工知能)であるChat GPTの出現に当たり、その有効性の検証に努めている。
その迅速性、そしてその「一見してそれらしい」記述に驚愕したーー。
が、社会混乱、教育混乱を引き起こしたコロナパニックに疑いを持つ者としては、その記述に「やっぱり、ミスリーディング」であり「要注意」との思いを強くした。
【第307回】 Chat GPTの教えるところ~人間の知力で判断すべき (1/2) – 浜地道雄の「異目異耳」
その結論として、肝心なのは(AIではなく)HI Human Intelligence「人間の知力」ということだ。
特注:Intelligenceは時に「諜報」と訳され、HI=Humintは人間を媒介したスパイ活動、と解される。が、本稿ではAI=Artificial Intelligenceが「人工知能」と訳されるごとく、「HI=Human Intelligence」は「人間の知力・思考力」を指す。
そこで、日本(世界)の未来にとって最も重要な「子供、若者」。すなわち「次世代教育(とりわけ英語教育、異文化理解)」についてChat GPTに質問した。(Q+A 後記)
そこでもその迅速性と(一見して)妥当な記述に驚き感心した。と同時にその末尾の記述を凝視した:
・強力なツールとなり得るが、人間の教師や指導者の役割とのバランスが重要。
・あくまでツールであり、人間の教師や教材の代替にはならない。
・学生や英語学習者がモデルのアウトプットを適切に評価し、それを教育的なコンテキストで利用することが重要。
なるほど。HI 人間(教員、学生)の「知力」こそが要(かなめ)だ。
グローバル社会人としての必須項目、コミュニケーション。それには自分の主張を持ち、同時に相手の背景を理解し、お互いの主張を擦り合わせる能力。
となれば、その教育原点として確認、推進すべきはHIを主体とするSTEAMだ。理数教育に創造性教育を加える。科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術・リベラルアーツ(Arts)、数学(Mathematics)
Chat GPTはその為の有用なツールであるには違いない。
これはもう止(と)められない。「情報」をキーワードに近年を振り返ってみても、最初は不確定(不審)だったものが、今や「普通」=生活に溶け込んでる。
・そもそもインターネットの誕生と発達
・「コピペ」作文で中学生が受賞ということもあった
・wiki、SNS、twitterの発達
著作権や「コンテンツ=内容、その質や信憑性」の問題など、倫理感に基づき厳重注意せねばならない事項を抱えつつーー。
即ち、「利便性」と「倫理感」の攻め際を「HI人間の知力」をもって管理、発展させていくことだ。それらを次の世代のために「教え」「育む」ことだ。
関連拙稿:
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参考(慶応義塾大学):
Chat GPT等生成AIの利用について:慶應義塾大学塾生サイト
因みに、Chat GPTを手がける米オープンAI社のサム・アルトマンCEOが来日、12日、慶応三田キャンパスで「安全の確保も必要」と講演した。
ー記ー すべて原文のまま、即ちコピペ。さて、著作権の問題は?
問1:Chat GPTはとても便利です。さて、これは未来を背負う若者たちの教育にどういう影響を与えましょう?
Chat GPT回答
Chat GPTのような人工知能技術は、若者たちの教育に多くの影響を与えることが期待されています。以下に、その具体的な影響をいくつか挙げてみます。
アクセス可能性と均等性の向上: Chat GPTは、インターネット上で利用可能な知識をベースにしており、若者たちは自宅や学校から簡単にアクセスできます。これにより、地理的な制約や教育資源の不足による格差を減らすことができます。
パーソナライズされた学習: Chat GPTは、学習者のニーズや進行状況に合わせてカスタマイズされた教育を提供できます。個別の質問や問題に対してリアルタイムでフィードバックを提供し、学習者の理解を深めることができます。
自己学習と探求の促進: Chat GPTは情報を瞬時に提供するだけでなく、学習者が疑問や興味を持ったトピックについての深堀りを支援します。これにより、若者たちは自己学習の習慣を養い、知識の探求心を高めることができます。
言語能力の向上: Chat GPTとのやり取りを通じて、若者たちはコミュニケーションや表現力のスキルを向上させることができます。さまざまなトピックについて議論し、自分の考えを明確に伝えるための訓練を積むことができます。
ただし、Chat GPTが教育に与える影響にはいくつかの懸念も存在します。例えば、情報の信頼性や偏り、倫理的な問題などが挙げられます。これらの問題に対処するためには、教育システム全体で適切なガイドラインやフィルタリングメカニズムを確立する必要があります。
未来を背負う若者たちの教育において、Chat GPTのような技術は強力なツールとなり得ますが、人間の教師や指導者の役割とのバランスが重要です。
問2:Chat GPTは英語教育にどういう影響を与えましょう?
