【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

百々峰だより(2024/02/10):タッカー・カールソンのプーチン大統領インタビュー

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生の百々峰だより(2024/02/10)国際教育(2024/02/10)
タッカー・カールソン(Tucker Carlson)
TCN (Tucker Carlson Network、タッカー・カールソン・ネットワーク)
* プーチン大統領へのインタビューは9日時点で、TCN 3800万回の再生、)
ウクライナで、ザルジニー将軍(Valery Zaluzhnyの解任、軍内部から反乱の怖れ?


プーチン大統領と談笑するタッカー・カールソン
タッカー・カールソンの笑い顔2
https://tuckercarlson.com/the-vladimir-putin-interview/

 私が主宰する研究所の仕事の一つとして、『翻訳NEWS』というサイトの運営があります。
その「翻訳グループ」の皆さんに素材情報を送るのが、私の仕事ですが、今回はタッカー・カールソンの世界を揺るがすインタビューが飛び込んで来たので、「緊急下訳のお願い」をしました。
以下が、その依頼文面です。これは「翻訳グループ」の皆さんだけでなく、ブログ読者の皆さんにも読んでもらった方がよいかも知れないという考えが突然、浮かびましたので、以下にそれを載せます。

翻訳グループ、研究所の皆さん


タッカー・カールソン(Tucker Carlson)のプーチン大統領インタビューが世界中を席捲している感があります。この2時間インタビューが世界史をかえる分岐点になる可能性もあります。
そこで次の情報を緊急下訳して欲しいと思うようになりました。

Tucker Carlson streams interview with Vladimir Putin: LIVE UPDATES
https://www.rt.com/news/592102-tucker-carlsons-interview-vladimir-putin/
8Feb, 2024


この記事では2時間インタビューの録画が付いていますので興味があるひとは視聴できることになっています。最初はLive放送だったのですが今は録画のものに変えられています。
また、録画画面に下には短い解説があり、その下には、このインタビューが実現するに至った経過が時系列の書かれていて非常に臨場感があります。そこで、この画面の2時45分のところまでを翻訳して『翻訳NEWS』に掲載して欲しいと思いました。

02:45 GMT
The interview has garnered 35 million views on Carlson’s X account and 363,800 views on YouTube. It was also broadcast on the journalist’s personal website. (このインタビューはカールソンのXアカウントで3,500万回、YouTubeで36万3,800回再生された。また、ジャーナリストの個人サイトでも放送された。)

御覧のとおり、この時点で「Xアカウントで3,500万回、YouTubeで36万3,800回再生された」ことが分かります。バイデン大統領やゼレンスキー大統領が真っ青になっている顔が目に浮かぶようです。

プーチンの顔1


なお上では「また、ジャーナリストの個人サイトでも放送された」とありましたので調べてみたら次のTCN(Tucker Carlson Network)というサイトでも視聴できることが分かりました。
https://tuckercarlson.com/the-vladimir-putin-interview/

欧米ではRTの視聴は制限されていますが、この録画は上記のサイトにアクセスしさえすれば視聴できるのですから、アメリカやNATO諸国の指導者が凍り付いてしまったのも無理はありません。
またタッカー・カールソンがどんな表情でプーチンに話しかけ、プーチンがそれにたいしてどんな表情で答えているのかを見るのは、2時間の演劇を見ているように別の楽しみもあります。
タッカー・カールソン(Tucker Carlson)がどこで驚き、どこで思わず笑い転げているかなど、見どころは幾つもあります。私がこれに日本語字幕をつけて放映する能力も技術ももっていないことが残念です。


なお、これと日時をピッタリ合わせるかのように、ゼレンスキー大統領がザルジニー将軍をウクライナ軍司令官の地位から解任しました。
このインタビューから世界の眼を少しでもそらして、メディアの話題をこの解雇劇に集中させたかったのかも知れませんが、残念ながら、それは成功しなかったようです。

Parents of Ukraine’s new top general live in Russia
https://www.rt.com/russia/592140-ukraines-top-general-brother/
9 Feb, 2024
それどころか、新しく軍司令官に任命されたAleksandr Syrsky氏がロシア生まれで、氏の家族が今もロシアに住んでいること、また氏の母親がロシアの戦争記念日に定期的に参加したりプーチン大統領の健康を願うメッセージをオンラインに投稿したりしていることを次の記事が明らかにしていますから、逆効果だったかも知れません。


