【連載】百々峰だより(寺島隆吉)

百々峰だより(2024/10/10) 『翻訳NEWS』素材情報20241010――緊急出版『イスラエルに鉄槌を! ユダヤ人がユダヤ人を殺したハーバラ協定』の「あとがき」

寺島隆吉

国際教育(2024/10/10)
ICJ(International Court of Justice 国際司法裁判所)
ジェノサイド(GENOCIDe集団殺戮(さつりく))
ハンニバル指令(Hannibal Directive、イスラエル軍の自軍兵士にたいする殺害命令)

アシュケナージ系ユダヤ人(東欧系、白人)
スファルディ系ユダヤ人(アジア・アフリカ系、褐色人)
超正統派ユダヤ人(ウルトラオーソドックス、ユダヤ教の教義や戒律を厳格に守り、そのために自らをある程度隔離して生活している様々な派閥)

ハザール王国(かつて黒海北部からコーカサス地域にかけて栄えた遊牧民族国家)
シオニズム(かつてユダヤの地であったシオンの丘に再び国家を建設しようとする運動)
ハーバラ協定(シオニスト&ナチス通商協定=ドイツ在住ユダヤ教徒のパレスチナへの移住と彼らの資産のパレスチナへの移送に関する協定)


 

ハザール王国



私は、この2年間、連続して、『コロナ騒ぎ謎解き物語』全3巻、『ウクライナ問題の正体』全3巻、『コロナとウクライナをむすぶ黒い太縄』全4巻(合計10冊)を出してきました。
さすがに疲れました。
そこで少し一休みして、元々書きたいと思っていたブログ「研究所:野草・野菜・花だより」や「寺島メソッド健康教室」に移りたいと思っていた矢先に、イスラエルの「ガザ虐殺」「民族浄化作戦」が始まりました。

しかし、ここで少し休憩したいと思っていたので、次の本を出す気があまり起きませんでした。
ところがガザ情勢を見ていると、イスラエルの蛮行は一向に収まる気配を見せません。
それどころか殺されるのは民間人、しかも女性と子どもが大半です。

しかも殺し方が尋常ではありません。民間人の避難先を指示しておきながら、避難先を求めて住民がそこに集まったときに、そこを爆撃するわけですから、眼を覆いたくなる惨劇が現出します。
日頃はアメリカの意向を忖度(そんたく)ばかりしているICJ(国際司法裁判所)でさえ、これは「ジェノサイド(genocide)=集団殺戮(さつりく)」だという判決を出して、即刻その殺戮行為を停止するよう命じました。


にもかかわらずイスラエルは一向に殺戮行為を止めるどころか、今はレバノンにまで殺戮行為を拡大しています。
たぶんガザにおける虐殺ぶりがあまりにも非道いので世界中から非難の声が沸き起こり、その世論転換、「めくらまし」のための戦術転換だったのでしょう。

しかし、ポケベルやトランシーバという民間人が日常的に使う道具を爆破させるという攻撃からレバノンへの攻撃を始めたのですから、これは明らかに「戦争犯罪」でした。
ところが不思議なことに、このような「戦争犯罪」を欧米諸国は非難するどころか武器や資金を援助しつつけています。
日頃は「ルールに基づく政治」を声高に叫んでいるアメリカも、このような国際法違反を制止する気配を見せません。

欧米諸国の指導者が日頃から信じているキリスト教というのは、こんな蛮行を許す宗教なのでしょうか。
またイスラエルのネタニヤフ首相は、「パレスチナはユダヤ人が神から与えられた土地だ」と恥ずかしげもなく公言しています。
ユダヤ教は、こんな蛮行を許す宗教なのでしょうか。
だとすれば彼らの「神」とはなんという恐ろしい神なのでしょうか。


こんなことを考えているうちに、しばらく休息するつもりだった私の気持ちに新しい怒りが湧いてきました。
というのはこんな事態にたいして日本政府はもちろんのこと大手メディアもイスラエルに対してきちんとした声をあげようとしていないからです。
ロシアがウクライナに進攻したときと何という違いでしょう。

