【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第167号:石垣現地闘争に参加して

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

米軍掃海艦が9月7日、石垣港に寄港を強行しました。ノーモア沖縄戦の会は5日~7日、現地反対行動に具志堅隆松共同代表、新垣邦雄事務局長と私宮城恵美子の3人が参加しました。

米軍掃海艦は沖縄島うるま市のホワイトビーチを経由して石垣港に入港、米軍掃海艦の石垣港寄港は2009年以来14年ぶりで、当時はケビン・メア沖縄総領事が米軍掃海母艦を率いて与那国島に続いて石垣港に寄港しました。

ミサイル軍事要塞化が進み日米共同作戦計画が策定された中での寄港は、民間港湾の米軍による自由使用の「地ならし」であり「宣撫工作」だと思われます。「掃海訓練」とは初耳でした。海上に敷設された機雷除去の訓練だそうです。米海兵隊のEABO作戦で島々への分散展開を含めた実戦的な訓練という事でしょうか。機雷除去する仕事、つまり海の清掃を行うとの意味ですが、私には軍艦こそが海のゴミであり、存在してはならないもので、景観を損なっていると感じました。

石垣島はおよそ40年前、サンゴ礁保護運動の中心でした。オーストラリアのグレート・バリア―リーフをしのぐ、サンゴ礁の群落と海水の透明度は見事なものです。その美しい海域に米軍掃海艦は戦争を持ち込もうというのです。

石垣島は、マラリア被害で多くの人命を失った痛手から復興しました。新石垣空港建設に関してはサンゴ礁の被害を最小限に抑えた現空港の着工に落ち着いて、それ以来、長年、豊かな海が人々の生活を支えたのです。サンゴ礁を埋め立てての空港計画は破棄されました。それ以来、豊かな海と自然の共生による静かで平和な生活が守られてきました。それを丸ごと破壊する軍事化の動きが襲ってきています。到底許されるものではありません。

マイクを握る方々は、小さな軍事の穴をあけるとそこから大きな軍事化の道が広がる、だから一切、軍事化は許してはならない、と明快でした。軍事化に抗う人々に、次から次へとマイクが渡り、多くの人の信念に心動かされました。

抗議行動は「石垣島の平和と自然を守る市民連絡会」として19もの団体が結集して、市民の危機感がよく表れています。抗議行動のリーダーシップを取っているのは藤井幸子事務局長です。藤井事務局長には、多忙な中、石垣駐屯地の工事現場まで連れて行っていただきました。

於茂登岳の裾野に石垣自衛隊駐屯地が建造中です。駐屯敷地との区域を越えて外までグラウンド建設が行われています。周辺は一見するとジャングルです。於茂登岳に降り注いで集まった水は真栄里ダム、底原ダム、その他のダムに集められ田畑・農耕地を支えています。そこが軍事の地域に変貌しています。

嵩田(たけだ)、開南、川原、於茂登岳4地区と周辺の市街地の皆さんが、「市民連絡会」に集まり運動が作られています。「市民連絡会」の一つの「いのちと暮らしを守るオバーたちの会」は昭和11年生まれの登野城ルリ子さんと、それよりも一つ若い山里節子さんの頑張りが目をひきました。戦争体験者、87歳の両オバーの訴えは迫力がありました。オバーたちは、「平均年齢37歳プラス50歳」と笑い飛ばしていました。沖縄の闘いの底力(オバー)を見た思いです。

戦争を経験していない中山市長は寄港を容認しました。入港の夜には自衛隊関係者などとの歓迎会が開かれました。掃海艦は日米の国旗だけでなく満艦飾の万国旗も掲げていました。埠頭は前日からバリケードを張って市民は締め出されました。米軍には民間港を自由使用させておいて、市民を排除するありようには納得できません。軍事優先の島にするつもりなのかを問いたい。今後も米軍が沖縄の島々の民間港、民間空港に寄港を強行することが懸念されます。

山里節子さんは英語でシュプレヒコールを発し、参加者が唱和して米軍寄港に反対する市民の意志を米軍に訴えました。私たちノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会もマイクを握り連帯をアピールしました。

また地元の方々と意見交換を行いました。参加者は藤井さん、白玉さん、平地さん、寺田さん、宮良さん、笹尾夫妻、具志堅さん、他「市民連絡会」の方々と、田盛、花谷、内原、井上市議ら4人が加わりました。

今回を機に、ノーモア沖縄戦の会も積極的に離島に足を運んで、反対運動の連帯を深めることを確認しました。具志堅共同代表は台湾での講演会を報告しました。新垣邦雄事務局長は、沖縄を結集軸に国内の反対運動集会の沖縄開催、国際連帯会議の沖縄開催を提案していました。私は、米国がウクライナ同様に東アジアでも戦争を仕掛けている証言が出ていることなどを報告しました。地元からは、反対運動への市民の結集が不十分、土建業界の仕事の関係で反対しづらい、との報告がありました。その一方でミサイル配備が進む中で業者(土建)や観光関係の中にも戦争を危惧する人も出てきているとのことでした。

現地行動の期間は皆様に大変お世話になりました。どうもありがとうございました。今後とも共に闘いましょう。

宮城恵美子(ウツミ)(当会発起人)

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