【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

「罪」と「お祝いと称賛」動物の世界で人類だけが180度異なる価値判断をするある「行為」とは?

鳥越俊太郎

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2024年03月11日10時00分 配信

「罪」と「お祝いと称賛」動物の世界で人類だけが180度異なる価値判断をするある「行為」とは?/女性徒の「生理教育」は見てきた本当は男生性の「生理教育」こそ必要だったのだ!

 

春を感じますねえ、窓を通して柔らかく照りつける春の光が右の頬を暖めてくれる。

とはいえ外に出ると冷たい風が足元や首筋を吹き抜けていくに違いない。そんな季節だ。

それなのに私は左足の神経がピリピリと痛み続けて歩くのも難しい状況だ。医師に一言言われた「滑り症」が原因なのか、股関節の異常なのか、はたまた坐骨神経の痛みなのか。

命には関わらないものの終わりなき痛みを左足に抱えると相当に辛い。行動も制限される。

痛みを胸にぐっと仕舞い込みながら原稿を書いている。文章がチグハグになっていませんでしょうかねえ?

 

先週後半の新聞を片付けながら拾い読みしていたら、私が今年になってから意識的に取り上げている人口減少と性の問題、もっと踏み込んで言うと男の性の問題に関して生殖行為、性的欲求と性犯罪、男の「種の保存本能」─射精と快感、この一連の「性」に関するニュースが結構目に飛び込んできた。

 

3月5日朝日新聞夕刊社会面トップ

【ハマス襲撃時性暴力か 国連専門家「合理的な根拠」】

記事の中にはこんな叙述もある。

「両手を縛られて殺害された遺体が服を着ていなかったり、下半身だけ服がなかったりしていたと報告。その多くが銃で頭を撃たれていたという。また、今もガザで拘束されている人質がレイプや性的虐待、拷問など継続的に受けている可能性があるとも指摘した。

毎日新聞も同日夕刊でこのニュースを取り上げている。

【ハマス性暴力「根拠がある」】国連総長特別代表

 

次はこれ!この日の夕刊には両紙共に同じ記事を載せている。元自衛官五ノ井里奈さんが米国務省が選ぶ2024年の「世界の勇気ある女性賞(IWOG)に選ばれその表彰式の写真入り。

(朝日新聞3月5日夕刊より)

これは1昨年五ノ井里奈さんが陸上自衛隊での性被害を実名で訴え出たことによるものだ。

日本の陸上自衛隊に限らず陸、海、空自衛隊には今では女性の姿は珍しくなくなったので他にも女性が性被害に遭っているケースは推測されるが、五ノ井さんは実名で被害を告発したためアメリカ国務省が選ぶ「勇気ある国際的な女性賞」と言う栄誉に輝いた。この記事、これは勇気ある女性を称賛するだけのものではないはずだ。こうした世界的なニュースの裏側にちゃんと男性の性犯罪が存在するのだ。そこをきちんと書いてもらわないと困るね。

では次に3月9日朝日と東京新聞の出ていた元陸自幹部の裁判結果ね。

 

【部下女性に性暴力元陸自幹部に有罪 名古屋地裁 再発防止のさなか】(朝日新聞3月9日朝刊)

記事によると強制わいせつの罪に問われ、今回判決が出たのは元一等陸尉だった竹中裕亮被告(34)。

名古屋地裁は懲役3年・保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。記事によると「判決によると、竹中被告は23年6月3日夜、陸上自衛隊の演習場で20代の女性隊員を抱きしめるなどの暴行を加えた上、女性の胸に触ったり、女性に自身の下半身を触らせたりした。上官の立場にあることを利用し、被害者が拒絶の態度を示したのに犯行を継続した。犯行の要因は女性に対する認知のゆがみがあった」

 

ここで判決がいう「女性に対する認知のゆがみ」と言う件はよくわからないが、この辺りが私がリードの中でちらりと触れておいた「男性の生理教育」の必要性に繋がるのだ。

次に東京新聞の記事を見ると見出しから朝日と違っている。

 

【元陸自隊員に有罪判決 名古屋地裁 部下に強制わいせつ】

東京新聞は朝日が被告の実名と一等陸尉という階級名を明記したのに対し、東京新聞は実名と階級の明記は避けている。実名は避けてもいいが、自衛隊での階級は明記しておく必要があったのではないかな。陸上自衛隊の一等陸尉というと戦前の陸軍の陸軍大尉に当たる。34歳で陸軍大尉は完全にエリートコースで将来は陸将補か陸将になる幹部候補生だと思う。その彼が6月3日の深夜、滋賀県内の演習場宿営地で性的暴力をはたらいたのだ。宿営地というのはおそらく天幕(テント)の中だと思うが、問題はこのケース、深夜に人気のないテント内で34歳の一等陸尉と20代の若い女性隊員が二人だけで会っていることが怪しい話だ。