Chat GPT回答
Chat GPTは英語教育にいくつかの影響を与えることができます。以下にいくつかの例を挙げます。
言語練習の提供: Chat GPTは英語での会話や文書の作成をサポートするため、学生や英語学習者がリアルタイムで英語を使って練習する機会を提供します。文法や語彙の問題を解決するためにChat GPTを利用することで、学生は自分のスキルを向上させることができます。
自己学習のツール: Chat GPTは学生が自己学習を行う際のツールとしても活用できます。質問をするだけでなく、文章の作成や翻訳のサポート、読解の練習など、多岐にわたる英語のスキルを向上させるためのツールとして活用できます。
文化的な知識の提供: Chat GPTは広範なトピックについての知識を持っており、英語圏の文化や歴史に関する情報を提供することもできます。英語教育の一環として、学生は文化的な背景を理解することでより深い英語の理解を得ることができます。
ただし、Chat GPTを英語教育に活用する際にはいくつかの注意点もあります。機械学習モデルはあくまでツールであり、人間の教師や教材の代替にはなりません。また、モデルが生成するテキストには間違いや不正確な情報が含まれる可能性もあるため、注意が必要です。学生や英語学習者がモデルのアウトプットを適切に評価し、それを教育的なコンテキストで利用することが重要です。
問3:STEAM教育とは?
Chat GPT回答
STEAM教育は、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Art)、数学(Mathematics)の頭文字を取った言葉で、これらの学問分野を統合的に取り入れた教育アプローチを指します。
従来の教育では、科学や数学が主要な焦点となってきましたが、STEAM教育はそれに加えて技術や工学、芸術を含めることで、より総合的な学びを提供します。STEAM教育の目的は、学生たちが現実の問題解決能力や創造性を伸ばし、チームワークやコミュニケーション能力を養うことです。
STEAM教育では、学生たちは主体的に課題に取り組み、実際の現場に即したプロジェクトを通じて学びます。例えば、ロボットの設計やプログラミング、エネルギー効率の改善、デジタルメディアの制作など、実践的な活動を通じて様々なスキルを身に付けます。
STEAM教育の特徴は、学問分野の垣根を越えた学際的なアプローチです。科学的な問題に対して芸術的な発想を取り入れたり、工学的な思考を通じて技術の応用を追求したりすることで、学生たちの創造力や革新力を引き出します。
STEAM教育は、21世紀の求められるスキルを養うための教育手法として注目されています。技術の進歩やグローバル化が進む現代社会では、単一の専門知識だけでなく、複数の分野にまたがる能力や柔軟な思考が求められます。STEAM教育は、そうした能力を育成するための枠組みとして、教育現場や教育政策で取り入れられています。
問4:Chat GPTがカバーするデータの鮮度は?
Chat GPT回答
私、Chat GPTは2021年9月までの情報を基に訓練されています。そのため、私の知識のカットオフは2021年9月です。最新の情報や出来事については持ち合わせておらず、2021年9月以降の出来事に関する知識や鮮度はありません。私の回答が最新の情報と一致しない可能性があることをご了承ください。
※この記事は、「浜地道雄の『異目異耳』」(2023年6月10日)からの転載です。
原文はコチラ→【第309回】chat GPTは次世代教育にどう影響するか?
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国際ビジネスコンサルタント。1965年、慶応義塾大学経済学部卒業。同年、ニチメン(現・双日)入社。石油部員としてテヘラン、リヤド駐在。1988年、帝国データバンクに転職。同社米国社長としてNYCに赴任、2002年ビジネスコンサルタントとして独立。現在、(一財)グローバル人材開発顧問。「月刊グルーバル経営」誌にGlobal Business English Fileを長期連載中。