【特集】新型コロナ&ワクチン問題の真実と背景

患者が語る〝症状〞と〝治療〞「コロナワクチン後遺症」の実態

黒田英雄

集団接種・職域接種の闇
 2021年2月17日に接種が始まった新型コロナウイルスワクチンは、日本国民の約8割が2回目まで打ったとされている。2023年9月20日からは「オミクロン株対応1価ワクチン(XBB1・5)」を使用した7回目の接種がスタートし、報道によると、各会場は予約がいっぱいだという。

コロナワクチンの接種は「まん延予防上緊急の必要がある」として、接種費用を全額公費で負担する「特例臨時接種」で行なわれてきた。5月に感染症法上の位置づけが「5類」に変更された後も無料での接種が続けられていたが、この特例措置も来年3月で終了することになった。無料で受けられるうちに……という意識が働くのか、10月10日現在で、すでに約350万人が7回目の接種を終えている。

厚生労働省は、来年度以降のコロナワクチン接種について、自己負担が生じるケースもある定期接種に変更するかどうか検討を進めるという。専門家の中には、この「定期接種」に持ち込むのが製薬会社の狙いであったという見方もあり、まんまとしてやられた感は否めない。

一時期よりは縮小傾向にあるが、7回目のコロナワクチン接種においても、自治体によっては集団接種会場を設置している。1、2回目の接種の時には、街のあちこちに会場が設置され、近くを通りかかると大行列ができているのをよく見かけた。

私は労働者側の社会保険労務士として、さまざまな職種の方々から労働相談を受けており、集団接種会場で働く看護師からも相談を受けたことがある。その内容はご本人の承諾を得て動画サイトで配信して、すでに1万回以上再生されている。

当時はとにかく看護師を集めなければならなかったため、すでに現役を退いていた人や、まだ看護師になりたての経験の浅い人も駆り出されていた。そんな中で、使用済みの注射器を別の人に刺してしまったとか、本来の部位とは違うところに打ってしまうというミスが起きていたという。なりたての看護師には、新型コロナウイルスの影響で医療機関での実習も行なわれず、はじめて人に針を刺すのが接種会場だったという人もいたらしい。それでも、毎日接種会場で働いていると年収1千万円以上という人もいて、さながらコロナバブル状態だった。

そこには派遣会社が関わっており、その元請けなども含めると相当な利益が上がっていたことが予想される。その原資はどこからきたかというと、言わずもがな税金である。

そんな集団接種会場と同じくらい闇が深かったのが、職域接種である。特に大きな会社で行なわれたため、「自分は職域接種を受けられるような職場にいる」という優越感を抱かせる心理的効果もあったように思われる。また、会社で用意してくれるのに、打たないなんてどうかしてると思わせるような、同調圧力のさらなる後押しにもなったのではないだろうか。

私が労働相談を受けていた中では、本当は打ちたくないのに職域接種だったから仕方なく打ってしまったという人は少なくない。意志を貫いて打たなかった人が、不本意ながらその会社を退職しなければならなかったケースもあった。言葉を選ばずに言えば「たかがワクチン」であったはずなのに、多くの人々の人生にかなりの影響を及ぼしたのを目の当たりにしてきた。

ちなみに私は、コロナワクチン接種の騒動のさなかは、埼玉労働局で、非常勤で行政協力をしていた。労働局は厚労省の管轄機関であり、いの一番に職域接種があってもいいようなところだが、実際には一度もなかった。コロナワクチンを接種するよう圧力をかけられたり、接種したかどうかを聞かれたりしたことも一度もなかった。マスクに関しては毎日のように強制され、していないとアクリル板で席を囲むような嫌がらせをされていたのに比べると、なぜこんなにもコロナワクチンには寛容なのか、常に違和感を感じていた。

 

コロナワクチンで始まったさまざまな症状
 先日、私が所属する労働相談須田黒田事務所のニコニコ生放送で、コロナワクチン後遺症を採り上げ、視聴者から自身や周りでどのような症状が出ているかコメントを募集した。すると失明や難聴、血栓ができたことによる脳梗塞、自己免疫疾患の発症、がんの発症などの情報が寄せられた。私は医療の専門家ではないが、これらの症状を見る限り、神経や免疫にコロナワクチンが作用したのではないかと推測している。

そもそも配信動画でコロナワクチン後遺症をテーマとしたのは、私が労働相談を受けた中で、病名としてワクチン後遺症と医師に診断された方がいたことがきっかけだった。今回、本誌に掲載することをお伝えし、その方にインタビューを打診したところ、快く了承をいただいた。ワクチン接種に至った経緯や、その後現れた症状などについて話を聞いた。

――ワクチンを接種したのはいつ頃ですか?

「2021年の9月です。モデルナのワクチンを職域接種で打ちました。私はこれまで、インフルエンザなどの別のワクチンも、一度も打ったことがなかったんです。でもコロナワクチンについては、なぜか『打ってどうなるのかを見てみよう』と思ってしまいました」

――打った後はどうなりましたか?

「その日のうちに吐き気とめまいが起こって、針を刺したところが手のひらみたいな形に腫れる、いわゆる『モデルナアーム』が現れました」

――その後も症状は続きましたか?

「10月になると、目の周りに水がたまるようになってきました。さらに翌月には血尿が出て、膀胱炎の症状が現れました。医療機関で薬をもらったのですが、飲んでも飲んでも繰り返し症状が出ていました。12月にはめまいがさらにひどくなり、下血として真っ赤な鮮血が出てきました」

――どんどんひどくなっていく感じですね。腕は治ったんですか?