これもおそらくだけど、上官の一等陸尉が20代の若い女性を呼び出したんだろう。いくら上官だからと言って深夜にノコノコ若い女性隊員が人気のない演習場のテントに出かけていくのもおかしな話だ。朝日新聞の記事に吉田智宏裁判官が「犯行の要因は女性に対する認知のゆがみあった」と述べていることについて私は先に「よくわからない」と書いたが、こうしてその日の状況を解析していくと、この陸尉は女性隊員が自分のことを受け入れているのだと勝手に判断したのかもしれない。だからと言って「抱きしめる」「胸を触る」「女性に自身の下半身を触らせる」までエスカレートして行くのは「認知の歪み」が原因だったのだろうか?

女性には男が最初は抱きしめるから始まって最後は性的行動=セックスにまで突っ走る動物である事の認識はなかったのだろう。こちら女性側にも「認知の歪み」があった。男性は子供と高齢者を除く成人男性はほぼ100%「性的欲求」を持っている。が、ほとんどの男性はその欲望をコントロールする術を知っている。はずなのだが時々社会的地位や年齢に関係なくその欲望コントロールのキィが外れてしまう人がいるから困ったもんだ。だから私は女性が小学生の高学年の頃等しく「生理教育」を受けるように男性もまた精通(男性が人生で初めて己の射精経験をする日、人によって時期は違う)の後あたりで「生理教育」を受けて、「性的欲求」のセルフマネジメントを己の身に叩き込んでおくべきだと思う。

 

ハマス、陸自幹部、ときて次に新聞を繰っていた私が目を見張ったのは3月9日、朝日新聞朝刊の1面トップの記事。

 

【背中に銃口 泣き叫んでも】

【スーダンで性暴力 狙われた女性支援】

これは記事をきちんと引用しないと状況がきちんと見えてこない。

前文=アフリカ北東部スーダンで続く戦闘が泥沼の内戦状態に陥り、家を追われた人が1千万人を超えた。住民ら1万4千人以上が殺害され性暴力も相次ぐが、国際社会の関心は低く、「忘れられた紛争」になりつつある。

 

本文=「血が流れた街で、女性たちに何が起きたのか知ってほしい」

チャドの東部アドレ。隣り合うスーダンの西部ダルフールから逃れてきた難民の黒人女性(27)は記者に語り始めた。

スーダンの国軍と準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)の戦闘が昨年4月に始まり1ヶ月が経とうとしている頃だった。早朝からアラブ系が中心のRSFの戦闘員が逃げ惑う住民を銃撃。女性は祖母と近くの空き家に逃げ込んだ。

足音が聞こえ,7人の戦闘員が入ってきた。「あの団体で働いているのだろう?」

近所の顔見知りだった。女性が性暴力を受けた女性の支援団体で活動していることを知り、やってきたのだ。

「避妊具を持ってこい」男は天井に2度発砲し、女性の背中に銃口を突きつけた。

「ついてこなければ殺す」泣き叫んでも、無理やり押し倒された。「悲しくて、苦しくて言葉が出なかった」外には黒人住民の遺体が折り重なっていた。

同僚の20代の女性二人も強姦された。「私たちの活動を封じようと、狙い撃ちにされたのです」

いま、その同僚二人と難民キャンプに隣り合う区画で暮らす。「辛くて眠れない。でも助けを求める人がいる」

女性たちは、同じように性暴力を受けた黒人女性の支援を続けている。

国連は、性暴力が「戦争の兵器」に利用されていると指摘。グテーレス事務総長は7日、安全保障理事会で「レイプや性的搾取を目的とした拉致や人身売買など、組織的な性暴力の報告も受けている」と話した。

国際移住機関によると、戦闘前も含め、人口約5千万のスーダンで国内外に逃れた人は1070万人に達し、国内避難民は900万人、グテーレス氏は「世界最大の国内避難民の危機に立たされている」と警鐘を鳴らした(チャド東部アドレ=今泉奏、ニューヨーク=遠田寛生)

 

