【連載】コロナ騒ぎ謎解き物語(寺島隆吉)

第30回 守られているのか、人権②:アメリカ医療従事者117人がワクチンの強制接種を拒否

寺島隆吉

加藤官房長官(当時)は記者会見のなかで(2021年6月1日)、新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させるため、企業や大学などで行う「職域接種」を6月21日から開始すると発表したそうです。

しかしこれでは、日本弁護士連合会が「ワクチン接種はインフォームドコンセントを前提にしたものでなくてはならない」 「したがってワクチン接種を受けるか受けないかは個人に選択権ある」という特別声明を出した意味が全くなくなります。

恐ろしいほどの人権無視です。日本弁護士連合会の再度の声明が必要なのかも知れません。

一方、アメリカでは、医療従事者たちの新しい動きがありました。たとえば『翻訳NEWS』には次のような記事が載っています。

(1)「私たちはモルモットになりたくない!」117人の医療従事者がワクチンの強制接種を拒否して提訴( 『翻訳NEWS』2021-06-05)

http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-579.html

AFLDS(アメリカ最前線医師会)が子どもたちへのCOVIDワクチン接種命令の一時的停止を求めて提訴

 

この記事を訳した「翻訳グループ」の一員は次のように述べていました。

米国市民のワクチンに対する意識の高さを感じた記事でした。日本では逆に、 「なんで早くワクチンを打ってくれないのか!」という風潮です。あんな試用薬品、娘には絶対打たせません。

『翻訳NEWS』には、これに関連して、もうひとつ、アメリカにおける医療従事者の記事が載っています。

「アメリカ最前線医師会(AFLDS)」によって、子どもたちへのCOVIDワクチン接種命令の一時的停止を求めて提訴する動きすら出てきているという記事です。

日本でも、このような良心的医師集団の結集が求められていますが、残念ながら、まだそのような姿は目に見えるかたちで現れてきていません。

(2)「アメリカ最前線医師会(AFLDS)」が子どもたちへのCOVIDワクチン接種命令の一時的停止を求めて裁判所に申立書を提出( 『翻訳NEWS』2021-06-08)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-582.html

「アメリカ最前線医師会(AFLDS)」は、2021年5月21日、アラバマ州北地方裁判所に申立書を提出しました。

内容は、FDA(食品医薬品局)が与えた、16歳以下の子どもたちに対するコロナワクチンの緊急使用許可(EUA)を、臨床実験が完了するまで一時的に停止することを求めるものでした。

この訴えは、ワクチン接種に関するEUAが、いくつかの点において法律や、科学的な見地から逸脱しており、その逸脱は、これまでEUAで認められたことのないほどの逸脱であり、この「許可」は即座に取り消されるべきである、というものでした。

そして、このワクチンは「危険な実験的薬品であり、このような薬品を体内に注入することは、コロナよりも、実質的に大きな害をなす可能性がある」 「これらの薬品にEUAを適用し、米国民にこのような薬品を注入させることは多くの法律に違反するものである」 、と主張していました。

最前線医師会(AFLDSA)の創設者であるシモーヌ・ゴールド医師は、申立書を提出した理由について、以下のように語っています。

私たち医師は、ワクチンには肯定的です。しかし、これはワクチンではないのです。この試用段階にある生物薬品は、(情報が隠されたり、検閲されたりしていますが)弊害が文書で十分に立証されており、急速にその弊害が広まっています。私たちは、アメリカの子どもたちが、人間モルモットにされることを支持するつもりはありません。

ゴールド医師はさらに次のように話を続けています。

私たちは、 「緊急使用許可(EUA)」が短期間で承認されるべきではないと主張しているのです。臨床実験が完了するまで待つべきなのです。

モデルナ社のものについては、2022年10月31日まで、ファイザー社のものについては、2023年4月27日まで待つべきです。

このことに関する議論がほとんどないことに、私たちはショックを受けていますし、米国民が人間モルモット扱いされていることに対して黙っているつもりはありません。このウイルスによる生存率は、全世界で99.8%で、70歳以下では99.97%ですさらに20歳以下では99.997%です。こんな数字は統計学的にいえば死亡率ゼロに等しいです。