「いいえ、利き腕である右腕が動かなくなりました。全身が脱力感に襲われ、明らかに不調をきたしていました。その後も目が見えづらくなったり、顔面が麻痺することもありました。それでも運動のためにスポーツジムに通っていたのですが、まるでパーキンソン症状のような脱力感から、運動中に倒れてしまいました」

――医療機関にはかかりましたか?

「病院を13カ所回ったのですが、検査してもどこも悪くないし、原因がわからずにいました。2022年6月にかかった病院では、顔面神経痛、更年期障害、あるいは精神疾患などと言われましたが、納得できずにいました。ある医師から『帯状疱疹なのでは』と言われ、抗ウイルス剤を処方されたところ、症状がピタッと止まりました。しかし、その薬は2週間までしか処方できないらしく、それ以降はかえって免疫が暴走したようで、化学物質過敏症になってしまいました。1週間寝たきりになり、会社も休みました。その後復職はしたのですが、職場でまた倒れてしまいました」

――この頃から、コロナワクチンのせいじゃないかと疑いはじめたんですね。

「はい。ツイッター(現「X」)でコロナワクチンについて発信している医師を検索して、そこで受診したところ『ワクチン後遺症』と診断されました。その診断書を会社に提出して、7月から休職しました。この頃はもう、電磁波に圧迫される感覚に襲われてスーパーや薬局に入れなくなり、心臓をアイスピックで刺されるような痛みが出ていました。また、極度の低体温症になってしまい、33~34度というデジタル体温計でやっと計れる体温が続きました」

〝治療〞で回復傾向に
――休職中はどのように過ごされていましたか?

「休職してすぐに、黄疸が出て末期がん患者のような状態になりました。また、脳梗塞の症状も出はじめました。症状が移動するように全身に出てくるので、かなりキツかったです。食べられない時期がありましたが、水・米・無農薬野菜だけで栄養を摂るようになり、だんだん症状が消えていきました。年末には、症状は3分の1くらいにまでおさまりました」

――そのままおさまっていったのでしょうか?

「今年に入ってからは、シェディング(接種者からの伝播)に悩まされるようになりました。人ごみに混ざると、頭がボーッとしてしまう『ブレインフォグ』の症状が起きるのです」

――脳にまで作用してしまったと。

「その頃にツイッターでもう1人の先生を見つけ、そちらも受診しました。そこでは保険適用になっていない治療法を用いるので、自費診療という形です。ブレインフォグはなくなりましたが、右半身のこわばりは、いまだに消えません。リウマチの検査も受けてみましたが、違うと言われました」

――自費診療だと、費用面でもかなり負担ですよね。

「ただ、今のところ健康被害救済制度は申請していません。保険診療ではないので……。でも、SNSがなかったら死んでいたと思うので、お2人の先生に出会えてよかったです」

――自身の症状に疑いを持っている接種者も多いと思いますが、受け入れてくれる病院の探し方としては、やはりSNSでしょうか。

「ワクチン後遺症外来を標榜している先生は、SNSやホームページで発信しているので、探してみてほしいです。ワクチン後遺症に特化した検査をしてくれますので、私は個人的には、コロナワクチンを打った人はみなさん検査するべきだと思います。医者選びはとても重要で、自分に合ういい先生に出会えるかどうかだと思うので、あきらめないで探してほしいです」

――最後に、同様の症状に悩まされている方にメッセージをお願いします。

「コロナワクチンの1回目だけを打ちましたが、そのせいで私は、寿命が縮まったと感じています。やりたいことをやれる時間がなくなってしまったような……自分の死期を考えるようになりました。まだこの先、次の何かが起こるんじゃないか、という不安に襲われることもあります。でも、だからこそやれるうちにやれることをやらなきゃ、という想いが強くなりました。会社に依存せず、後遺症を抱えながらも自分で生きていく方法を考えようと、いろいろ動きはじめています」

終わりなきワクチン
 今回登場いただいた方は、1回のみの接種で後遺症を発症したが、読者の中にも2回以上、コロナワクチンを打ったという人が多いだろう。あの当時は「いずれワクチンパスポートが導入されて、接種していないと旅行やエンタメはおろか、買い物にも行けなくなる」という、ほとんど脅しのようなことも言われていた。

さらに、3回打てば旅行が安くなるとか、買い物でさまざまな割引が受けられるといったこともあった。まるで、卵をタダで配って人を集め、高額な品を売りつける商法のようなことを、国を挙げてやっていたのだ。

そこには多額の税金がつぎこまれ、その収支は検証すらされていない。「ワクチンパスポート」という言葉は、すでに死語になった。3回打てば終わるはずだったコロナワクチンもすでに7回目、来年度からは定期接種になるかもしれない。たとえば国民の2割が定期接種するだけでも、製薬会社と医療機関はボロ儲けであろう。

そこに持っていくために、多くの健康被害が、すでに生まれてしまった。しかも、因果関係がわかりにくいというのが、当事者からするととても悔しいところではないかと思う。

コロナワクチンの後遺症については、ここにきてだんだんと一般的にも知られるようになった。それは、7回目の接種率にも表れている。予約がとれないと報道されているとはいえ、まだまだ日本国民の1割にも届いていない。かえって「今打つべき」とのメディアのプロパガンダを感じるのだ。

先の不安の通り、また次の何かが起こるかもしれない。その時こそ、冷静に判断することができるのか。今回のコロナワクチンの教訓を、必ず活かさなくてはならない。

(月刊「紙の爆弾」2023年12月号より)

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黒田英雄 黒田英雄

全国の労働者の悩みを解決する「労働者側社労士」。探偵としても、労働問題や人生問題を解決に導いている。

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