ウクライナ軍の拠点マリウポリをロシア軍が攻略したとき、ウクライナ軍「アゾフ大隊」は市民を人質にして製鉄所の巨大な地下壕に立て籠もりました。
が、ロシア軍は市民の安全どころかネオナチの「アゾフ大隊」の命すら奪わず、投降させることを優先しました。
そのためマリウポリを陥落させるのに3か月を要しました。

これを見て、元アメリカ財務次官ポール・クレイグ・ロバーツは「プーチンのお人好し、3日で済む攻略に3か月もかけている」と揶揄(やゆ)したくらいでした。(『ウクライナ問題の正体』第2巻第2章)
確かにイスラエル軍のように、女性や子どもも一緒に爆破してしまえば、戦闘は一瞬にして終わります。
それどころかイスラエル軍は、「敵陣に捕虜になっている自分たちの兵士ですら一緒に爆撃しろ」という有名な「ハンニバル指令(Hannibal Directive)」をもっていますから、戦争はもっと簡単に決着します。
ところが大手メディアは、ロシア軍の戦い方を非難することはあっても、上記のようなイスラエル軍の戦い方を非難する論調は、ほとんど読んだことはありません。

先日、「武器取引反対ネットワーク」代表・杉原浩司氏ですら、「モンゴルは戦争犯罪人プーチンを逮捕しろ! 9.2大使館緊急アクションへ」というメールを送ってきて、私を驚かせました。
杉原氏のような左翼・リベラルの先頭を走っているはずの人物ですら、「プーチン=独裁者」という大手メディアの「プーチンの悪魔化」の論調に乗せられているのです。
緊急行動を呼びかけるのであればモンゴル大使館ではなくイスラエル大使館でしょう。
私が重い腰をあげて、「仕方がない、あと1冊だけ本を出すか」という気になった所以です。
自称「神に選ばれた民(ユダヤ人国)」と自称「神に選ばれた国(アメリカ)」に鉄槌をくだす必要を強く感じたからです。


さてネタニヤフ首相は「神はユダヤ人にパレスチナの地を与えると聖書で宣言しているから、我々にはイスラエルという国を建国し、それを守る権利がある」と主張しています。

本書では聖書のどこにそんな文句が書かれているのかを示しておきましたが、しかしよく考えてみると、聖書はユダヤ人という民族が自己正当化のために編集した「一種の神話」ですから、そんな神話をもとにして権利を主張するというのも実に奇妙な話です。
そういう言い方が許されるのであれば、「古事記や日本書紀によれば神が日本をつくったとされている。
その神の直系が万世一系の天皇だ。
『満州国』という国も、その神が認めて建国したものであるから、我々にはそれを守る権利がある」という主張も許されることになります。

しかし、そんな主張が通じなかったからこそ日本は孤立し、結局は「国際連盟脱退→アジア太平洋戦争(第2次世界大戦)→敗戦」という道筋をたどることになりました。
そして「現人神(あらひとがみ)」とされていた天皇も、戦後は「人間」になりました。
同じことはイスラエルについても言えるはずですが、欧米諸国はキリスト教国であり、旧約聖書という聖書を自分たちも共有しているからでしょうか、イスラエルの言い分に異を唱えているという話は聞いたことがありません。

もっとも、アメリカという国は世界で最も科学が発達した国であるはずですが、「過去10年間に行われた調査においても、44〜47%の人が、神が過去1万年ほどの間に人間を現在のような形で創造したと信じていると答えている」(ウィキペディア)そうですから、アメリカがネタニヤフ首相の主張に異を唱えないのも無理はないとも言えます。
それにしても大統領までも,そのようなレベルだとすれば、米国の未来は暗いと言わざるを得ません。

ユダヤ人とは誰か 第十三支族・カザール王国の謎 


ネタニヤフ首相が、「パレスチナという土地は神がユダヤ人に与えた土地だ」「だから我々はそれを所有し守る権利がある」という主張は、旧約聖書という「神話」をもとにしたものですから、荒唐無稽と言わざるを得ません。

しかし、白人であるネタニヤフ首相が「パレスチナという土地は神がユダヤ人に与えた土地だ」と主張するのですから、その荒唐無稽さは倍加します。
というのは、ユダヤ教の誕生は、聖地とされるエルサレムを見れば分かるように、中東すなわち西アジアでしたから,ユダヤ人はアラブの人たちと同じ褐色人だったはずです。
つまりユダヤ教を批判してキリスト教の祖となったイエスもユダヤ人であり褐色人だったのです。

