【連載】植草一秀の「知られざる真実」

【連載】知られざる真実/2024年3月25日 (月) 資本主義対民主主義

植草一秀

自由・平等・友愛

フランス革命の標語。

現代フランス共和国の標語でもある。

しかし、自由と平等が同時に成り立つことは難しい。

自由を基礎に置くと弱肉強食になる。

平等にするには自由に制限を課すことが必要。

あえて解釈すれば、自由のなかで平等を達成するには友愛が必要ということになるのだろうか。

自由を基礎におけば弱肉強食になる。

弱肉強食を放置すると極限まで進む。

支配者と奴隷に二極分化する。

新自由主義と呼ばれる経済運営の思想がある。

日本では2001年から本格的に流布され、推進されてきた。

その結果として見事に格差社会が構築された。

この方向性を記す明確な記述がロスチャイルドの世界革命行動計画。

真贋は不明。

しかし、書かれている内容は本質を衝く部分が多い。

22、最終的には、我々の運動に尽くす少数の金持ち、および我々の利益を守る警察と兵士と、 プロレタリアートの大衆が残ればいい。

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次の記述もある。

10、我々は「自由・平等・博愛」という言葉を大衆に教え込んだ最初の民族である。
今日に至るまで、この言葉は愚かな人々によって繰り返されてきた。
ゴイムは、賢者であると自称する者さえ、難解さゆえにこの言葉を理解できず、その言葉の意味とその相互関係の対立に気づくことさえない。

私は資本主義と民主主義が対立概念であると述べてきた。

資本主義対民主主義

の図式で理解することが必要。

資本主義の根幹は「自由」。

そして、財産権の不可侵性を基礎に置く。

自由がもたらす結果は弱肉強食。

財産権の神格化は所得再分配を行わないということ。

自由主義を基礎に置く経済運営が推し進められたのは20世紀前半まで。

アダム・スミスの世界だ。

しかし、20世紀後半になって自由主義の弊害への取り組みが本格化した。

格差拡大の弊害が拡大して神格化された財産権にメスを入れた。

これが所得再分配である。

力の強い者の余力を切り取り、結果の平準化を図る。

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しかし、21世紀になり、強者の逆襲が加速。

これが自由主義、資本主義の再猛威である。

1%による世界支配を目指す。

しかし、巨大な障壁がある。

それが民主主義だ。

1%の支配者と99%の被支配者。

民主主義が機能するなら着地点は明白。

99%の利益に沿う決着がつけられる。

分配の格差、富の分布の格差が是正される。

1%支配勢力は民主主義の障壁をかいくぐり、1%による99%支配の構造を維持しなければならない。

何をするか。

民主主義の偽装である。

民主主義の装いを凝らしながら、民主主義の機能不全を狙う。

その民主主義の機能不全に成功しているのが日本の現実。

1%が占有する所得と富の切れ端を24%の民に付与する。

こうして25%の利権勢力を形成する。

民主主義を偽装して1%支配者に好都合な政治体制を構築している。

※なお、この記事は下記からの転載であることをお断りします。
植草一秀の『知られざる真実』2024年3月25日  資本主義主義対民主主義
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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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