【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

岸田文雄という男の正体がわからないー国民も分からないでいるんだ!─それがきっとこの低支持率の正真正銘の理由だ!!

鳥越俊太郎

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これまで政治、社会の様々な局面を見てなんでもお見通しのはずだったこの「フーミー鷲の目」さんも残念ながら「うーーーむ」と頭を抱えているようだ。岸田文雄総理大臣の本当の気持ちが分からんのじゃ。
記者会見は何度聞いても誰かの言葉を聞いているようで、いつもあんたは何考えてるの?何やりたいの?と思ってしまう。
「新しい資本主義」という言葉を全面に打ち出してきた時がそうだった。
そしてこの言葉にふさわしい政策は何なのか?岸田さんの口から吐き出されたこともない。
スマホでこんな言葉を見つけたぞ。

新しい資本主義

「時代の転換点」とも言える構造的な変化と課題に直面する中、賃上げや企業の投資意欲など足下の前向きな動きを更に力強く拡大すべく、新しい資本主義の実現に向けた取組を加速し、新時代にふさわしい経済社会の創造を目指していきます」

これを見て理解できますか??

岸田さんにはこんな難解な言葉を吐き出す力はないだろう。おそらく官僚が捻り出したものだろう。

みなさん、そもそも「資本主義」って何か分かりますか?

私の理解ですから間違ってたらごめんなさい。

「資本」とか「資本主義」という概念はおそらく1867年にカール・マルクスが出した「資本論」第一巻だと思います。

マルクスは、「資本論」(第一巻1867年)で、古典派経済学を批判的に摂取しながら、資本主義経済の内的構造を、余剰価値と資本の再生産という観点から、体系的に論述した。
この著作によって、彼は資本主義が歴史のひとつの過渡的な過程でしかないことを論証し、科学的社会主義を確立したといわれる。

資本主義という概念がマルクスの見事な人間と社会の分析で生まれました。

もう少しわかりやすいというか私流というか、ここで私たちはここで何を話し合っているのか私流に説明しますね 。

まず人間の歴史を考えてみましょう。
古代のことをまず考えてみます。人は明日の生きる糧を得るためにどうしたでしょうか?
体と頭を動かし新しい糧(これを「富」と呼ぶことにしましょう)。
人間は今日の、そして明日、明後日の富を得るために体と頭を動かします。
これを「労働」と呼びます。さらにこの新しい富を得る過程を「生産」と呼びます。
もうここまでで「労働」と「富」「生産」というという三つの概念が生まれました。
人間の歴史の最初の頃は平等に働き、生産の結果生まれた富を平等に分けあっていました。
こういう時代がどれだけ続いたのか、知りませんが人間社会はやがて「強者」と「弱者」に分かれていきます。
強者が労働を弱者に押し付け生まれた富は独占し、弱者には明日の生産ができるだけのギリギリの量の「富」を弱者に分け与えます。
こういう仕組みで「強者」と「弱者」による社会が生まれ、長く続きます。

これは西欧では「領主」と「領民」と呼ばれ、日本では「殿様」「領民」、これは社会科の授業で習ったと思いますが、「封建社会」ですね。

日本では封建時代は鎌倉時代から明治維新までざっと700年、ヨーロッパでも8世紀から14世紀まで600年間続いた。
どこの国も似たようなもので、トップに王室や皇室又は将軍が君臨し、その下に農民や町民から公租と称して税金を搾り取る領主が存在した。
こうした封建制度が壊れ、資本主義の国がスタートする。ちょっと参考書を見てみよう。

欧州での資本主義制度はいつ始まったのか?