ところが不思議なことに現代の絵画では、イエスもその母マリアも白人として描かれています。
それはともかく、イスラエルのネタニヤフ首相の出自を調べると、生まれはイスラエルですが、やはり東欧系ユダヤ人で、明らかに白人です。
ですから、一歩譲って、旧約聖書で「神がユダヤ人にパレスチナの地を与えた」ということを認めたとしても、そのユダヤ人は褐色人であって白人ではありませんでした。

旧約聖書で述べられている直系ユダヤ人(褐色人)がそのような主張をするのならまだしも、傍系ユダヤ人(白人)がそのような主張をするとすれば、それは一種の詐欺行為と言うべきでしょう。
しかし、それにしても、なぜこんな不思議なことが起きるのでしょうか。


私は以前から、なぜアメリカにはユダヤ人が多いのか、しかもなぜ白人なのかを不思議に思っていました。
私が翻訳した『チョムスキーの教育論』や『肉声でつづる民衆のアメリカ史』(いずれも明石書店)の著者ノーム・チョムスキーやハワード・ジンも東欧系ユダヤ人でしたが、彼らも白人でしたから。

そこで、いろいろ調べているうちにユダヤ人には、大きく分けて「アシュケナージ系(東欧系)ユダヤ人」と「スファルディ系(中東アジア系)ユダヤ人」の2種類があることが分かりました。
そして、いまイスラエル国の上層階級となり経済を支配している勢力は、「聖地シオンの丘に建国を!」と呼びかける「シオニズム」運動を通じてイスラエルを建国したひとたちであり、「アシュケナージ系(東欧系)ユダヤ人」すなわち白人だということが分かったのでした。

他方、「スファルディ系(スペイン中東アジア系)ユダヤ人」はイスラエルが建国されたあとにイスラエルに移住した人たちでした。
彼らは褐色人ですから直系ユダヤ人と考えられるのですが、イスラエルでは下層階級として貧困な生活を強いられています。実に皮肉な話ではないでしょうか。

しかし、ここでもう一つ疑問が湧いてきます。
傍系ユダヤ人である「アシュケナージ」が、なぜ東欧に多かったのかという疑問です。
そして調べて分かったことは、「アシュケナージ」 のルーツは、7世紀から10世紀に黒海北部からコーカサス地域にかけて栄えたトルコ系遊牧民族の国家、すなわちハザール王国だったのです。


このハザール王国については本文で説明したので詳細は割愛しますが、もしこれが事実だとすれば、ネタニヤフ首相の言い分はますます荒唐無稽ということになります。
なぜならハザール王国の国民は明らかに旧約聖書で述べられている直系ユダヤ人(褐色人)とは異なります。
聖書で「ユダヤ人にイスラエルの地を与える」と書かれていても、それは直系ユダヤ人に対してであり傍系ユダヤ人(白人)ではなかったからです。
ですから、先述したように、ネイション論=傍系ユダヤ人(白人)がそのような主張をするとすれば、それは一種の詐欺行為と言うべきでしょう。

私がこのことを知ったのはネットで調べて発見したことです。
が、このハザール王国について詳しく調べたアーサー・ケストラーの著書『ユダヤ人とは誰か 第十三支族・カザール王国の謎』(三交社、1990)が、先日やっと手元に届きました。
読んでみると、実に詳細にハザール王国について調べていて驚嘆させられました(訳者の宇野正美氏は、「ハザール王国」ではなく「カザール王国」としている)。

ネタニヤフ首相は、このケストラー説を根拠にしてネタニヤフ批判をするひとたちを「反ユダヤ主義者」と非難していますが、ケストラー自身がハンガリー出身のユダヤ人ですから、そのような非難はユダヤ人であるケストラーに失礼極まりない行為でしょう。
なおケストラーの原著の題名は『第十三支族(The Thirteenth Tribe)』となっていますが、これは「ユダヤ民族のルーツを辿れば12支族に収まるとされているが、13支族めが居た。
それがカザール王国だ」とケストラーは言いたかったのでしょう。

