【寄稿】:5月31日の反WHO巨大デモを振り返る ―左派・リベラルは右派・保守主導の反グローバリズム運動にどう向き合うのか?(上)

嶋崎史崇(市民記者・MLA+研究所研究員)

「2万人」が日比谷-銀座デモに結集

さる5月31日、厚生労働省本部の向かいに位置する東京・日比谷公園で、公称2万人参加の反WHO集会が開催され、銀座方面に向かってデモ行進が行われました。当日から約2週間が経過した今、各種メディアの反応―もしくは“無反応”―を見据えつつ、この歴史的行事を総括する意図で、この原稿を執筆しました。
「2万人」の出典は「WHOから命を守る国民運動」:https://x.com/officialAntiWHO/status/1798048877930750448

ISFでも既に高橋清隆氏の充実した速報記事がいち早く転載され、IWJもワクチン被害者遺族の悲痛な訴えに焦点を当てつつ反応を示しました。

ISF「【高橋清隆の文書館】2024年05月31日 高橋清隆の文書館 『武見大臣と厚労省職員はここに降りて来て我々の話を聞け』、WHOから命を守る 5.31決起集会で1万人以上が気勢」
https://isfweb.org/post-38127/

IWJ:「新型コロナワクチン被害者遺族・小金井孝行氏『この先、国はワクチンを強制にするかもしれない。明日は我が身なんです。だからこそ国の悪行は絶対に止めなきゃいけない』」~5.31 WHOから命をまもる国民運動『大決起集会』日比谷デモパレード」、2024年6月4日公開。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523316

高橋氏の記事で井上正康・大阪市立大学名誉教授が―リスクを顧みずワクチン接種を推進する信念とみなせる―「ワクチン真理教」について語っています。このワクチン真理教が、森永卓郎氏が指摘した「ザイム真理教」と並び立つ現代日本の虚構的「神話」なのかもしれません。井上氏には、『なぜ、医師の私が命がけでWHO脱退を呼びかけるのか? 次のパンデミックで日本の自由と未来を奪われないために』(方丈社、2024年)という貴重な著作もあります(155頁以下に、「ワクチンは絶対善」を教義とする「“ワクチン真理教の信者”」という言葉あり)。

私自身、現地に足を運びました。約3千人収容の日比谷野外音楽堂の外に、何倍もの人が溢れ返り、6時まで待ってもデモに出発できなかった人が千人単位でいたとのことで、2万人は大袈裟ではないと思います。

日比谷野外音楽堂前に集結した人々。この記事の写真は嶋崎史崇撮影。

レプリコン(自己増殖型)ワクチンは「3度目の原爆」?

平日昼間にもかかわらず、全国から参加者が結集し、大変な熱気でした。銀座の繁華街で、数十もの梯団が延々と歩き続け、新型のレプリコン(自己増殖型)ワクチン製造で有名なMeiji Seika・ファルマ本社前も通りました。そもそもこれだけの大運動が、事故もなく行われたこと自体が、大きな成果でしょう。

既存のmRNAワクチンの最新型であるレプリコンワクチンの潜在的リスクについては、免疫学者の荒川央博士が警鐘を鳴らしています。接種を受けた人から、他者にワクチン由来の有害物質が伝播するかどうかが、専門家の間で最大の焦点になっています。
https://note.com/hiroshi_arakawa/m/m401b8ba90b09

レプリコンワクチンを「3度目の原爆」に例える横断幕。

いわゆるパンデミック条約と国際保健規則改定案に反対

主催は「WHOから命を守る国民運動」で、共催はWHOとは別の医療の可能性を模索する「ワールドカウンシル・フォー・ヘルス日本支部」(WCHJ)です。主権を脅かしうる、いわゆる「パンデミック条約」および国際保健規則(IHR)改定に抗議し、コロナワクチン薬害の悲惨な実態を周知し、緊急事態条項や、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」による言論統制、国への権限集約を図る地方自治法改正案に反対する、といった主旨でした。4月13日に大規模な同主旨の大規模デモが東京・池袋で行われ、その続編と思われます。当時は、時事通信が最低限の報道をしていましたが、今回は記事を見つけることができませんでした。

「パンデミック条約反対でデモ―東京・池袋」、2024年4月13日。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024041300474&g=soc

当日配布された多様なシュプレヒコール集はこちらです。「生物兵器」や「プランデミック」等、非常に強烈な言葉も並んでいることに、拒否感を覚える向きもあるかもしれません。けれども、少なくとも比喩的な意味でそうした言葉を使いたくなるほど、不可解な惨事が起きているのではないでしょうか。

主催者が準備し、ネット上で自由にダウンロードしても良いとされるチラシには、ISFにもご縁のある原口一博・衆院議員、池田利恵・日野市議らが名前を連ねています。コロナ対策やコロナワクチン後遺症対策としての栄養療法の研究で名高く、WCH日本支部代表を務める柳澤厚生・杏林大学元教授も加わっています。

 

「WHOから命を守る国民運動」ホームページから。
https://anti-who.jp/

 

【寄稿】寄稿:5月31日の反WHO巨大デモを振り返る ―左派・リベラルは右派・保守主導の反グローバリズム運動にどう向き合うのか?(下)に続く

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

☆ISF主催公開シンポジウム:日米合同委員会の存在と対米従属 からの脱却を問う

☆ISF主催トーク茶話会:エマニュエル・パストリッチさんを囲んでのトーク茶話会のご案内

☆ISF主催トーク茶話会:安部芳裕さんを囲んでのトーク茶話会のご案内

☆ISF主催トーク茶話会:浜田和幸さんを囲んでのトーク茶話会のご案内

★ISF(独立言論フォーラム)「市民記者」募集のお知らせ:来たれ!真実探究&戦争廃絶の志のある仲間たち

※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

「独立言論フォーラム(ISF)ご支援のお願い」

嶋崎史崇(市民記者・MLA+研究所研究員) 嶋崎史崇(市民記者・MLA+研究所研究員)

しまざき・ふみたか 1984年生まれ。MLA+研究所研究員。東京大学文学部卒、同大学院人文社会系研究科修士課程(哲学専門分野)修了。著書に『ウクライナ・ コロナワクチン報道にみるメディア危機』(本の泉社、2023年6月)。記事内容は全て私個人の見解。主な論文に「思想としてのコロナワクチン危機―医産複合体論、ハイデガーの技術論、アーレントの全体主義論を手掛かりに」(名古屋哲学研究会編『哲学と現代』第39号、2024年)。論文は以下で読めます。 https://researchmap.jp/fshimazaki 記事へのご意見、ご感想は、以下までお寄せください。 elpis_eleutheria@yahoo.co.jp

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