【櫻井ジャーナル】2024.10.13櫻井春彦 : イランによるイスラエルへの報復攻撃で基地などの被害状況を伝えた記者を逮捕
国際政治イスラエル当局はアメリカ人ジャーナリストのジェレミー・ロフレドを逮捕した。10月1日にイラン軍は180機以上の弾道ミサイルを発射、イスラエルの軍事基地や情報機関の本部を攻撃した。イスラエル政府は否定しているが、周辺でミサイル攻撃の様子が撮影されたほか、何人かのジャーナリストが着弾地点を実際に調べている。そうした取材、報道していたひとりがロフレドだ。保釈にはなったが、出国は禁止されている。
攻撃された場所はF-35戦闘機を配備するネバティム基地、ハッサン・ナスララをはじめとするヒズボラの指導者を殺害したネツァリム基地、弾道ミサイルのあるテル・ノフ基地、そしてモサドの本部など。ロフレドは、ネゲブのネバティム空軍基地からテルアビブのモサド本部まで、イランのミサイル攻撃を受けた軍事基地や情報機関モサドの本部を訪れて被害を確認している。
このイランによる攻撃はイスラエルに対する報復だった。イスラエル空軍は4月1日にゴラン高原の方向からダマスカスを攻撃してイラン大使館領事部を破壊、IRGC(イスラム革命防衛隊)の特殊部隊コッズの上級司令官であるモハマド・レザー・ザヘディ准将と副官のモハマド・ハディ・ハジ・ラヒミ准将を含む将校7名を殺害、7月31日にはテヘランにいたハマスのイスマイル・ハニヤを暗殺している。
こうした攻撃に対するイラン政府の報復は不可避だと考えられたが、動きは鈍かった。焦らしているとする推測もあったが、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領によると、イスラエルを攻撃しなければイランに対する実質的な制裁の解除と、ハマスの条件に沿ったガザでの停戦保証を欧米の当局者は提案、その提案をペゼシュキアは信じというのだが、それが事実ならあまりにもお粗末。愚かすぎた。
そして9月27日、イスラエル軍は南レバノンにバンカー・バスター爆弾(地中貫通爆弾)約85発を投下して破壊。レバノン社会医学協会のライフ・レダ会長はイスラエルがバンカー・バスター爆弾BLU-109の弾頭に劣化ウラン弾を使っている疑いがあると語った。サイード・ナスララをはじめとするヒズボラの幹部が殺されたほか、少なからぬ市民が犠牲になっている。そのイスラエルによる攻撃でペゼシュキアンは目が覚めたのかもしれない。
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