資本主義経済とは、一般に生産手段を所有する資本家が、労働者を雇用して商品を生産し利潤を追求する経済体制をいう。
そのような経済体制はヨーロッパ(特にイギリス)で、16〜17世紀の絶対王政の時代に工場制手工業の形成という形で準備され、18世紀の産業革命によって成立したと考えるのが一般的である。

日本でも18世紀後半、明治維新という形で資本主義経済が始まった。
日本でも欧州でも政治の形態は様々に変わったものの、経済の仕組みは資本主義経済で、それは現在も続いている。
ロシアで革命が起こり一時ソ連という「国家経済」の社会主義経済が存在したが、失敗した。
私はソ連の崩壊にはモスクワに何度の訪問し、その様を現場で見ているので、社会主義経済の失敗はよくわかる。
ソ連の経済・政治の仕組みが失敗であることを私はゴルバチョフ氏に何度もインタビューして真意を伺った。
北朝鮮は特異な政治形態でその経済の仕組は不明である。
中国は政治・社会のシステムは共産党の一党独裁だが、経済的には資本主義のシステムを採用している。

さて日本はどうなったのか?明治維新で日本にも資本主義経済が入ってきた。政治的には皇室を崇める軍事政権となり原爆2発で崩壊した。日本の戦後は欧米を模範とする政治的には民主主義、経済的には資本主義という典型的な市民国家となった。経済の仕組みを見てみよう。

まず税金を納める国民がいる。その上には国、市町村の役人がいて国民のための行政をおこなっている。では経済の仕組みはどうなっているのか。
一番下(現場)には労働者がいてモノ(富)を生産し、その報酬として賃金をもらっている。
賃金を払うのは会社(企業)である。
企業は自分又は投資家のお金を使って様々な生産手段を手に入れ、それを労働者に使わせて経済の生産を行う。
企業家は労働者に支払う賃金より多くの利益を得ており、それを「利益剰余金」または「内部留保金」と呼んでいる。

現在日本の、2021年度の企業の内部留保は前年度比6・6%増の516兆4750億円だ。労働者への賃金より企業家にお金が回った結果がそういう内部留保を生み出している。
これが日本の資本主義の実態である。

さあ、それでは岸田さんはこの516兆円もの内部留保が貯まる日本の資本主義のどこに手を入れ、「新しい資本主義」と呼ぶのか??
現在日本では正規の労働者は60%、非正規労働者は約4割である。
さて、岸田総理の言う「新しい資本主義」は日本が戦後築いてきたモノ作りのシステム、日本型の資本主義の、どこに手をつけるというのか?

この文章の頭に掲げた「新しい資本主義」を何度読んでも、500兆円もの内部留保金を持つ現在の資本主義制度のどこを変え、日本の労働者=一般国民に何をもたらしてくれるのか?
一向に理解不能だ。

そんな疑問を抱えた私がピタリと合致した新聞の記事を見つけた。
毎日新聞10月20日の朝刊11ページにあった「オピニオン 論点」という部分。

この日の論点は「岸田首相の発信力は」というもの。
「岸田政権の発足から2年が過ぎた。
『新しい資本主義』や『異次元の少子化対策』といった政策が掲げられてきたが、今も『岸田首相が何をやりたいのか』などと発信力不足を指摘する声が上がる。
首相の言葉には何が足りなのかを考える」。
毎日新聞の記者が二人の識者に問いただしている。
本文は長くなるので、ここではそれぞれの識者の記事の大見出しだけを掲げておく。

上西充子(法政大教授)「言葉から信念が伝わらず」

金田一秀徳(国語学者)「まるで出来の悪い優等生」

二人の学者が指摘するのは同じところ。
「新しい資本主義」という言葉だけがもてはやされているが、中身はゼロ。
この首相、何をしたいか、全く分からない。
私が資本主義の歴史から説明して問いただした通りである。

私たちはいつまでこの空疎な政治家のもとで過ごしていくのか?

私はあなたに問うているのだ。

書き忘れが一つ。月曜朝刊の参院補選結果が一つです。

新聞テレビの直近の岸田内閣の支持率が見るも無残なほどひどい!

NHK        36%
朝日新聞  29%
読売新聞  34%
毎日新聞  25%
共同通信  32、3%
東京新聞  以下同じ
日経新聞  同

10月22日に行われた二つの国政選挙は衆院長崎4区補選では自民新人候補が勝利したが、参院徳島・高知選挙区の補選では無所属の元立憲民主党の衆院議員がそれぞれ当選。
毎日新聞の一面トップの見出しは

「岸田政権に痛手」

岸田首相の「新しい資本主義」なる旗印は全く耳には届いていないようである。

 

(2023/10/23)
鳥越 俊太郎

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鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

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