メールマガジン第158号:『日米の「対中国戦争態勢」とは何か―東アジアでの戦争を止めるために―』
ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会メルマガ琉球・沖縄通信標記タイトルの拙著・ブックレットをここで紹介させていただけることとなった。同じテーマのブックレット『東アジアで戦争を呼ぶのは誰か―中国包囲網・琉球弧での日米戦争計画―』を一年余り前に書き、その在庫がほとんどなくなってきたとき、増刷や加筆ではなく、新たに書かなければと思った。すでに書いていた諸課題について、それへの視座がこの一年の間に自分なりに深まり整理できたこと、また、この問題に向き合うための新たな視座も獲得できたこと、そして、この一年の間に、戦争への危機を確実に高める新たな事態が次々と出て来ているからである。そうして書き上げた内容―全体像を目次の形で紹介したい
第一章
「東アジアでの戦争」の危機―敷設される「戦争への導火線」―
(1)琉球弧の「中国攻撃拠点化」―新設されるミサイル基地群/日常化する軍事演習―
(2)対中国「日米共同戦争計画」
(3)日米NATOによる「対中国軍事包囲網」の構築
(4)アメリカの対中姿勢の転換―「米中対立」とはどのような対立か―
第二章
「台湾有事」とは何か
(1)中国の台湾への「武力行使」は在り得ない―その理由と根拠―
(2)「台湾有事=日本有事」論の虚構性
(3)「台湾有事」を流布させる米日の目的
(4)「中国封じ込め態勢」構築と台湾―軍事関係を強化する米・台湾・日本―
(5) 中国と台湾の関係をどう捉えるか―複眼―
第三章
「中国脅威論」とは何か―その克服・解体への視座―
(1)「専制 対 民主主義」の偽装で準備される戦争
(2)「人権・人道」の名で行われる侵略戦争―「東西対立」終焉後の米・NATOの軍事侵略―
(3)「反中国」構築手段としての「人権・人道・民主主義」
(4)米・日・西欧によって創られる「中国像」―中国の「悪魔化」―
第四章
「国家の安全保障」対「民衆の安全保障」―私たちにとっての「安全」とは何か―
(1)「国家・軍隊が国民を守る」という幻想
(2)「国(の主権)を守る」とはどういうことか
(3)「国家の安全保障」ではなく「民衆の安全保障」を
(4)平和的生存権・基本的人権の保障こそが政府の責務
―それは〈人民の憲法〉による「政府への命令」である―
第五章
「歴史的現在」として東アジアを視る
(1)欧米日列強による中国侵略―1840~1949―
(2)第二次世界大戦後の東アジア―帝国主義 対 反帝国主義―
(3)「ウクライナ戦争」への歴史過程と東アジア―共通する「米国による舞台づくり」―
(4)「欧米の世界支配500年/日米欧の東アジア支配150年」の歴史的転換
第六章 東アジアでの戦争を止めるために―〈平和と共生の東アジア〉に向けて―
(1)〈我われ東アジアピープル〉が戦争を止める
(2)東アジア諸国に対する姿勢の根本的転換を―「日本・東アジア150年」の歴史を踏まえて―
「戦争へと至るしかない状況」を前に
琉球弧を中心に、日米による中国への攻撃・戦争態勢が着々と構築される状況の中、「本土」・ヤマトでは、「中国が攻撃して来る」という「虚偽の現実」が国民に提示され、多くの国民は、それを「本当の現実」だと信じ、そして、それを防ぐには軍備の拡大―軍事態勢の構築しかないと思わされ、思っている。このような状況は、戦争へと至るしかない状況である。これほど無惨で愚かな現実を目にすることになるとは思わなかった。戦争への危機を、いまほど実感したことは、私にはない。
まだ、戦争を止め得る時間の中に、私たちは、いる
しかし、戦争はまだ起こされていない。
日本のアジアへの侵略や、沖縄を「捨て石」にしたことなどを私が知った若いころ、そのあまりの加害の酷さに、負い目や憤りや、ある種の自責の念さえ、覚えて来た。そして、せめて、その歴史と戦後責任に向き合おうとして来た。だが、すでに起こった――起こされた出来事自体は、むろん、変えることはできなかった。
しかし、いま私は、このいまを生きる当事者として、同時代を生きる者として、戦争を起こさせないために、再び、沖縄を「捨て石」にしないために、動くことができる。そのために、何かをすることができる、その位置にいる。私たち皆、戦争を止め得る時間の中に、まだ、かろうじて、いる。
この、わずかでも〈可能性〉を孕む時間の中にいることが、いまの私の希望である。その〈可能性〉に賭けて、私は動きたい。
戦争を止めよう!
戦争への道をストップさせるためには、いま、どのような戦争態勢が構築されているか、されようとしているか、その状況を把握すること、また、それは、どのような口実―言説で、人びとを欺き、正当化して、進められているか、その「からくり」を暴いていくことが必要だと思う。
そして、多くの人々が、戦争へと向かう状況を把握し、それを正当化する政府の言説が嘘であることを知ること、それらを共有すること。それが、戦争を止めるための具体的な力になると思う。この小著が、そのような認識の共有のために、少しでも役立てばと願う。
ブックレット『日米の「対中国戦争態勢」とは何か―東アジアでの戦争を止めるために―』〔価格900円/A5判 148頁〕
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高井弘之(ノーモア沖縄戦・えひめの会)
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