【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

第2回 出生数81万人1604人(2021年生まれ)/死亡者数143万9809人/人口自然減(年間)62万8205人/やばいぞやばいぞ!!ニッポン、日本は!

鳥越俊太郎

発行者:鳥越俊太郎(ニュースの職人)2022/06/06 10:00 配信の記事
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今日はこれまで何度か言及した日本の人口減について、みなさんと共に考えてみたい。

総務省統計局が公表している日本人の直近の人口は2022年5月1日現在の概算値だと、1億2505万人で、前年同月日に比べ73万人減だそうだ。

これだと大変だなあ、1年間にこんなにも多くの日本人がいなくなっているのか?

岡山市の人口が72万人、熊本市が73万人、鳥取県は2021年3月に人口が55万人を割って54万9925人になったと大騒ぎだ。

1年間で鳥取県はもちろん、岡山市や熊本市がすぽっと消えて無くなってしまうことになる。

こんな調子で毎年鳥取県や熊本市が消えてなくなると日本はどうなるのか?

本当に心配になる。

正直いうと私はもうこれでいいのだよ、後生きても5年だから人口減の心配はしない。

けどね、娘や孫、その世代の日本人のことを考えるとねぇ!!

やはり胸というか頭というか痛むのだよね。

減少のカーブがもう少しキツくなると、年間の人口減少は70万台から80万台に乗ってくる。大阪府堺市が82万人だから、毎年堺市が日本から消失することを考えるとじっとしてられないな。

そんなことを考えていた日々。6月4日の新聞に一斉に「人口動態統計」の記事が出た。こちらは厚生労働省の発表だな。事前発表だから新聞各社扱いを考えてきたな。

朝日新聞は1面トップ凸版大見出しで、「出生81万人 少子化加速」「国推計より6年早く到達」「昨年 出生率1.30」。

3面トップ、紙面の3分の2くらいを使って人口減深掘り記事。「少子化 保育現場に危機」「定員割れ 収入源に悩む施設も」「『待機児童解消』から一転」「対策から30年歯止めきかず」「『一つの施策で回復しない』」。

人口減少問題に深入りする前に他の新聞の扱いも見ておこう。

毎日新聞は一面左肩に3段見出しで、「出生率1.30下落止まらず」「21年、出生数最少81万人」「人口動態統計」。
また3面で「焦点」と題する解説記事。こちらも3面の3分の2くらい。「少子化 想定超す速さ」「出生率 6年連続低下」「政府対策 効果薄く」で始まる記事の中の見出しはこうだ。

「雇用の不安定さ影響」

どーんときたなぁ!!

毎日新聞は中身の詳説は後に回し、もう一紙、東京新聞は3面に囲み記事3段見出しで「2021年生まれ 最少81万人」「人口自然減62万人」

さてと、ここからは人口減の問題点を一つ一つ拾い出して行こう。

1947年から49年までの「団塊の世代」。年間260万人という出生数は戦後が産んだ異常さなのかもしれないが、団塊ジュニアの出生数がピークだった1973年には209万人を記録して以降、日本人の出生数の減少には歯止めはかかっていない。

2016年に100万人を割り込んで以来、わずか3年後の2019年には90万人を割り込む事態となった。そして2022年。80万人割り込む瀬戸際、81万人だ。このまま前年比5.8%前後の減少が続くとわずか12年で、つまり2034年には年間出生数は、なんと40万人という衝撃的な数字となる。

1年間に日本人が生まれるのがたった40万人、ということ。このままだと日本は大丈夫かな、と思ってしまう。人口減少を考える時はいつも女性の行動だ、男は関係ない。

一人の女性が生涯に産む子供の数を指数化した「合計特殊出生率」という数字がある。実は2021年の「合計特殊出生率」がかなり衝撃的な

「1.30」だった。これは2005年に過去最低の「1.26」まで落ち込み騒がれたが、やがて団塊ジュニアが出産適齢期に入り2015年には「合計特殊出生率」も「1.45」まで持ち直した。この「合計特殊出生率」は一人の女性が生涯に子供を産む数だが、人口が横ばいになるには「2.1」くらいないとダメだと言われている。

