【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第197号:ガザ地区・イスラエル紛争の即時停戦を訴える 「今日のガザは明日の沖縄」

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

 

「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」は日米政府が中国脅威論を煽る「台湾有事」に対処する台湾、沖縄・日本の軍備強化に反対する行動を行なっています。
県民はガザの惨状に心を痛め、即時停戦を訴えるスタンディングを行い、12月23日(土)には、那覇市のメインストリートである国際通りでのデモ行進と集会を計画しています。

多数の子供や女性、市民が犠牲となるガザの惨状は、近未来の沖縄戦のありさまを予想させます。ガザに対する無差別攻撃は「国際人道法に反する」と批判を浴びてますが、住宅密集地の真ん中やすぐ近くに米軍基地やミサイル基地を配備する沖縄の状況も「国際人道法」に反しています。

海とイスラエルが設置した壁に囲まれるガザ地区は、戦争になった場合、ウクライナのように陸続きで逃げることができません。沖縄も、台湾も、周りを海に囲まれ、戦時には軍事利用される空港や港湾も攻撃目標となり、住民は島の外に逃げることができません。その沖縄の島々に、日米はミサイル基地を配備し、中国との戦争準備を進めています。

沖縄の島々に配備されるミサイルは、中国にも届く長距離ミサイルです。米軍はウクライナに供与したハイマースやトマホークミサイル、極超音速ミサイルの配備を計画しています。自衛隊も離島防衛用高速滑空弾など各種の長距離ミサイルの配備を計画しています。これらのミサイルは全て車載式、車に乗せて移動しながら発射するもので、配備するミサイル基地が標的になるだけでなく、基地を出たミサイル発射車両が島中に展開し、島中が攻撃拠点となり、敵国のミサイルの攻撃目標となります。島々の住民は逃げ惑い、島の外に逃げることもできず、ガザと同じように多数の住民が犠牲となることは確実です。

このように島外に逃げることができない小さな島にミサイル攻撃基地を設置することは、「国際人道法」が定める「軍民分離の原則」に明確に反します。空港や港湾は軍事利用が計画されているため、戦時下で攻撃目標となり、住民は島外に避難することは出来ません。

「国際人道法」は戦時下の文民の保護を義務付けています。ジュネーブ条約追加議定書は「住宅密集地の近くに攻撃目標となる軍事施設の設置を避ける」ことを規定しています。沖縄の島々の「ミサイル攻撃基地化」は、ジュネーブ条約追加議定書に明確に反していることを重ねて強調します。

今年1月1日の琉球新報は、防衛省のシンクタンクである防衛研究所の高橋杉雄・防衛政策研究室長のインタビューを掲載しました。高橋氏は、台湾有事を巡って中国と戦争になった場合、「半年から1年」の長期戦を予想しています。1945年の沖縄戦では3カ月の戦闘で沖縄県民は約14万人が犠牲となりました。「半年から1年」の戦争、しかも最新鋭のミサイル戦争となれば、沖縄県民は死に絶えてしまうことでしょう。

高橋室長は、中国軍との戦闘により「日本だけでなく台湾を含む地域全体がウクライナのように破壊される可能性が高い」とも予想しています。台湾や沖縄がウクライナやガザのような戦場となることを想定しつつ、沖縄の戦争準備、戦争計画を進めています。

自民党副総裁の麻生太郎氏は8月に台湾を訪問し、日米、台湾が力を合わせて中国と「戦う覚悟を」と発言しました。これに対し、11月21日に那覇で講演した台湾労働人権協会のツアン・ルーシン氏は「台湾有事=日本有事論は、台湾を助けず、戦争を誘発する」、「日米が台湾有事に関与することは、内政干渉であり、侵略戦争」と批判しました。台湾と中国の統一問題は、対話による解決が可能であり、大国(米国、日本)の介入が戦争の危機を高める」と厳しく批判しました。

米国は第二次大戦終結後に、沖縄・日本、韓国、フィリピンに軍事基地を置き、ソ連、中国の共産国に対する軍事的な防波堤としてきました。ソ連の崩壊後も米軍基地のプレゼンスを維持し、現在は中国封じ込めの前線基地として沖縄・日本、韓国、フィリピン、台湾を利用しています。米国の世界ナンバーワンの「軍事・経済」覇権を維持するための対中国軍事包囲網を築き、アジアの国々の軍事的な緊張を高め、この地域を戦争に巻き込もうとしています。

米国政府が宣伝する「中国脅威論」は本当でしょうか。中国と台湾の紛争があった1958年の第3次海峡危機の時に、在沖米軍基地から中国・福建省に対する核攻撃を米軍が真剣に検討していたことが、ダニエル・エルズバーグ氏の文書に記されていたことが日本の共同通信社により報道されました。

本土復帰前、1967年の沖縄に米軍は1287発の核兵器を貯蔵し、台湾にも56発を配置していたことが国防総省の文書で明らかになっています。沖縄のメースB地対地核ミサイル基地は、「中国の北京、上海、重慶、武漢など工業都市」に照準を向け、1962年のキューバ危機時には、読谷村のメースB基地に誤った発射命令が出され、現場の判断により発射を回避したことをNHKが報道しています。誤った発射命令が実行されていれば、中国やソ連の報復攻撃により沖縄は壊滅し、世界核戦争に陥っていたかもしれません。1950年代以降、米国は中国に対し、「核の脅威」を与え続けてきたのです。

米国は朝鮮戦争でもベトナム戦争でも、核兵器の使用を検討し、そのための部隊を沖縄に置きました。米国は、緊張が高まる朝鮮半島に対しても最近、ミサイルを搭載する米軍潜水艦を韓国に寄港させ、戦略爆撃機の韓国基地への着陸が報道されました。東アジアの軍事緊張を高めているのは米軍のアジアへのプレゼンスであり、米軍の軍事力に対抗するために中国や北朝鮮が核兵器の増強などの軍備を強化しているのです。

11月23日、沖縄の那覇市で開かれた「県民平和大集会」には1万人以上の県民が結集し、日本全国から多数が参加して「沖縄を再び戦場にしてはならない」と声を上げました。沖縄だけでなく「日本を戦場にしてはならない」、「沖縄は被害者にも加害者にもならない」と訴えました。軍拡競争を中止し、軍縮と国際間の対話による問題の解決を訴えました。

米国、中国は核保有国です。日米と中国が戦争をすれば、核戦争にエスカレートし、世界の終末戦争になりかねません。戦争の選択肢はありえないのです。
ウクライナ、ガザに続いて沖縄、台湾、中国も戦場となりかねない情勢です。アジア各国、そして米国の市民が手を結び合って「戦争の回避」、国際問題の対話による解決を進めましょう。そのためには戦争の火種となる米軍のアジアからの撤退しか選択肢はありません。

私達の住んでいる島は無人島ではなく「人間の住んでいる島」です。この島を中国に対するミサイル攻撃基地とすることは、許されません。米軍にとっての「基地の島OKINAWA」から米軍基地を撤去し、「人間の住んでいる島」、戦争のない平和な島を取り戻すことを日米政府、米国市民、国連、国際社会に訴え続けます。

新垣邦雄(当会事務局長)

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