【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

今週はこれしかない。私が生まれて5年に起きたことと繋がるんだけど。

鳥越俊太郎

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麻生氏「戦う覚悟」物議 安保妥協なし 首相の主張代弁か

(毎日新聞10日朝刊)

【自民党の麻生副総裁は9日、3日間の台湾訪問日程を終えて帰国した。訪問中、台湾有事で「戦う覚悟」に言及し、物議を醸した。麻生氏、野党からは「好戦的だ」との批判が上がるが、この発言は「舌禍」だったのか、それともー。】

以上の毎日新聞の記事はただ前文だけを抜き出しただけだが、これはウクライナの紛争を抜け出して世界中に広がる「あなた戦いますか」「いやうちはちょっと」「私は断固戦います」などなどどちらかというと戦いの気運が上がっている状況だろね。

以下は毎日新聞の本文。

【麻生氏が「戦う覚悟」に言及したのは8日に台北で開かれた国際フォーラムでの講演だった。麻生氏は「最も大事なことは台湾海峡を含むこの地域で戦争を起こさせないことだ」とした上で、有事を未然に防ぐためには日本や米国、台湾の「戦う覚悟」が必要だとの認識を示した。】

今、台湾、米国、日本の各軍隊が戦う姿勢と決意を中国側に見せつけることが大事なんだろうか??麻生氏は言う。
「戦う覚悟」を三つの国が揃って示して「戦うけんねえ、覚悟しんさいよ。」と叫ぶ。
これが平和を守る発言になるだろうか?いやいや、これはどう見てもこっちは戦う覚悟があるからね、あなたどうするの?大変重たい「覚悟」の石を相手にぶっつけているようなもんだ。

「戦う覚悟」

一見カッコ良さそうに見えるこの言葉は実は相手にも戦闘を促す石礫のようなものじゃなかろうか??
現に台湾側はこの発言を好意的にうけとめたらしく「台湾への支持に感謝申し上げたい」と台湾の蔡英文総統は謝意を表した。

毎日新聞に戻ると、立憲民主党の岡田幹事長は8日の会見で「台湾有事になったとしても米国ははっきりと軍事介入すると言っていない。

非常に軽率だ」と批判。共産党の小池晃書記局長も同日の会見で「極めて挑発的な発言だ。
軍事対軍事の悪循環を引き起こす」と語気を強めた。
日本は憲法の理念として「専守防衛」を掲げており、政府は台湾有事が起きた際の対応については明確な見解を示していない。
麻生氏に同行した鈴木馨祐衆院議員は「抑止力が主文。戦おうと言っているわけではない」と記者団に強調した。

これだと中国にも麻生議員並みの大物自民党議員を中国に派遣して「戦う覚悟」発言の真意を述べてさらに日中友好を深めたらいいものだが、どうかな?岸田くん???毎日新聞の記事によれば
28〜30日には公明党の山口那津男代表が習主席との会談を求めて訪中する。
山口氏を中国側がどう遇するかが、日中関係の今後を占う手がかりになりそうだ。
それにしてもこういう時に何も手を打つことができない野党、中でも立憲民主党の中に見出せないのが残念だ。

もう一つ東京新聞の、8月12日の社説を見ておきたい、と、言うより東京新聞なんか読まない人たちにこの全文は無理だとしても部分的にはご紹介しておきたい、大事な分節があるので。
まず社説のタイトルが結構私たちには面白いな。

回帰不能点 超えぬため  戦争と平和を考える

〈ポイント・オブ・ノー・リターン〉。元々は航空用語で出発地に戻る燃料がなくなる地点を指します.「回帰不能点」「帰還不能点」などと訳します。
78年前の破滅的な敗戦に向け日本はいつ、どこで引き返せなくなったのか。
満州事変、盧溝橋事件、日独伊三国同盟、南部仏印進駐・・・・一つに絞るのは難しくても、問い続けねばなりません。

過ちを繰り返さないために。ことしは「新しい戦前になる」。
タレントのタモリさんが昨年末のテレビ番組でこう占いました。
日本が再び戦争に向かっているのでは、との不安を端的に表した言葉として話題になりました。
言い換えれば、私たちは戦争への回帰不能点に再び近づいているのかもしれません。
あるいは既に超えてしまったのかも。
こうした葛藤は初めてではありません。
戦後日本の安全保障政策の変遷は自問の連続でした
(中略)
憲法軽視には抗って(中見出しです)

防衛力の抜本手強化を唱える岸田文雄首相は敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有に踏み切りました。日本周辺で攻撃された米軍を守るため、日本が集団的自衛権を行使して反撃することを装備面でも可能にするものです。
(中略)
航空燃料の減少は客観的に把握できる一方、国の回帰不能点は目にはみえません。
いつどこで道を誤るのか分からないからこそ、不段に進路を検証し、疑問点を訊さなければなりません。
そうした国民の声こそが、平和国家を歩み続ける力になると信じます。(了)

78年前の8月15日。もう空襲警報が鳴り響くこともなく、静かだが無性に熱い夏が明けた。
いつものようの本家の土蔵の前に広がる竹藪で従兄弟たちとチャンバラに余念がなかった。
古くなって破れ傘になったコウモリの杖を刀代りに見よう見まねの方を使い、1時間ほども遊んだかな。昼も過ぎたようなので本家の広い台所でめいめいが水を飲んでいた。
どうも大人たちの様子がおかしい。真っ先にその可笑しさに気付いたのも従兄弟たちでは年長のボクだった。
大人・・・祖父、祖母、叔母他に何人か大人がいたが、皆どうも動きが可笑しい。
それはずっと後でわかったことだったが、ラジオで玉音放送があり、どうやら日本はアメリカに負けたらしいとわかった。
私は何かホッとした。
ああこれで空襲のたびに幼稚園から飛んで帰り、自宅土間にあった「防空壕」に飛び込むこともないんだなあ。
夜に空襲警報が鳴るたびに薄暗い電灯を布で覆う必要も無くなったのかあ!

そうか、あの日は78年前の今日だったのか?それにしてもキミ、まだ生きてんじゃん。

私だけなら日本がどうなろうと知ったコツじゃなか、バッテン、娘たちの余命、孫はこれから生きていくのか。それを考えるとやはり普通の親だね。
日本のこれから、岸田のボンクラ首相には任されんばい、うんにゃ、ほんなコツ!!

2023/8/14 鳥越俊太郎 83歳5ヶ月

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鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

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