第38回 ロシア軍の新しい「部分的動員」が意味するもの③(完)
国際ところが、 「これを爆破したのはロシアだ」という馬鹿げたニ ュースが、またもや大手メデ ィアを通じて流れています。
が、230億ユーロという巨大な費用をかけて建設したパイプラインを自ら破壊する意味がどこにあるのでしょうか。次の記事はそれを雄弁に物語っています。
* Western media says Russia blew up Nord Stream. But why would Moscow destroy pipelines it spent billions of dollars building?(西側メデ ィアは口をそろえて「ロシアがノルド・ストリームを爆破した」と言うが、一体全体なぜ、何百億ドルもかけて建設したパイプラインをロシアが破壊などするものか。 )
https://www.rt.com/news/563826-who-blew-up-nord-stream/
EUへの天然ガスを止めたければ、ロシアはガスの栓を止めればよいだけです。こんな単純な論理的思考ができないとすれば、 大手メデ ィアの責任者は、メディアを預かる資格はないでしょう。
ロシアからの天然ガスがストップすれば、誰が利益を得るのでしょうか。EUはアメリカから4倍もの高いガスを輸入しなければなりません。これで儲かるのは誰でしょうか。
アメリカの言いなりになってロシアへの経済制裁に加担したEUの行為を、「HARAKIRI(腹切り)」と表現したメデ ィアもありました。まさに明言というべきでしょう。
だとすれば、このようにロシアへの戦争に加担してきたEUも、「ブーメラン効果」を通じて、その目覚めは意外と早く来るかも知れません。
そのことを念じつつ、 『ウクライナ問題の正体』 第3部をいったん閉じたいと思います。
(参考)前線の兵士に届く武器は3割に過ぎない
私は右で、ウクライナ軍の腐敗と堕落について書きましたが、それは軍の責任と言うよりもゼレンスキー政権の腐敗と堕落によるものと言うべきかも知れません。
というのはア メリカの大手メデ ィアCBSが「ウクライナに送られた武器の7割は闇に消えている。部隊に届くのは3割に過ぎない」と言っているからです。
* 70% of Western weapons sent to Ukraine don’t reach troops – CBS(ウクライナに送られた武器の7割は兵士に届いていない–CBSニュース)
https://www.rt.com/russia/560419-ukraine-weapons-lost-cbs/ Aug 7, 2022
つまりアメリカは中東で犯した失敗をウクライナでも繰りかえしているのです。それは、このニ ュースの副題がよく示しています。
* Report suggests US appears to be repeating the mistakes of Afghanistan, Iraq, and Syria(アメリカは、 アフガン、 イラク、 シリアで犯した失敗を、 またもや繰りかえしているようだ)
アメリカが送った武器の7割は、 闇市で売買され、その多くがイスラム原理主義勢力へと流れていっているようです(最近では何と!フィンランド、スウェーデン、デンマーク、オランダにも)。
兵器産業にとっては武器が売れさえすればよいのですからウクライナ戦争で大儲かりです。
が、アメリカ政府はその武器を税金で買い上げてウクライナに送っているわけですから、アメリカ国民にとってはたまったものではありません。
そんな金があるのであれば、今やアメリカ全土に広がりつつある「ホームレス」の人たちの救済に使うべきでしょう。ところが当局者は「ホームレ ス」という用語を「野外生活者」に代えるだけで、事態を乗り切ろうとしているのです。
*City tries to cancel use of the term‘homeless’
「ホームレスを別の呼び名に変えたとて、ロサンゼルス郡の野宿者の現状は悪化の一途」
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-1040.html( 『翻訳NEWS』2022/09/19)
(寺島隆吉著『ウクライナ問題の正体3—8年後にやっと叶えられたドンバス住民の願い—』の第10章から転載)
〇ISF主催トーク茶話会:藤田幸久さんを囲んでのトーク茶話会のご案内
〇ISF主催公開シンポジウム:差し迫る食料危機~日本の飢餓は回避できるのか?
※ウクライナ問題関連の注目サイトのご紹介です。
https://isfweb.org/recommended/page-4879/
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国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授