<註> ただしハザール王国の国王がユダヤ教に改宗したとしても、それが国民に一挙に広まったと考えられません。
それは仏教が日本に伝わったとき、天皇が良しとしても天皇の側近の間でも賛否が分かれ、それが物部氏と蘇我氏との争いの原因になったことでも明らかです。
しかし時間が経つにつれて日本が仏教国になったのと同じように、ハザール王国にユダヤ教が徐々に広まっていったことは間違いないでしょう。

ファシズム時代のシオニズム


あとひとつだけ、ここでどうしても述べておきたいことがあります。
それはイスラエル建国運動、シオニズム運動に邁進(まいしん)したアシュケナージ系ユダヤ人(白人)が犯した犯罪についてです。
それは彼らシオニズム運動の指導者たちが、ヒトラーのナチスと「ハーバラ協定」という密約を交わして多くのユダヤ人をガス室に送り込むことに手を貸したという事実です。

彼らはナチスがユダヤ人を迫害すればするほど、それを逃れようとするユダヤ人がイスラエルに脱出するだろうと考えたのです。
しかしイスラエルに行くにはお金持ちしか行くことが出来ませんでしたし、シオニズム運動の指導者たちもパレスチナに来てほしいと思っていたのは、建国のために資金を出してくれる富裕層だけでしたから、他の多くのユダヤ人は結局「強制収容所」に送られ、「ガス室」に消えて行きました。

ネタニヤフ首相が進めてきたシオニズム運動はこのような暗い過去をもっているにもかかわらず、それを何ら反省することなく、ユダヤ人が味わった酷(むご)い「ジェノサイド」「民族浄化作戦」を、今度はパレスチナ人におこなっているのです。

本文でハーバラ協定を説明したときは、手元に資料がなかったのでネットで調べるしか方法がなかったのですが、待ちに待っていた『ファシズム時代のシオニズム』(L・ブレンナー、法政大学出版局2001)が先日やっと届きました。
それを読んで、私が本文で書いたことに誤りがなかったことを知り、ホッとしました。
と同時に、このブレンナーの著書には「ハーバラ協定」について、もっと詳しい説明が載っていたのに、それを十分に本書に組み込むことが出来なかったことを申し訳なく思っています。


しかし、ここで追記しておきたいことは、この書を元にネタニヤフ首相のやっていることを批判すると、またもや「それは反ユダヤ主義者の主張だ」という非難が返ってくる恐れがあるということです。
そのような非難に対して、本書の著者レニ・ブレンナー(Lenni Brenner) がニューヨーク生まれのユダヤ系社会運動家であり、1960年代の公民権運動など一貫して人権運動や反戦活動を実践してきた人物であることを突きつけてやりたいと思います。
そうすればネタニヤフ首相もぐうの音も出ないのではないでしょうか。
なにしろ著者はアメリカの白人右翼ではなく、正真正銘のユダヤ人なのですから。

それにしても、ノーマン・フィンケルスタインが、自分の著書で、この「ハーバラ協定」にふれていないことが少し残念です。
というのは、フィンケルスタインは、アメリカのユダヤ人エリートが「ホロコースト」を口実に金稼ぎに励んでいる現実を鋭く告発した著書『ホロコースト産業――同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』(三交社, 2004)を著して有名になった人物だからです。

彼もまた、ナチスの「ホロコースト(絶滅政策・大量虐殺)」を生き延びたユダヤ人を両親にもつ正真正銘のユダヤ人であり、『イスラエル擁護論批判――反ユダヤ主義の悪用と歴史の冒涜(ぼうとく)』(三交社, 2007)という著書も公刊しているだけに、私にしてみれば、彼にもどこかで「ハーバラ協定」に言及して欲しいと願ってきましたので。

フィンケルスタイン 『イスラエル擁護論批判』 フィンケルスタイン『ホロコ-スト産業』

10
イスラエルによるガザ殲滅作戦が続いているのを見て、ユダヤ教という宗教は何という残酷な宗教かという思いが強くなりました。
何しろ、そこに先住民がどれだけいようが、「お前にその地を与える」「だから先住民を殲滅(せんめつ)しろ」と命じる神を、自分の頭上にいだくのがユダヤ教なのですから。