ハマス=パレスティナ、から日本滋賀県の陸上自衛隊演習場宿営地ときて今度はスーダンか。すると今度はこんな見出しに驚いた。

【性的盗撮どう線引き】

【選手撮影ルール、判断に迷う現場】

【「性暴力」啓発に力点 福岡県条例】

これはこれまでの性暴力と違って「盗撮」という名の「性暴力」だ。記事は長いので省略。

【性暴力被害者を支援する上谷さくら弁護士の話】を紹介して、ここにも盗撮という名の性暴力が存在することを知ってほしい。

アスリート盗撮の画像が拡散される実態や被害者の精神的に受ける影響の大きさが十分に知られておらず、各都道府県の迷惑防止条例などで罪に問われる可能性も知らない人が多いのが現状だ。福岡の動きは、盗撮行為が犯罪になる可能性を自治体が段階を踏んで知らしめる点に意義があり、現場で声かけをするときのトラブル防止にもなる。自治体が啓発活動にどれだけ予算をかけるかどうかで改正の実効性も問われる。他自治体も同様の条例制定に動いてほしい。ゆくゆくは罰則で取り締まるべきだ」

 

そうか、盗撮ねえ??そこにあるのは実は男のというか男性の「性的欲求」なんだねえ!!もう一つ行くかあ!!

【加害欲求 児童ポルノで高めた】(子どもへの性暴力 第9部 加害を考える)

この記事は少し長いので簡単に紹介するのに止めるが、記事の内容は私も読んで興味深いものだった。61歳の中年のおじさんが実名、顔写真付きの告白だ。このおじさん、実は加藤さんというのだけど、大学生の頃本屋さんで手に取った成人誌コーナーで手にした成人雑誌の漫画を見て、雷に打たれたかのような衝撃を受ける。

「これだ!自分が求めていたのはこれだったんだ」

学生時代、家庭教師をしていた男子中学生に「マスターベーションを教える」と言い、一方的にわいせつ行為に及んだこともあるそうだ。しかし、38歳の時、男の子に「手伝ってほしいことがある」と声をかけ、トイレの個室に入った。粘着テープで口をふさぎ、ズボンを下ろそうとした。男の子は「やめて」と叫んで抵抗した。

それ以上は手を出さず解放した。〈このままでは、自分は子どもの命も奪ってしまうのではないか〉、この後間もなく自首し、強制わいせつの未遂罪で執行猶予の判決を受けたという。釈放後に医師や自助グループと出会い自分と向き合ったそうだ。

「少年愛」かあ!?

 

元々は動物が生き残っていくための「種の保存」能力は出発点だったのは間違いな

いと思う。ありていに言えばオスとメスの交接行為=性行為=セックスが出発点だ。

人間をはじめ動物一般に共通しているのはオス(男性)の精巣に貯まった性液(精子)をメス(女性)の子宮内膜に存在する卵子の元へ送り届ける。このプロセスから妊娠─出産で個体の保存、増加が図られていくんだろう。本当のことを言うと、ゴリラやパンダ、モグラの種の保存はどうなっているのか?また魚や鳥や昆虫はどうなのか?具体的には全くわかりません。

しかし、面白いですね 、植物も「雄蕊」と「雌蕊」かあ。生物の世界はこうして「種の保存」が保たれていくのか?

で、人間の場合は男性と女性間の性行為(セックス)で種の保存が保たれているのだけど、最近の日本のように人口がガタガタと音を立てて減少しているのは、普通に考えて、男女間の交流と交接が減っているんですかね?だけど、男性の性的暴力は決して減ってはいないのは何故ですかね?最後に先々週くらいの本欄で取り上げた、このニュースをもう一度見てください。

 

【少女と性行為 教諭懲戒免職 都教委】

都教育委員会は14日、18歳未満の少女と性行為に及んだとして大田区立洗足池小学校の池田哲士主任教諭(41)を、女児の尻を触ったとして都立あきる野学園の野沢銀平教諭(26)を、それぞれ懲戒免職処分とした。都教委によると、今年度に懲戒免職となった公立学校の教職員は計19人。

都教委によると、池田主任教諭はSNSで知り合った少女が18歳未満と知りながら栃木県内のホテルで性行為に及んだとして23年8月に同県青少年育成条例違反罪で起訴された。別の少女とのわいせつな行為をスマートフォンで動画撮影したとして児童ポルノ禁止法違反(製造)でも起訴され、公判中。都教委の聞き取りに「性的欲求、性的欲望を満たすためだった。申し訳ない」と話したと言う。

野沢教諭は昨年9月に通勤中の電車内で座席に手を置いて女子小学生の尻を触り10月に都迷惑防止条例違反罪で川越簡裁から罰金30万円の略式命令を受けた。

都教委に「性的欲求を満たす目的だった。他にも同じような行為をした」と説明したという。

 

前にも指摘したが、「性的欲求」は得にも損にも、勝ちにも、負けにもなる言葉だ。

今や何の関係もなくなった私から言えるのは「性的欲求」は大事な言葉なんだけど、180度展開すると犯罪行為につながることをしっかり頭に入れておくこと、その一語に尽きるね!!

2024/03/11

鳥越 俊太郎 記

 

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鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

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