安倍・岸田軍拡43兆円の無駄遣い 隠蔽主義の「カルト集団」防衛省・自衛隊◉清谷信一(紙の爆弾2024年10月号掲載)(紙の爆弾2024年10月号掲載)
社会・経済政治#防衛費GDP2 %の算定基準 #公開情報をあたかも軍事機密のように隠す #防衛省 #自衛隊 #官製談合 #ブッシュマスター耐地雷装甲車 #陸自衛生キット #UH ‐60J #防弾ベスト
整合性なき防衛費倍増
かつて防衛費にはGDP(国内総生産)の1%という枠があったが、故安倍晋三元首相が第2次政権後にGDP2%を目指すとぶち上げて、岸田政権はそれまで5兆円台だった防衛費を5年間で43兆円、1年あたり8.6兆円にする大幅増額に踏み切った。
だが政府与党にも防衛省・自衛隊にも軍事に対する当事者意識と能力が欠陥といえるほどに欠けている。
この状態で「大軍拡」を行なうのはむしろ国防を危うくする。
安倍元首相は国債を刷ればいくらでも軍拡が可能だと主張していたが無責任にも程がある。
ソビエト連邦は経済力を無視して無謀な軍拡に走って崩壊した。それと同じことになりかねない。
岸田政権は財源が必要との認識を持っている分、まだまともかもしれない。
だが、それで建設国債5千億円を防衛費に当てている。
これは借金に変わりはない。
菅義偉元官房長官が始めたふるさと納税こと「ふるさと脱税」で5千億円以上の税金がダダ漏れしている。
防衛費を建設国債で賄うくらいならば、ふるさと納税をやめればいいと思うのだが、筆者が浜田靖一防衛大臣(当時)に質したところ、自民党国防部会では議論にも上らなかったとのことだ。
そもそも安倍元首相の言いだした防衛費GDP2%には何ら軍事的な整合性はない。
単にアベノミクスの失敗が明らかになったので、首相の座を菅氏に禅譲し、「強いリーダー」を演出して再び首相の座に返り咲こうとして「国難」を煽っただけだろう。
第2次安倍政権時とその後に我が国周辺の緊張が高まった事実はない。
そして防衛費GDP2%への倍増の論拠は薄弱だ。
単に米国がNATOに対して要求しているものを「借用」しただけだろう。
これを自民党は選挙公約にしたが、防衛費GDP2%の算定をこれまでの我が国の算定方法でいくのか、NATOと同じ算定方法でいくのかすら決めていなかった。
両者では当時で約3千億円も違ったのだが、自民党の政治家はそれすら認識していなかったほど「軍事音痴」だった。
防衛省のシンクタンクである防衛研究所の高橋杉雄氏(現防衛研究所・防衛政策研究室長)らが頻繁にメディアに露出して「GDP2%が妥当である」などと言っているが、専門家の発言とは信じられない発言だ。
いくら発言は個人の見解だと強弁しても、防衛研究所の見解と読者・視聴者は理解するだろう。
自民党は本来政治的な思惑とはニュートラルであるべき防衛研究所を世論操作の道具として使用したのだ。
こんなことは以前にはなかった。
この算定基準の問題は筆者が指摘し、その後、財務省の財政制度等審議会の資料でも指摘されて知られるようになったものの、新聞・テレビなどの記者クラブメディアも認識していなかった。
大軍拡の「共犯者」は記者クラブだ。彼らは会見やその他の取材機会を独占して、他の媒体やフリーランスを排除し取材を密室化することで利益を得てきた。
また単に会社の辞令で配属されるので専門知識はない。
第2次安倍政権では、次年度予算と当年の補正予算を「悪用」し、また概算要求時に金額を入れない「事項要求」を導入することで軍拡が行なわれてきた。たとえば概算要求時、本来5.6兆円の防衛費のうち、3千億円が金額を明記しない「事項要求」であれば発表される金額は5.3兆円となる。
これが新聞やテレビのヘッドラインに載るわけで、読者・視聴者は防衛費を過小に認識する。
補正予算は本来、予算編成時に予期できなかった突発的な事態に対処するために組まれる予算である。
たとえば大規模な震災や水害で自衛隊が出動して、損耗した装備等を手当する、あるいは急な円安やエネルギー価格の高騰で燃料費が足りなくなって、それを手当するというものだ。
ところが第2次安倍政権では輸送機や装甲車、隊舎の建て替えなどといった補正予算の本来の目的を外れた使い方をした。
これらはれっきとした違法行為であり、事項要求の例と同様、政府予算の防衛費をそれだけ過小に見せることができる。
これは露骨な世論操作だが、それに新聞やテレビ、通信社は加担してきたということだ。
組織延命のための「トカゲの頭切り」
7月に海自幕僚長が引責辞任したように、防衛省・自衛隊は近年、多くの処罰者を出しているが、これは氷山の一角にすぎない。
それは彼らが過度な秘密主義・隠蔽主義によって、国民に対し自分たちが何をやっているのか隠すのが恒常化しているからだ。
外部の目が届かないので犯罪行為すら「組織の利益」になれば許されるという歪んだ文化が形成されている。
これはオウム真理教などのカルト集団と大変似ている。自分たちの教義は絶対であり、それを批判する外部の人間は法敵である。
また組織内でも組織のやり方に疑問を挟む者は異端として排除される。
筆者は7月9日、木原稔防衛大臣に定例会見で明確なエビデンスを示し、公開情報
日本にも導入される検閲産業複合体↓
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