なお2014年のウクライナ・クーデターを裏で指揮したヌーランド女史(当時は国務次官補)も、慌ててキエフに出かけて、ゼレンスキー大統領にザルジニー将軍の解雇を取りやめるよう説得したようですが、それも成功しませんでした。

Nuland told Zelensky not to fire top general – The Times
The State Department’s number two reportedly tried to save Valery Zaluzhny’s job
https://www.rt.com/russia/592203-nuland-zaluzhny-kiev-zelensky/
9 Feb, 2024

というのは元CIA分析官Larry Johnson すらザルジニー将軍を解雇すると、ザルジニー将軍を支持しているネオナチ勢力がゼレンスキー大統領に対して 反乱を起こす可能性を指摘していましたから、ヌーランド女史が心配したのも無理なかったとも言えます。

Ukraine’s top general sparing neo-Nazis from frontline slaughter – ex-CIA analyst
https://www.rt.com/russia/591948-zaluzhny-zelensky-nationalist-allies/
6 Feb, 2024


もっと驚くべきことがあります。
この元CIA分析官によると、ザルジニー将軍がネオナチ勢力の支持を得ていたのは、ネオナチ勢力を前線に送るとロシア軍からの猛攻を受けて多くの戦死者を産み出す恐れがあるから、前線に送られたのは消耗品としての兵士だけだったからだという事情でした。
つまりゼレンスキー大統領も、ザルジニー将軍も、どちらも「ワル」だったということです。犠牲者は消耗品(Cannon Fodder)として前線に送られたウクライナ民衆です。ネオナチ勢力が前線に送られずにすんだのは、ザルジニー将軍のこのような配慮からだったというのです。
前線では高齢者の兵士や初年兵の若者がが次々と死傷者となったり捕虜になっていたとき、後方でネオナチ勢力を守っていたのはザルジニー将軍だったわけです。だからこそザルジニー将軍を解雇すると反乱が起きる可能性があるというのが、元CIA分析官の警告でした。

ですから今後、ウクライナ軍がどのような動きになるか目を離せません。しかし、いずれにしても、このような軍がこのような状況では戦いに勝てるはずがありません。
繰り返しになりますが、悲惨なのは、このような状況のなかで強制的に徴兵され前線に送られているウクライナ民衆でしょう。
次の記事では、そのような悲惨な前線の現実を内部告発した捕虜が、捕虜交換の飛行機に乗せられ、何と!味方であるはずのウクライナ軍のミサイル攻撃で死に追いやられた事情を説明しています。

Ukraine ‘considers us meat’ – POW killed in Belgorod crash
One of the soldiers about to be exchanged had testified about Kiev’s disdain for its troops
https://www.rt.com/russia/591225-ukrainian-prisoner-testimony-plane/
24 Jan, 2024


このような錯綜した状況のなかでタッカー・カールソン(Tucker Carlson)のプーチン大統領インタビューが実現しました。
このような事情を考えると、ヌーランド女史や元CIA分析官の心配をよそにザルジニー将軍の解雇が実現したのは(ゼレンスキー大統領の意向もあったでしょうが)私は世論操作を狙ったバイデン大統領による解雇劇ではなかったのかという強い疑いを捨てることができません。

というわけで、またもや「緊急下訳のお願い」を皆さんに御願いすることにしました。御理解いただければ幸いです。

<追記>
このインタビューを実現させたタッカー・カールソンについては、アメリカ国内でもEU諸国でも、「彼を逮捕しろ」とか「彼を帰国させるな」など色々な声が飛び交っています。
しかしロシア政府は「スノーデンと違って彼は自分を自分で処する方法や能力を心得ているだろうからロシアが特別な保護を考える必要はない」という興味あるコメントを発表しました。

Tucker Carlson doesn’t need Russian protection – Kremlin
https://www.rt.com/news/592075-tucker-carlson-putin-kremlin/
Feb 8, 2024 15:16

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寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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