さらに、AFLDSの小児科代表であるアンギー・ファレラ医師は次のように説明しています。

0歳から17歳の子どもで、コロナで亡くなったのが104人、コロナとインフルエンザの両方にかかって亡くなったのが、287人いました。分母は7,200万人です。

これでは、危険はゼロといっていいでしょう。それなのに私たち医師が、子どもたちに必要のない、もし体内に入れたとしたらどれだけの割合で子どもたちが苦しむかがわからない薬品を、子どもたちの体内に入れられるのを黙って見ているなんてありえません。

私が18歳以下の子どもたちにワクチンを打つことで最も懸念しているのは、2020年12月よりも前に、子どもたちの副作用に関する研究が全くおこなわれていないという事実です。

子どもたちは臨床実験には入っていませんでしたし、成人に対しておこなわれた臨床実験においても、接種後の長期にわたる経過が安全かどうかのデータは今のところないのです。

このようにアメリカでは医療従事者のなかでワクチン接種に反対する動きが続いています。

たとえば、アメリカ海兵隊員の40%がワクチン接種を拒絶というニュースも届いています。

ところが同じ動きが兵士たちの中でも起きています。

(3)「アメリカ海兵隊員のほぼ40%がコロナウイルスワクチン接種を拒絶──民主党は軍人への強制接種をバイデン政権に要求( 『翻訳NEWS』2021-06-07)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-584.html?sp

ところが日本では、自衛隊員が集団接種にかり出されるというニュースばかりで、それを拒否したという話は、全く聞こえてきません。

それはともかく、この記事はアメリカ民主党が「民主主義政党」でないことがよく分かります。軍人にはインフォームドコンセントは必要ないとでも言うのでしょうか。

ワクチン反対の動きで、あと2つだけ朗報を紹介しておきます。アメリカのフロリダ州だけでなくスペインでもマドリード州で画期的な動きがありました。左翼によるワクチン政策の失敗が明らかになった選挙でした。

(4)フロリダ州は、ワクチン・パスポート禁止をさらに一歩進める。知事は法律に法案に署
名し、州内のすべての地域のCOVID‐19都市封鎖を停止する。( 『翻訳NEWS』2021-06-04)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-578.html

(5)スペインで、アジュソ・マドリード州首相が率いる反ロックダウン派の国民党候補者がマドリード州議会選挙で大勝。一方、敗北した左派ポデモス党党首は政界引退を表明( 『翻訳NEWS』2021-06-05)
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-581.html

以下は、 『翻訳NEWS』の管理者からのコメントです。

新川さん、 「反管理社会」に向かっての米国の動きを伝える興味深い記事の翻訳、ありがとうございました。新川さんからのコメントです。

フロリダ州はワクチンパスポートのみでなくソーシャル・ディスタンスをもこの7月から撤廃します。

「アメリカでは、ワクチンパスポートを禁止する州が共和党を中心に出ているのですね。アメリカ国内で意見が大きく分かれているようです。日本では、ワクチン接種ばかりが叫ばれ、その危険性も論じられることが少ないです。とても参考になる記事でした」

岩山さん、校正の方、ありがとうございました。スペインのマドリード州首相アジュソさんは州の首相なので、タイトル少し変えました。

反管理社会の動きが、世界のあちこちで起こっているようです。

上のスペインの記事は日本の左翼やリベラルにも、大きな教訓を与えるものではないでしょうか。その証拠に、この度の総選挙では維新の会が議席を増やし、共産党は議席を失ったからです。前著『謎解き物語2』で左翼・リベラルの反省を促したのですが、時すでに遅し!でした。

(寺島隆吉著『コロナ騒ぎ謎解き物語3—コロナワクチンで死ぬか、イベルメクチンで生きるか第1章第2節から転載)

 

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寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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