再稼働3兄弟 2023-12-22 | 2023-12-22 | 志賀原発
社会・経済12月24日投開票の志賀町長選に立候補した3人の政策アンケートが今朝(12月22日)の北陸中日新聞に掲載されている。
2023.12.22 北陸中日新聞 (赤枠は北野作成)
志賀原発の再稼働については3候補ともに主張に大差はない。早期の再稼働を期待する候補者ばかりだ。
原告団は先月の原子力防災訓練に合わせて住民アンケートを実施している。
報告書は近日中に原告団HPでも紹介するが、そのアンケートの中で再稼働についての意見も聞いているの紹介する。
志賀町(94人)と今回のアンケート調査に入った3市町(志賀町・羽咋市・宝達志水町の計229人)の回答結果は下記の通りであった。
アンケート調査の対象住民は、今回の避難訓練対象地区の住民で、特に原発の賛否で選別しているわけではない。無作為抽出といっていい。
志賀町の調査地区は福浦、熊野、上熊野の3地区だが、早期の再稼働に期待するとした人は14%、廃炉を望むとした人は21%で、「廃炉」が「再稼働」の1.5倍である。
そして最も多かったのは「安全性や避難計画の実効性を、時間をかけて慎重に確認すべき」で、45%である。
全国的には岸田政権の原発回帰路線、そして志賀原発を巡っては敷地内断層の活動性「否定」というこの1年の動きの中にあっても、廃炉を望む住民層はしっかりと存在する。
そして住民全体を見れば再稼働に慎重姿勢が多数派である。
今回の町長選挙は、小泉前町長の収賄容疑での逮捕・辞職を受けての選挙であり、町政の刷新や入札制度改革がまずは注目されるのはわかるが、町政の最重要課題である志賀原発の今後について、「早期の再稼働に期待する」というわずか14%の少数派の立場を3人の候補者がそろって代弁する異常・奇妙な構図となっている。
北陸電力は2026年1月の再稼働を想定している。
このスケジュールを前提にいうならば、今回の選挙で当選した町長は、「再稼働の地元同意」を巡る決断をしなければいけない立場にある。
廃炉を望む住民や、安全対策の徹底や避難計画を案じる町民の声をこの3候補はどう考えているのだろうか。
一般論で言うならば、多数派が常に正しいとは限らず、政治家が深い洞察力で、あるべき方向に向かってリーダーシップを発揮することが後世、高く評価されることもある。
しかし、このお三方、早期再稼働が住民の多数派だと勘違いし、なんら疑問に思っていない節がある。
せめて町民の中の少数派の声を自分はあえて代弁しているんだという自覚くらいは欲しいところだ。
町政への信頼回復を語るのならば、原発政策についても再稼働ありきで突き進むのではなく、まずは町民の声に謙虚に耳を傾けることから始めるべきだろう。
どなたが当選するかはわからないが、今回の選挙で「早期再稼働の信任を得た」と語ることは許されない。
さらに付け加えるならば、町長が2代続けて収賄を巡る疑惑で辞職した「町の体質」は、原発マネーにどっぷり漬かってきた地域経済と果たして無関係なのか。抽象的な「町政の刷新」の掛け声や、技術論にとどまる「入札制度改革」の議論だけではなく、町政のど真ん中に据えられてきた原発の存在にも踏み込んだ議論が聞きたいところだ。
残念ながら選挙戦も残すところあと1日。
町長選に関しては、所詮外野からのヤジでしかないが、志賀再稼働問題に関しては私をはじめ多くの県民は決して外野ではない。
当選後の新町長に対しては、様々な働きかけをしていかなければならない。
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珠洲原発反対運動に関わり31歳から石川県議を3期務める。その後、石川県平和運動センター事務局で平和運動に携わり、2011年から2期珠洲市議を務める。現在「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」団長。