それでも、イスラエル建国に反対する、むしろ「イスラエル国を解体せよ」と主張する、いわゆる「超正統派ユダヤ人」と言われる人たちの存在に、少し救われる気持ちがします。
彼らは、先住民を殺し尽くしてイスラエルを建国し、それを守ろうとしている「シオニスト」と言われる人たちを、「それはユダヤ教の聖書『トーラー(いわゆる「モーセ五書」)』の教えに反する」と主張しているからです。

他方、このイスラエルの蛮行を批判するどころか、むしろ支援しているのがキリスト教国、すなわち米国およびEU諸国の支配者たちです。
そういう意味では、イスラエルによるガザ殲滅作戦は、私にキリスト教という宗教にも強い疑問を感じさせるようになりました。
「こんな蛮行を認めたり許したりするキリスト教の神とは何か」という強い疑問が湧いてきたからです。

そんなときに出会ったのが哲学者ニーチェの『キリスト教は邪教です』(講談社新書、2005)でした。
これには「キリスト教はイエスの教えにあらず」「戦争を生み出す『新約聖書』」などという章もあり、やっと疑問が氷解しました。
考えてみれば、コロンブスが南米ハイチ島の先住民を殺し尽くしたときも先頭に立っていたのはキリスト教宣教師でした(詳しくは『肉声でつづる民衆のアメリカ史』上巻第1章)。
彼らはキリストの名において先住民を火あぶりにかけて殺し尽くしたのです。

ニーチェと言えば、難解な哲学者という印象しかなかったのですが、この書でニーチェの印象が全く変わりました。
上記第2章「キリスト教が世界をダメにする」では、仏教を礼賛していることも、私を驚かせました。
と同時に、欧米諸国の指導者がイスラエル支持に走っている理由の半分は理解できたように思いました。
本書「まえがき」の追記として、上記のことをどうしても書きたいと思った所以(ゆえん)です。

ちなみに、上記ニーチェの著書の原題は『アンチクリスト:キリスト教批判の試み』です。
「アンチクリスト」という訳よりも「反キリスト者」という訳したほうがわかりやすいの思うのですが、巻末の解説では、「アンチクリスト」となっていました。
適菜収氏の和訳があまりにも砕かれすぎているのも少し気になりました。


<追記>

超正統派ユダヤ人のひとたちがイスラエルの建国に反対する理由はウィキペディアでは次のように書かれていました。

超正統派はイスラエル領土となる前のパレスチナ地域にも定住していた。
パレスチナ人の地域の領土を奪いイスラエルを建国した事に対し、超正統派の一部はイスラエルが聖書の「汝、殺すなかれ、盗むなかれ」に違反しているとして、「彼らは禁忌を犯した」という認識を持つ。
「聖書の教えに反した行いは同胞といえど肯定できない」とし、「メシア(救世主)が現れないと真のユダヤ国家は実現できない、しかし、まだメシアは現れていない、だから現在のイスラエル国家は偽物であり、認められない」、「メシアが現れるまでは建国を待つべきだ」という立場をとっている。

ここには書かれていませんが、彼らは「メシア(救世主)が顕れるまでは建国してはならないと、トーラー(いわゆる『モーセ五書』)に書かれている。
したがって現在のイスラエル国は聖書の教えに背いているから解体すべき」とも主張しているそうです。
ですから、ネタニヤフ首相の聖書を根拠にしたパレスチナ人の虐殺は、ますます許すことの出来ない蛮行ということになります。

なお、いわゆる「シオニスト」のイスラエル建国に反対する超正統派の運動を描いたドキュメンタリー(21分)を見つけましたので、以下に載せておきます。
*Rebel Rabbis: Anti-Zionist Jews Against Israel(反逆するユダヤ教の指導者たち:反シオニズムのユダヤ人がイスラエル建国に反対する)
https://www.youtube.com/watch?v=FKplabTRuak

いずれにしても、私のこのささやかな本が、いまパレスチナやレバノンで展開されているネタニヤフ政権の残虐行為にたいして少しでも歯止めになることを願ってやみません。
なぜなら現在の日本政府はアメリカの召使いとしてイスラエルに援助することはあっても、それを批判することはほとんど皆無だからです。

☆寺島先生のブログ『百々峰だより』(2024/10/10)
『翻訳NEWS』素材情報20241010――緊急出版『イスラエルに鉄槌を! ユダヤ人がユダヤ人を殺したハーバラ協定』の「あとがき」

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寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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