【連載】知られざる真実/2024年5月24日 (金) 正しい食品表示を求める市民の集い
社会・経済メディア批評&事件検証食の安全に対する意識が高まっている。
グリホサートを主成分とする除草剤。
日本では通常のホームセンター等での販売が野放しにされている。
しかし、米国では重大な裁判所判決が示されている。
米国カリフォルニア州ではGM(遺伝子組み換え)種子とセットで販売されるグリホサート(除草剤成分)で発がんしたとしてグローバル種子企業に多額の賠償を命じる判決が多数示されている。
グリホサート等の農薬に対する規制を定める規制機関に対する、こうした機関がグリホサートは安全であるとの結論を示すように誘導する当該企業の内部文書の存在も明らかにされている。
インターネットで検索すれば、企業側が提供する「安全だ」とする情報が検索上位に並ぶ。
大資本は金の力で御用学者を買収する。
金のためなら良心をかなぐり捨てて大資本に熱烈協力する輩がいかに多いことか。
ワクチンで実証済だ。
欧米でのグリホサート訴訟でグリホサートの発がん性が公的に認められ、グリホサートに対する規制は世界的に強化されている。
ところが、日本ではグリホサートの残留基準値を極端に緩和(小麦6倍、そば150倍)している。
カリフォルニアの裁判では当該企業が、
1.早い段階から薬剤の発がん性の可能性を認識していたこと
2.研究者にそれを打ち消すような研究を依頼していたこと
3.規制機関内部と密接に連携して安全だとの結論を誘導しようとし
ていたこと
4.グリホサート単体での安全性しか検査しておらず、界面活性剤と合わさったときに強い毒性が発揮されることが隠されていること
などを窺える企業の内部文書が証拠として提出された。
米国産の食肉には「エストロゲン」という成長ホルモンや成長促進剤のラクトパミンが使用されており、日本の検査はザルなので日本の消費者はこれらの薬剤成分が混入する食肉を摂取している。
成長ホルモンは国内で畜産、酪農で使用することが禁止されているが、輸入品には混入している。
欧州はこれらの使用を禁止しているため輸入しないが、日本はザルであるため、カナダやオーストラリア、ニュージーランドも日本向けには成長ホルモンなどを使用した食肉等を輸出していると言われる。
日本国民の食の安全が深刻に脅かされている。
消費者は、食品を購入する場合に使用されている原材料の属性を知る権利を有する。
この権利を保障するために「食品表示規制」が設けられているが、これらの規制が「消費者のため」ではなく「巨大資本のため」に制定されている。
食品表示は食品に関する情報や安全性を消費者に伝えるための表示。
2105年までは「食品衛生法」、「JAS法」、「健康増進法」で規制されていた。
これらが一つにまとめられて「食品表示法」が制定された。
食品表示法は2015年4月に施行されたが、産地偽装問題などが表面化し、2017年9月に食品表示基準が改正・施行され、
「新たな加工食品の原料原産地表示制度」
が策定され、2022年4月に完全実施された。
表示の対象は一部食品から全部に拡大されたが、原料の表示は分量の多い上位1位だけになり、「輸入」という大括り表示も新たに導入された。
また、中間原料製造地を「国内製造」などと表示する表示法も作られた。
輸入小麦を国内で製粉すると「国内製造」と表示できるが、消費者の視点からすれば「国産小麦」と紛らわしい。
「遺伝子組換え表示」については、遺伝子組み換え原材料の混入を完全に防ぐことが難しく、「混入5%以下」のものを「遺伝子組み換えでない」と表記していたが、規制を強化する方向での検討のなかで、EU並みの「1%以下」を「遺伝子組み換えでない」と表記することが提案されたが、日本政府は「不検出(0.01~0.1%)」の表示だけしか認めなかった。
しかし、現実問題として混入率を0.01~0.1%に引き下げることは不可能で、事実上「遺伝子組み換えでない」の表示が不可能になった。
NHKはニュース報道で「遺伝子組み換えの食品表示基準が厳格化されることになる」と報道したが、実態は異なる。
事実上、「遺伝子組み換えでない」の表示を不可能にする制度改悪が実施されたのである。
この改悪制度が2023年4月に施行された。
こうした現実を背景に、5月28日(火)に衆議院第一議員会館大会議室で「5・28正しい食品表示を求める市民の集い」が開催される。
主催者より多数の市民の参加呼びかけを依頼された。
ぜひ、この集いに参加賜りたい。
「5・28正しい食品表示を求める市民の集い」
【日時】 2024年5月28日(火) 15時~17時
(14時40分からロビーで入館証を配布)
【会場】 衆議院第1議員会館 大会議室、オンライン併用
【参加費】無料
申込方法 https://forms.gle/BfexZBa7PWxPfA6w9
https://hyojinet.org/?p=133
主催 食品表示問題ネットワーク
<問合せ先>
〒169-0051東京都新宿区西早稲田1-9-19-207
TEL:03-5155-4756 FAX:03-5155-4767
e-mail:office@hyojinet.org
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
スリーネーションズリサーチ株式会社
http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
http://foomii.com/00050
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内
植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050