子供は男女1組で生まれる訳だから、「合計特殊出生率」が「1.0」なら人口は半減、「2.1」で人口は横ばい状態になる勘定だ。つまり二人から二人ということだ。

それが2021年にはなんと「1.30」の「81万人」だ。各紙ともこの人口減少の原因や背景をそれなりに探っている。

毎日新聞の「焦点」はこう書いている。

「少子化の原因としては晩婚化や未婚化の他、若者の雇用の不安定化が挙げられる。非正規で働く人の割合は男性で22%、女性だと54%に上る。非正規で働く男性で結婚している割合は48%に過ぎず、正規で働く男性よりも17ポイントも低い」。

つまり、日本では結婚をしない人が増えたり、晩婚化のため子供の数が減ってくる。結婚が大前提だ。そのためか、朝日も毎日も大原稿の最後を婚姻件数の減少で締め括っている。

「婚姻件数は2年連続の減少で戦後最少の50万1116組だった。厚労省はコロナ禍の影響も婚姻数や出生数を押し下げたとみている」(朝日新聞)

「婚姻件数は前年より4391組減り、50万1116組で戦後最少を記録した。離婚件数は前年から8867組み減の18万4386組だった」(毎日新聞)

後に述べるフランスのように「婚外子」が生まれてくる子供の半数に当たる社会と違って、日本は結婚が大前提だ。それなのに朝日も毎日も婚姻件数の減少は記事の最後にサラッと書いている。踏み込んでいない。ここが中心なのだから、ちゃんと分析してほしい。

80代の私から見ると、現代の男女関係は私の若い時代より遥かにフリーで出会う環境も遥かに恵まれている。それなのに婚姻件数が減るのは何故か?

私たちは男として生まれたからには、結婚して子供を作り、次の時代に引き継ぐ。これは大前提というか自然な考えだった。今は必ずしもそうとも限らないらしい。

勿論だが、結婚して子供は欲しい、だけど生理的な要因で子供ができない夫婦もいる。彼らは彼らなりに社会的に貢献し、次の世代に引き継いでいけばいい。問題はやはり婚姻件数が減少していることだ。

これが続くとどうなるのか?

内閣府の「人口推計における参考推計」によると2100年には日本の人口は6414万に減少するという。現在2022年の人口が1億2500万人だから、78年後の日本人は今の半分になるということだ。「人口半減社会」がやってくる。高齢化、老齢化という現象も進む。

内閣府の説明によれば、「2000年には高齢者1人あたり生産年齢人口が4人であったのが、2050年には高齢者1人あたり生産年齢人口は1.5。もはや日本は「年老いた国」となる。

こうなると今の社会保障制度、現役世代=生産年齢人口が高齢者に仕送りをするというシステムは全く壊れてしまう。成り立たないのだ。

高齢者は仕事を辞めた後年金や医療保険で助かるという社会保障制度が成り立たなくなるのだ。

これから高齢者になる人たち、どうするんだろうね?

私たち、今の高齢者はいい、もう去って行くだけだから。しかし、今の10代、20代、30代のあなたたちには降りかかってくる問題だよ。

自分達の将来の最大の問題はこの人口問題=結婚問題なんだよ。

昔、東大の教授が「日高パーティ」なるものを開いて男女の出会いの場を作っていたなあ。この手があったか。「鳥越パーティ」か!!

私もある男性が仲介人になり私たちに見合いの場を設定してくれた。その男性は妻の父の教え子であり、私の父の仕事上の取引先という関係だった。

このお節介な人物のおかげで私達は出会い、結婚し、子をなし、ある程度人生を全うしたと思っている。「鳥越パーティ」までも行かなくても、もう少しお節介でもいいかも?と思う。

 

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鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

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