メールマガジン第162号:「率直に聞こう!率直に語り合おう!」~第3回対話シンポのご案内
ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会メルマガ琉球・沖縄通信国際昨年、ウクライナ戦争が起きるや、日本では「台湾有事」という、意味がきわめて曖昧な言葉が徘徊し、沖縄を中心とする南西諸島軍事化の根拠とされるようになりました。しかし万が一にでも、この地域で紛争や戦争が起これば、それこそウクライナと違って、島々に生きる人びとに逃げる場はありません。まさに「沖縄戦」の再現になってしまうのです。ウクライナ戦争に“教訓”があるとすれば、「何があろうと絶対に戦争は起こしてはならない」ということです。
昨年10月に発足した「『台湾有事』を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」は、こうした問題意識と危機感を共有し、これまで2回の対話シンポジウムを開いてきました。今年2月には台湾の民進党系、国民党系の識者を、また4月には少数派に属する若い世代の識者をそれぞれ招いて、沖縄の識者と討論しました。台湾には様々な声があること、「台湾有事」という言葉は日本発の言葉であることなど多くを沖縄側は学び、また沖縄戦の実相や米軍基地の実態などについて台湾側は知りました。
その後、シンポに参加した方たちの中から、「やはり大陸(中国)の人の話を聞いてみたい」という声が多く寄せられました。そこで、9月9日に行われる第三回対話シンポジウムには、大陸から二人の識者を招くこととなりました。呉寄南さんは上海市日本学会名誉会長、厳安林さんは上海国際問題研究院学術委員会主任です。呉さんは大陸の対日外交について、厳さんは大陸の台湾政策についての専門家です。米中対立や経済安保、福島原発「処理水」の放水などで、日中関係が微妙な現在、お二人からの話は貴重なものになるでしょう。
沖縄からの発言者は、高良沙哉・沖縄大学教授、新垣邦雄・元琉球新報記者、与那覇恵子・元名桜大学教授、神谷美由希・ゼロエミッションラボ沖縄理事の4人です。
このシンポのスローガンは「率直に聞こう!率直に語り合おう!」。対話は、異なる考え、異なる思想、異なる立場の者同士が、お互いを尊重しながら、対等な立場で、相手を理解し、共通の基盤を探り出していこうとする試みです。論破も馴れ合いも安易な結論も求めません。しかし、リアルな対面での対話は、お互いに変化を引き起こしていくものです。
9月9日(土)午後1時半開会、会場は那覇市のタイムス・ホールです。宮本雄二・元中国大使のオンラインでの講演の後、大陸と沖縄の対面での対話が行われます。ぜひ多くの皆さんが、当日、会場に足を運ばれ、沖縄、台湾、大陸を戦場にさせないための、東アジアの平和を維持するための真剣な対話を聞いていただくよう願ってやみません。(オンラインの視聴も可能です。沖縄対話プロジェクトHP参照)
岡本厚(「『台湾有事』を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」呼びかけ人)
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